ESP Throbber-STD : 計算されたホロウ構造が生むバランス良い鳴り | ESP GUITARS

ESP Throbber-STD : 計算されたホロウ構造が生むバランス良い鳴り

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ESP Throbber-STD : 計算されたホロウ構造が生むバランス良い鳴り

空気感をまとわせる独自の中空ボディー

一般的なシングル・カッタウェイのソリッド・ギターに見える“THROBBER”。実はESPらしいアイデアが盛り込まれた注目のモデルだ。最大の特徴は、ネック・ピックアップ付近からブリッジ下まで施された、“サウンドリザーバー”と呼ばれる独自の中空ボディー加工。一般的なセミ・ソリッド加工とは異なり、高音弦側の空間を広く、低音弦側を狭く取ることにより、ソリッド・ギターらしいアタックやサステインを保持しつつ、セミ・アコースティック・ギター的な空気感を得ることに成功している。精緻な木工技術と、様々なカスタム・ギターで培った経験が結実したESPならではの1本と言えるだろう。
実際に音を出してみると、ソリッド・ギターとは明らかに異なるボディーの振動が感じられ、コードもよく響いているのがわかる。弦の振動が一度ボディーの空洞を通って反響している感じで、アタック感はしっかりあるものの、空気をまとうことで金属的になり過ぎない印象だ。強めのオーヴァードライヴ・サウンドなどにも十分対応してくれるものの、やはりこの空気感を生かすならクリーンからクランチ、軽めのオーヴァードライヴがオススメだ。
ピックアップ・セレクターは5点式で、ネック側から[1]ネックのシリーズ、[2]ネックのスプリット、[3]ネック&ブリッジ、[4]ネック&ブリッジのスプリット、[5]ブリッジのシリーズという配線。全体的に、マイナー・コードが愁いを持って響くようなダークな音色傾向の印象があるものの、ネックのシリーズ([1]のポジション)ではカッティング向きなトゥワンギーなサウンドも出せ、ファンクなどでも活躍してくれそうだ。
ロック向きのハムバッカー・サウンドを持ちつつ、ネオ・ソウルなどに合う空気感を持ったトーンがほしい人は、ぜひチェックしてみてほしい。

Demonstraiton by 大橋英之

THROBBER

2022.08.10