大腸内視鏡検査にかかる時間と費用は?当日の流れを詳しく解説!
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大腸内視鏡検査は、大腸内を直接カメラで観察することのできる検査です。
近年、患者数の増えている『大腸がん』の早期発見のためにも、大腸内視鏡検査を受けておくことをおすすめします。
この記事では、『大腸内視鏡検査』について、くわしく解説していきます。
大腸内視鏡検査とは
大腸内視鏡検査とは、食事制限と下剤により腸内を空っぽにした状態で、肛門から太さ11~13ミリの細長くやわらかい内視鏡(カメラ)を入れて大腸を観察する検査です。
病気によって異変が起きている部分(病変部)の形状や大きさのほか、大腸の表面の色や出血の様子もくわしく観察でき、診断に活かすことができます。
1.大腸内視鏡検査でわかる病気
『大腸がん』『大腸ポリープ』 『クローン病(炎症性腸疾患)』『潰瘍性大腸炎』『大腸憩室症』『虚血性腸炎』など、命にかかわる病気も早期に見つけることが出来ます。
2.『バリウム検査』 とのちがいについて
バリウムは、レントゲン撮影によって大腸を観察します
バリウム検査も、食事制限と下剤により腸内を空っぽにした状態で、肛門からバリウムを入れます。
大腸内視鏡検査との大きなちがいは、バリウムを入れた腸をレントゲン撮影 することによって、病気によって異変が起きている部分(病変部)を見つけることです。
バリウム検査のデメリット
バリウム検査は、以下の理由で現在はあまりおこなわれていません。
- がんが見落とされることも多いこと
- X線による放射線被ばくが大きいこと
- ポリープなどがあっても処置ができないこと
大腸内視鏡検査の流れと所要時間
大腸内視鏡検査の所要時間は全体で約6時間30分になります。
検査前は以下の注意点を守ってください。
- 検査当日は車の運転は禁止です。
- 飲食は検査が終了してから約1時間後となります。
- 激しい運動は避けてください。
1.下剤(腸洗浄剤)による前処理(約2時間30分)
原則として、当日の飲食は禁止です。常備薬を服用している場合は、事前に医師に相談しておきましょう。
まず、下剤による前処置をおこないます。大腸をきれいにするために1.5リットルから2リットルの腸洗浄液 を数回に分けて飲みます。
2.透明な便が出たら検査ができます(約1~1時間30分)
腸洗浄液を飲み終わってから1時間ほどで便意が出てきます。便が透明感になり、浮遊物・残渣物 がなくなるまでトイレに通ってください。
家で腸洗浄液を飲んでいた人はこのタイミング で病院へ行ってください。病院で前処理をおこなう場合、検査の4時間前には病院へ行っておきます。
3.鎮静剤を打ちます(約30分)
検査着に着替え、検査台に横になった状態で「鎮静剤」(軽くウトウトする薬)を注射します。
腸のはたらきが活発すぎる場合などは 、腸の緊張をやわらげる薬を注射することもあるでしょう。
4.内視鏡検査を開始(約15分~20分程度)
肛門から大腸に内視鏡を入れて、モニターに映る腸の内部を観察します。人によって時間は多少異なります。
5.検査後はしばらく安静にします(約30~40分)
検査後は、横になったまましばらく安静にします。気分が悪いとき、体に変調があるときはすぐに医師に伝えてください。
6.検査結果を聞きます(約30分)
落ち着いたところで身支度を整え、撮影した画面を見ながら検査の結果を聞きます。
組織採取 をおこなった場合は、後日検査結果を聞くこともあります。
大腸内視鏡検査を受ける頻度と費用について
1.大腸内視鏡検査にかかる費用
保険適用 | 自己負担額 | |
---|---|---|
医師により保険診療になると判断された場合 | 適用 | 25,000円前後 |
検診で再検査になった場合 | 適用 | 25,000円前後 |
異常が見つからず、観察のみの場合 (採血などで費用がかかることもあります) | 3割負担 | 6,000円前後 |
1割負担 | 2,000円前後 | |
炎症や潰瘍が見つかり、組織を採取して顕微鏡で調べる検査になった場合 | 3割負担 | 10,000~20,000円前後 |
1割負担 | 3,000~5,000円前後 | |
切除の必要があるポリープが見つかり、ポリープを切除した場合 | 3割負担 | 20,000~30,000円 |
1割負担 | 7,000~10,000円前後 | |
自費検診で観察のみの場合(異常が見つかった場合は保険診療になることもあります) | – | 20,000円前後 |
ただし使用する薬剤や時間外対応によって費用は前後するほか、診察代や血液検査代は別途かかります。
2.どのくらいの頻度で検査を受けるべき?
大腸にポリープがあった場合や病気が発見された場合は、定期的に検査をおこなう必要があります。
また、切除したポリープが悪性だった場合には追加治療が必要な場合もあります。
次の検査時期 | |
---|---|
病変がなかった場合・問題のない小さなポリープのみの場合 | 3~5年後 |
10ミリ以下のポリープ(1、2個)を発見し、切除した場合 | 3年後 |
10ミリ以上、もしくは3個以上のポリープを切除した場合 | 1年以内 |
ポリープが多数見つかった場合 | 1,2年後に再検査 |
クローン病・潰瘍性大腸炎が見つかった場合 | 毎年検査 |
まとめ
『大腸内視鏡検査』については、「肛門から内視鏡を入れるなんて嫌!」と思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この検査は、大腸の内部をしっかり見ることができ、小さな病変部も見逃さず、早期に治療できるという大きなメリットがあります。
40代を超えてくると、ポリープやがんのリスクが上がってきます。
自身の健康のためにも、一度大腸内視鏡検査を受けてみることをおすすめします。
執筆・監修ドクター
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経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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