フカセ釣りにおいて、コマセ(撒き餌)の調合は釣果を左右する重要な要素です。
その混ぜ合わせに欠かせないのが「コマセミキサー」(別名:マゼラー)です。
コマセミキサーは単なる撒き餌を混ぜる道具ではありません。
適切なコマセミキサーを使用することで、フカセ釣りの効率と成果を大きく向上させることができます。
目次
コマセミキサーのメリットは?
主な用途としてコマセミキサーは、以下のような用途で活躍します。
冷凍オキアミの調整:冷凍オキアミを細かく砕き、適度な粒度に調整します。これにより、潮の流れに合わせた理想的なコマセを作ることができます。
集魚剤との混合:オキアミと集魚剤を均一に混ぜ合わせることで、完璧なコマセを作ります。手混ぜでは難しい均一な配合が可能です。
コマセの粘り具合の調整:ミキサーの使い方を工夫することで、潮の流れや対象魚に合わせた最適な粘り具合に調整できます。これは釣果を左右する重要なポイントとなります。
調合したコマセの移動や投入:スコップとしても使えるため、バッカンから別の容器への移動や、船上からの投入も容易に行えます。
このように、コマセミキサーは単なる混ぜ道具以上の多機能性を備えており、フカセ釣りには欠かせないアイテムとなっています。
バッカンの角などにたまる混ぜ残りがなくなり、手混ぜでは難しい均一な配合が可能となり、経験の差を少しでも埋めることができるのです。
コマセミキサーの基本知識
おすすめのコマセミキサーを早く見たい人のために、選び方についての説明を後述する形式にしています。
それぞれのコマセミキサーを見ていただいた上で選び方をご参照の上お気に入りを見つけていただければと思います。
おすすめのコマセミキサー4選
それではまず、おすすめのコマセミキサーを見ていきましょう。
シマノ ファイアブラッド コマセミキサー
製品概要
シマノの誇る高級コマセミキサー「ファイアブラッド」は、フカセ釣りのための徹底的なこだわりが詰まった一品です。
全長42cmの理想的なサイズで、ブレードとシャフトには高品質なステンレス素材を採用。グリップには樹脂とゴムを組み合わせることで、長時間の使用でも疲れにくい設計となっています。
主な特長
この製品の最大の特徴は、シマノ独自のX形状ブレードです。
通常のブレードと異なり、湾曲したカーブが付けられており、より少ない力で効率的な撹拌が可能です。
冷凍オキアミも簡単に砕けるため、均一なコマセが短時間で完成します。特にグレ釣りなど、マキエとツケエの同調が重要な場面で真価を発揮します。
使いやすさも徹底的に追求されています。
T型グリップの採用で作業性が向上し、グリップ部分の樹脂とゴムの組み合わせで滑りにくい設計となっています。
42cmという絶妙な長さは、手が汚れにくく、バッカンの底までしっかり届く理想的なサイズです。
耐久性も特筆すべき点です。
ブレードとシャフトにステンレス素材を使用することで、錆びにくく長期間安心して使用できます。
頻繁な使用でも性能が落ちにくく、冷凍エサを砕く際も安心して力を入れられます。
モデルと価格
現在、2つのモデルがラインナップされています。
上位モデルのUL-001S(5,100円・税抜)は、より繊細な操作が可能で、プロフェッショナルな使用にも応えます。
一方、スタンダードモデルのUL-002S(4,400円・税抜)も十分な性能を発揮し、多くの釣り人から支持されています。
実際の使用感
フィールドでの使用において、その性能の高さが際立ちます。
軽い力で効率的に混ぜられ、コマセの粘り具合を細かく調整できる点は、多くのユーザーから高い評価を得ています。
握りやすく長時間の使用でも疲れにくい設計も、実践的な価値があります。粘りの多いチヌ餌にも使えました。
ただし、価格が比較的高めなことや、初心者にとって操作に慣れが必要な点は考慮が必要です。
おすすめの使用シーン
特にグレのフカセ釣りにおいて、その真価を発揮します。
グレを寄せるためのマキエ作りや、エサ取りをグレのポイントへ行かせないための軽いエサのマキエ作りなど、いくつかの配合エサとブレンドして餌を作るときに使いやすいです。
まとめ
ファイアブラッド コマセミキサーは、フカセ釣りを本格的に楽しみたい人、トーナメントなどに出たい人、そしてコマセの質にこだわりたい人に特におすすめです。
