『地面師たち』に引き続き、『極悪女王』がおもしろい!
大量に映像作品があるわりに観たいものがない、と思っていたNetflixですが、制作陣があきらかに総力をあげている系の作品は新手のおもしろさがあります。
キャスティング然り、舞台設定然り、物語のスケール然り。
現代のよくある職場や家庭や趣味の世界に軸足を置いて繰り広げられるストーリーとは違って、エキサイティングでわかりやすい演出を伴ったエンターテインメントは、見始めると飽きる暇がありません。
間延びしたシーンや説明的すぎるモノローグもなく、週末に一気見できるような疾走感。
普段は好き好んでドラマを観たりしない層でも、文句なしに楽しめる工夫というか配慮があるように感じました。
というのも、自分自身がそうなので。
映画よりも丁寧に背景や人物像が描かれ、それでいて、シーズン○○エピソード□□とだらだらしたかんじがないのが魅力的。
それに加えて、実話をもとにした作品というのは、実在の人物や当時のことや現実の実情を調べたりできる分、100パーセント虚構の物語よりも、裾野が広いのかもしれません。
そもそも完全なるフィクションという世界が存在するのかという点はともかくとして、人工的な作り話に興味を示さない人がいるのもまた事実だと思うのですが、そこをうまくカバーしているのがこの手のジャンルなのかな?と。
やや脱線して考えてみると『虎に翼』が話題になるのも、納得がいきます。
もちろん、脚本家や役者やスタッフの力が前提ですが、広範な視聴者が感情移入しやすいのはやはり実話のエッセンスがあるからだと思います。
わたしは見ていないので詳しいことはわからないにしても、なんとなくそう感じました。
さて、『極悪女王』に話を戻すと、わたしは現時点で三話半観たところで、ラストに向かってどうなるのかとても楽しみでたまりません!
あのジェンダーフリーな女子プロレスの空気の中で、いきいきと戦い合っている演技もみていて気持ちがいいし、なにより、ゆりやんレトリィバァ・唐田えりか・剛力彩芽の三人の人間的肉体がいい。
うまく言い表すのが難しいんですが、ありふれた「きれい」「かわいい」「かっこいい」などで表現できない美しさがあります。そして、あんなに肌の露出が多くとも一切いやらしくない。
ジャガー横田役の子も、デビル雅美役の子も、それから他のメンバーの人たちも、それぞれ生命力を感じさせる熱が画面から伝わってくるようでした。
ぜひ別の作品でもこれからどんどん活躍してほしいと思います。
痛そうな試合を生で観戦しようとまでは思えないにしても、未知のものには好奇心がそそられるものですね。
YouTubeで検索する中で、ブル中野とダンプ松本が和やかに話している動画も見てみました。
極悪ぶれる人格の持ち主は真に善良なのだろうなと、なぜかウルっときました。
それにしても、あれほど竹刀の似合う人物はほかにいないんじゃないかと思いました。もはや杖。生涯の友。
ちなみに今回のタイトルは松浦理英子のエッセイ集の中から拝借。
ビューティ・ペアやらクラッシュ・ギャルズやら、あらためて読み直して感激したのでした。