OpenAIが発表したChatGPTが世界に衝撃を与え、Mirosoftがいち早く出資とサービスのリリースを始めている。テックジャイアントやビッグテックと呼ばれるGAFAMは、昔からAIの研究をしており、Googleはいち早く新サービスのリリースを公表した※。
※大規模言語モデルの元論文はGoogleが発表しているので基礎技術はあると思う。残念ながら、もたもたしていたため、主要メンバーは独立してOpenAIの設立に繋がっていった。
チャットAIの観点では、Mirosoftが先行していると思われるが、各社の報道と検索でヒットした内容を整理してみた(日々新サービスがリリースされますが、、)。
目次
Goolge
AlphaGoや深層学習で先行しており、大規模言語モデルの論文もGoogleが発表している。残念ながら、ChatGPTに先行されたものの、着々とサービスリリースを目指している。
また、既存のチャットAIよりも、計算を効率化したLionというモデルを開発している。早くサービスとしてリリースして欲しい。
- 深層ニューラルネットワークのトレーニングのための最適化アルゴリズムを発見する方法を示しています。アルゴリズムの発見をプログラム検索として定式化し、効率的な検索技術を活用して無限でまばらなプログラム空間を探索します。
- Lionというシンプルで効果的な最適化アルゴリズムを発見しました。Lionは、さまざまなタスクのモデルのトレーニングにおいてAdamやAdafactorなど広く使用されている最適化アルゴリズムよりも優れた性能を発揮します。LionはAdamよりもメモリ効率が高く、より小さな学習率が必要です。Lionの実装は公開されています。
- グーグル(Google)は人工知能(AI)を搭載したチャットボット「Bard」に対して1週間の「ドッグフーディング」と呼ばれる社内テストを実施しており、この取り組みに参加する際の留意点を従業員に共有している。
Apple
AppleはiPhoneやアップルウォッチなどで地位を築いており、品質面で他社が追い付けていない。チャットAI競争には参加しないようだが、アップルウォッチの血糖値測定機能で画期的な進展あったようで、開発力と品質の差が広がっている。健康面や日中パフォーマンス維持の観点で、血糖値の日中変動が注目されているが、デバイスの値段や体に針を刺す必要あったが、時計タイプで計測できるようになれば、今よりも簡単・手軽に使うことで、一段の市場拡大が期待できる。
アップルが「AIチャットボット戦争」を静観している理由
- アップルは長年AIの研究を続け、多くの製品にそれを導入していますが、新しい技術を先行投入することはなく、他社が市場を確立した後に参入することが多いため、AIチャットボット戦争に飛び込まないのは妥当な判断だと考えられます。
- ただし、アップルは社内でAIイベントを開催し、AI戦略のアップデートを社内に周知させていることから、独自のバージョンのChatGPTを有している可能性があるとされています。
アップル、従業員向けにAI版WWDC開催「我々は最前線にいる」
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AppleのAIチーフは「機械学習は常に進化しており、Appleは最前線にいる」と語ったそうな。しかし、ChatGPTやBing AIと競合する**具体的なサービスを明かしたわけではありません。
まぁ、消費者に影響する大きな発表があるとすれば、今年6月のWWDCでしょう。あるいは対話型AIの盛り上がりは一時的なモノとして、ここには参入しない可能性もあります。
アップルウオッチで血糖値測定へ、技術開発が飛躍的進展-関係者
- 穿刺せずに血液中のグルコース(ブドウ糖)を継続的に測定できる技術で、最終的に同社のスマートウオッチ「アップルウオッチ」への搭載を目指しているという。ウオッチへの搭載が実現すれば、画期的な技術革新となる。
米アップル、AI使った作曲手掛ける新興企業を買収
Apple、AI学習型動画解析ベンチャー「Vilynx」を買収
Apple、AI専用プロセッサ「Apple Neural Engine」を開発か
Facebook(Meta)
Meta社もAI研究は進んでおり、Toolfomerという、計算機能など外部ツールを活用できる言語モデルを開発している。ChatGPTは計算を間違うことがしてきされており、その問題を解決できるかもしれない。
Metaの言語モデル「Toolformer」は検索エンジン・電卓・カレンダーなどをAPIで呼び出し使用する
- Metaが開発した言語モデル「Toolformer」は、外部ツールをAPI経由で利用する方法を学習し、検索エンジンや電卓、カレンダーなどを使用することができる。
- 大規模言語モデルがAPIを呼び出せるようになったことで、アプリ内のユーザーデータに損害を与えたり、ブラウザなどを介して外部で問題を引き起こしたりする可能性があると指摘されている。
- MetaのAI研究所「Meta AI」が、文字列(プロンプト)を入力するだけで動画を生成するAI「Make A Video」とその成果を発表しました。
Amazon
AWSにおいて、クラウド・サービス首位。AWSにおいて機械学習機能を提供したり、Alexa、AmazonGo等のサービスを提供してきた。チャットAIと既存事業の親和性が高そうな企業。スタートアップへの出資が報道されており、AWSを使ってのLLMの提供を目指す模様。
AmazonがOpenAIのライバルの人工知能スタートアップHugging Faceとの提携を強化、AWSで次世代LLMを構築して提供へ
- Amazon Web Services(AWS)は、Hugging Faceとのパートナーシップを拡大し、2023年にChatGPTのライバルをAWSで提供することを発表しました。Hugging Faceは、オープンソースモデルの開発にAWSを使用する予定であり、AWSのユーザーがHugging Faceの次世代AIツールにアクセスできるようにする予定です。AWSは、OpenAIのライバル企業であるStability AIやAI21 Labsともパートナーシップを結んでいます。
Microsift
AmazonがAWSで提供を表明したスタートアップのLLMをAzureでも提供することを表明している。サービス内容を比較できていないが、LLMは単純に規模を大きくするだけで性能が向上するため、テックジャイアントの体力勝負になってきた印象。
Hugging Face on Azure
- Hugging Face社は、最先端の機械学習モデルを構築するための主要なオープンソースライブラリであるTransformersを開発した企業です。Azure Marketplaceで提供されているHugging Faceエンドポイントサービス(プレビュー)を使用すると、Azureのエンタープライズグレードのインフラを使用して、専用のエンドポイントに機械学習モデルをデプロイすることができます。
Bingに搭載したGPT4であるが、不適切な受け答えや負荷の関係で、1日の利用制限を発表している。能力は高いものの、計算コストが高すぎるようだ。
新しいBing、アプリになる 音声対応+チャットで応答
Bingの1日の利用制限を発表している一方で、スマートフォン向けのアプリをリリースしたりと動きが目まぐるしい。
- 米Microsoftは22日(米国時間)、チャット応答に対応した「新しいBing」について、iOS/Androidアプリのプレビュー版や、Skypeを活用した新たなチャット体験などの新機能を提供開始した。テスターとしてBingのプレビューに参加しているユーザーはすぐに利用可能になる。
Mircosoftは、いち早くMS365へのAI機能を追加することを表明している。LLMとは異なる機能も多いが、相乗効果が狙える。MS365はサブスクリプション・サービスのため、既存プランに新機能が追加されるか、追加料金が必要であるかは不明であるが、生産性を考えると追加料金を払わざるを得ないという印象。
また、GPT関係のサービスをAzureプラットフォームで提供することも表明している。OpenAI社のサービスを企業が利用する場合、情報管理に不安があったが、Azureで閉じるようなら、企業利用が促進されそうだ。