高価格ながら、その性能と耐久性で長期的な価値を提供する製品と言えます。
特にフカセ釣りを頻繁に楽しむ方にとっては、投資する価値のある一品でしょう。
ダイワ コマゼV 400L
製品概要
ダイワ社が誇る「コマゼV 400L」は、フカセ釣り用に開発された高性能なコマセミキサーです。
全長40cmというスタンダードなサイズながら、ブレード部分には高品質なステンレス素材を採用し、プロフェッショナルな性能を実現しています。
特に目を引くのは、高級感のあるPROVISORのロゴが入ったグリップデザインです。
主な特長
この製品の核となる特徴は、穴あきタイプのステンレス製ブレードです。
この独特な設計により、水の抵抗を抑えながら効率的な撹拌が可能になっています。
特筆すべきは、ブレード先端部の設計で、オキアミを砕く際にシャープでスムーズなカッティングを実現します。
使い勝手の良さも大きな特徴です。
40cmの全長は、手が汚れるのを防ぎながらも、細かい作業がしやすい絶妙なサイズとなっています。
また、グリップは長時間の使用でも疲れにくい設計で、プロフェッショナルな使用にも応えます。
耐久性については、ステンレス素材の採用により、錆びに強く長期間の使用に耐える設計となっています。
冷凍オキアミを砕く際の強い負荷にも十分に耐えられる強度を備えています。
実際の使用感
フィールドでの評価は非常に高く、特に丈夫さと使いやすさが多くのユーザーから支持されています。
冷凍オキアミを砕く性能は特筆すべきで、シャープな切れ味により効率的な作業が可能です。
特に冬場のグレ釣りでなかなかオキアミが溶け切らない時に、半解凍オキアミを砕くのに使いやすいです。
穴あきタイプのブレードのおかげで、少ない力でも効率的に混合できる点も高く評価されています。
無難な選択をするのならダイワのコマゼはアリだと思います。
おすすめの使用シーン
グレ釣りなどのフカセ釣りにおいて、特にその真価を発揮します。
前述しましたが、凍ったオキアミを細かく砕くにはコマゼV 400Lの性能は大きな強みとなります。
まとめ
ダイワ コマゼV 400Lは、フカセ釣りにおいて、特に質の高いコマセ作りを求める釣り人に最適な製品です。
オキアミなどの冷凍餌を使用し、繊細なコマセ調整を行いたい方にとって、非常に信頼できるパートナーとなるでしょう。
価格は比較的高めではありますが、その性能と耐久性を考えれば、十分な投資価値があると言えます。
特に、フカセ釣りを本格的に楽しむ方には、強くおすすめできる一品です。
マルキュー パワーマゼラー MQ-01
製品概要
マルキュー社が誇る最高峰モデル「パワーマゼラー MQ-01」は、コマセミキサーの中でも特に高い性能を誇る製品です。
全長40cm、ブレード部分は幅7.5cm、高さ14cmという大型サイズを採用し、圧倒的な攪拌力を実現しています。
主な特長
この製品の最大の特徴は、新設計の大型ブレードです。
ブレード面は広い面積でエサを捉え、両側エッジ部分には特殊な角度が付けられています。
この設計により、エサを効率よく流動させ、攪拌スピードを大幅に向上させることに成功しています。
耐久性も特筆すべき点です。
7mm径という太いステンレスシャフトと3点留め固定ピンの採用により、抜群の剛性を実現。激しい使用にも耐える信頼性の高い構造となっています。
さらに、ブレードには独自のホール形状が採用されています。
この形状により、エサの抵抗を効果的に逃がしながらも、高い攪拌力を維持することができます。
結果として、釣り人の負担を軽減しながら、効率的なコマセ作りが可能になりました。
使いやすさへのこだわり
グリップ部にはEVA素材の太径グリップを採用。しっかりと握れて力が入れやすい設計となっており、長時間の使用でも疲れにくい特徴があります。
特に大量のコマセを作る必要がある場合でも、快適に作業を続けることができます。難点としてはEVAなので水に濡れると冷たいので冬場は濡らさないように使いましょう。
実際の使用感
釣り場での評価は非常に高く、特に攪拌力の高さは他の追随を許しません。チヌ餌の攪拌がめちゃくちゃ早くなります。
大型ブレードと独自のホール形状の組み合わせにより、少ない力で効率的にコマセを作ることができます。
また、太径グリップの採用により、持ちやすく混ぜやすいです。
ただし、ややグリップ大きめなのでコンパクトに荷物を持っていきたい人からすると邪魔になるかもしれません。
あと、在庫切れの関係で通販で売っていない場合が多いです。
まとめ
さすがのエサ屋の製品だけあってパワーマゼラー MQ-01は、その高い攪拌力と耐久性から、コマセミキサーの中でも最高峰の製品と言えます。
価格は決して安くありませんが、フカセ釣りを本格的に楽しむ方、特に大量の撒き餌を使用する機会が多い方にとっては、十分な価値があります。予算に余裕があれば、コマセミキサーの中で最もおすすめできる製品です。
ナカジマ マゼコップ
製品概要
ナカジマ社の「マゼコップ」は、フカセ釣り初心者に特におすすめのコマセミキサーです。
335×85mmというコンパクトなサイズながら、幅広のカップ形状と効率的な設計により、十分な性能を発揮する入門機として高い評価を得ています。
主な特長
この製品の特徴は、シンプルながら実用的な設計にあります。
ブレードにはステンレス素材を採用し、木製グリップとの接続部分を強化することで、初心者でも安心して使える耐久性を実現しています。
特筆すべきは楕円ホール設計です。
この独自の設計により、スコップ部分に付いたコマセが離れやすく、初心者でも扱いやすい特徴があります。
また、コマセを混ぜる際の抵抗も軽減され、スムーズな操作が可能です。
使いやすさへのこだわり
初心者向け製品であることを考慮し、使いやすさに重点を置いた設計となっています。
幅広のカップ形状により、少ない力でも効率的な撹拌が可能です。
また、コンパクトなサイズは持ち運びやすく、様々な釣り場で気軽に使用できる利点があります。
おすすめの使用シーン
磯釣り、波止釣りなど、幅広い釣りのシーンで活躍します。
特に、フカセ釣りを始めたばかりの方や、時々の釣行で使用する方に最適です。
まとめ
マゼコップは、フカセ釣りを始めたばかりの方や、これからフカセ釣りを始めようと考えている方に最適な入門用コマセミキサーです。
以下のような方に特におすすめです:
フカセ釣りを始めたばかりの方
手頃な価格で基本的な機能を求める方
コンパクトな道具を好む方
月1-2回程度の釣行を予定している方
コンパクトながら必要十分な性能を備え、扱いやすさを重視した設計は、初心者の方が安心して使い始めることができます。
価格も手頃で、フカセ釣りの入門機として最適な選択肢と言えるでしょう。
コマセミキサーの代用品について
100均の竹製ターナーで始める
コマセミキサーは釣りの重要なアイテムですが、初めは出費を抑えたい、または試しに使ってみたいという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方におすすめなのが、ダイソーやセリアなどの100円ショップで手に入る竹製の穴あきターナー(返し)です。
わずか100円程度で入手できるこのアイテムは、軽量で持ち運びやすく、バッカンを傷つける心配も少ないという利点があります。
エサを混ぜる基本的な機能は十分に果たすことができ、使い捨て感覚で使えるのも魅力です。
使用上の特徴と工夫
最大の制限は、冷凍オキアミを砕く能力がないことです。
そのため、オキアミは事前に半解凍状態にしておくか、手でほぐせる程度の柔らかさにする必要があります。
また、エサの配合は比較的柔らかめに調整することをおすすめします。
実際の使用では、最初は少量ずつ混ぜていき、ゆっくりと丁寧に撹拌することが大切です。
必要に応じて水分量を多めに調整すると、より扱いやすくなります。
慣れてくれば、複数本持参して使い分けたり、穴の大きさの異なるものを組み合わせたりする工夫も可能です。
グリップ部分にテープを巻いて握りやすくするなど、簡単な改造を施すこともできます。
おすすめの使用シーン
この代用品は、特にフカセ釣りを始めたばかりの方や、年に数回程度の釣行頻度の方に適しています。
予算を抑えて始めたい方、またはコマセの使用量が少ない釣り方をされる方にとって、理想的な選択肢となるでしょう。
ただし、これはあくまでも「入門用の代用品」という位置づけです。
フカセ釣りを本格的に楽しむようになった場合や、冷凍オキアミを頻繁に使用する場合は、専用のコマセミキサーの購入を検討することをおすすめします。
始めは竹製ターナーで基本的な技術を習得し、その後、必要に応じて専用のコマセミキサーにステップアップするという方法は、経済的にも技術的にも賢い選択と言えるでしょう。
まずは手軽な竹製ターナーから始めて、フカセ釣りの奥深さを探っていくのも一つの方法です。
コマセミキサーの選び方
フカセ釣りで快適に使えるコマセミキサーを選ぶためには、以下のポイントに注目する必要があります。
ブレード(刃)の特徴
コマセミキサーの性能を左右する最も重要な要素は、ブレードの素材です。
主に以下の2種類があります:
ステンレス製
耐久性に優れ、冷凍オキアミも効率よく砕ける
錆びにくく、長期使用に適している
価格は比較的高め
ステンレス製は耐久性に優れ、冷凍オキアミも効率よく砕くことができます。錆びにくい性質は長期使用には最適で、特に真冬の釣りで完全に凍ったオキアミを使用する際にその真価を発揮します。
プラスチック製
軽量で扱いやすい
バッカンを傷つけにくい
価格が手頃
硬化プラスチックなど、頑丈な素材を選ぶことが重要
プラスチック製は軽量で扱いやすく、バッカンを傷つけにくいのが特徴です。
価格も手頃で、特に真夏の釣りでは柔らかくなったオキアミを扱うことが多いため、十分な性能を発揮できます。
ブレードの形状
形状の違いにより、混ぜやすさや効率が変わってきます:
穴あきタイプ
水の抵抗が少なく、スムーズに混ぜられる
材料が詰まりにくい
初心者でも扱いやすい
穴あきタイプは、水の抵抗が少なくスムーズに混ぜられるため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
粘り気の強い配合でも、穴からの水抜けが良いためストレスなく作業できます。
X字型
材料を効率的に細かく砕ける
均一な混ざり具合を実現しやすい
パワフルな撹拌が可能
X字型は材料を効率的に細かく砕け、均一な混ざり具合を実現しやすいのが特徴です。
特にグレのフカセ釣りで混ぜムラがないようにしたいときには最適です。
全長は40cm以上が推奨
40cm以上の長さが推奨される理由は、実践的な使用場面で明確になります。
例えば、深さ30cmのバッカンで作業する場合、短すぎるミキサーだと手首まで中身が跳ねて服が汚れやすくなります。
特に寒い日は手が濡れるのを避けたいため、適切な長さは重要です。
グリップの特徴
グリップの握りやすさによってもエサの混ぜ具合が変わってきます。
特に粘って重いチヌ餌を混ぜるときにはシマノやマルキユーのようなコマセミキサーでグリップがしっかりしたものの方が楽に混ぜられます。
グリップが大きい方が混ぜやすいですが、邪魔にもなりますので、ご自身の釣りのスタイルや釣行回数によって決めるのがいいでしょう。
まとめ
フカセ釣りにおいてコマセミキサーは、単なる撒き餌を混ぜる道具以上の重要な役割を果たします。
優れたコマセミキサーは、冷凍オキアミを簡単に砕き、集魚剤との均一に混ぜることができます。
市場には様々な特徴を持つコマセミキサーが存在し、シマノのファイアブラッドは独自のX形状ブレードで効率的な撹拌を実現し、ダイワのコマゼV 400Lは穴あきタイプのステンレス製ブレードで扱いやすさを追求しています。マルキューのパワーマゼラーMQ-01は大型ブレードによる圧倒的な攪拌力を誇り、初心者向けのナカジマのマゼコップはコンパクトながら実用的な性能を備えています。
選び方の基本として、ブレードの素材と形状、全長、そしてグリップの特徴を重視することが大切です。
ステンレス製のブレードは耐久性に優れ、特に冬場の冷凍オキアミの使用時に力を発揮します。
40cm以上の全長があれば手が汚れにくく作業がしやすくなります。また、グリップの握りやすさは長時間の使用時の快適さに直結します。
予算や使用頻度に応じて、100均の竹製ターナーからハイエンドモデルまで、幅広い選択肢の中から自分に合った一品を選ぶことで、フカセ釣りの効率と成果を大きく向上させることができるでしょう。
一番おすすめはマルキユー
トーナメント仕様ならシマノ
無難にいいものならダイワ
チヌ餌にはスコップ型
チヌの集魚剤最強の組み合わせ。フカセ釣り最強ブレンドならこの3つ