2024年09月 : 煌めき日誌

煌めき日誌

夫と二人暮らし。日々を気ままに綴ります。たまに夫も更新します。

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2024年09月


『地面師たち』に引き続き、『極悪女王』がおもしろい!

大量に映像作品があるわりに観たいものがない、と思っていたNetflixですが、制作陣があきらかに総力をあげている系の作品は新手のおもしろさがあります。

キャスティング然り、舞台設定然り、物語のスケール然り。

現代のよくある職場や家庭や趣味の世界に軸足を置いて繰り広げられるストーリーとは違って、エキサイティングでわかりやすい演出を伴ったエンターテインメントは、見始めると飽きる暇がありません。
間延びしたシーンや説明的すぎるモノローグもなく、週末に一気見できるような疾走感。
普段は好き好んでドラマを観たりしない層でも、文句なしに楽しめる工夫というか配慮があるように感じました。
というのも、自分自身がそうなので。
映画よりも丁寧に背景や人物像が描かれ、それでいて、シーズン○○エピソード□□とだらだらしたかんじがないのが魅力的。

それに加えて、実話をもとにした作品というのは、実在の人物や当時のことや現実の実情を調べたりできる分、100パーセント虚構の物語よりも、裾野が広いのかもしれません。
そもそも完全なるフィクションという世界が存在するのかという点はともかくとして、人工的な作り話に興味を示さない人がいるのもまた事実だと思うのですが、そこをうまくカバーしているのがこの手のジャンルなのかな?と。

やや脱線して考えてみると『虎に翼』が話題になるのも、納得がいきます。
もちろん、脚本家や役者やスタッフの力が前提ですが、広範な視聴者が感情移入しやすいのはやはり実話のエッセンスがあるからだと思います。
わたしは見ていないので詳しいことはわからないにしても、なんとなくそう感じました。

さて、『極悪女王』に話を戻すと、わたしは現時点で三話半観たところで、ラストに向かってどうなるのかとても楽しみでたまりません!
あのジェンダーフリーな女子プロレスの空気の中で、いきいきと戦い合っている演技もみていて気持ちがいいし、なにより、ゆりやんレトリィバァ・唐田えりか・剛力彩芽の三人の人間的肉体がいい。
うまく言い表すのが難しいんですが、ありふれた「きれい」「かわいい」「かっこいい」などで表現できない美しさがあります。そして、あんなに肌の露出が多くとも一切いやらしくない。
ジャガー横田役の子も、デビル雅美役の子も、それから他のメンバーの人たちも、それぞれ生命力を感じさせる熱が画面から伝わってくるようでした。
ぜひ別の作品でもこれからどんどん活躍してほしいと思います。

痛そうな試合を生で観戦しようとまでは思えないにしても、未知のものには好奇心がそそられるものですね。
YouTubeで検索する中で、ブル中野とダンプ松本が和やかに話している動画も見てみました。
極悪ぶれる人格の持ち主は真に善良なのだろうなと、なぜかウルっときました。

それにしても、あれほど竹刀の似合う人物はほかにいないんじゃないかと思いました。もはや杖。生涯の友。

ちなみに今回のタイトルは松浦理英子のエッセイ集の中から拝借。
ビューティ・ペアやらクラッシュ・ギャルズやら、あらためて読み直して感激したのでした。



東京もすっかり涼しくなり、秋の風でりんりんりんりんりんりん断続的に鳴り響いているベランダの風鈴をそろそろ片付けなくては、という時期に差し掛かりました。

季節の変わり目はそわそわして、いまいち普段のことが手に付かなくなりがち。
秋の旅行を終えたばかりの今は尚更で、心がまだ旅先にあるような余韻に包まれています。

……遠野は素晴らしかった!
remix版の文庫本で遠野物語を読んだのが九年前の夏で、それ以来、ずっと行きたい行きたいと思っていたのでした。

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具体的な内容はほとんど記憶にないのですが、受けた衝撃というのはずっと残っていました。
岩手県遠野市に関する解像度も特段高いわけでなく、河童や座敷わらしや柳田國男の民俗学のイメージがあるくらいで、妖怪的な物語に詳しいわけでもありません。むしろ奇ッ怪な話は苦手。
それでも、なぜか、こころ惹かれていたのです。

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お天気は小雨&曇り空でしたが、遠野まつりを間近で見たり、かっぱ淵を散策したり、博物館を見学したり、遠野物語の世界観をたっぷり浴びることができました。
見るべき場所は他にもあったようですが、今回行けなかったスポットはまたの機会にぜひ訪れたい。

しばらくは遠野の語り部の動画で昔話を聴きつつ、この余韻に浸っていたいです。
聴き取り難度はかなり高めですが、それもまた一興かな。
お気に入りは、「トーフとこんにゃく」のおはなしです。

さて、ところ変わって沿岸部。

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道中、後ろ戸も立ち寄りました。さりげなく、椅子と要石らしきものもあります。
ちなみに扉は”戸締まり”するまでもなく閉まっていました。

東北は九月にしては非常に肌寒く、ヒートテックにカイロにタイツにといった秋冬装備に頼らざるをえないほどでしたが、それがむしろ遠く離れた地への旅という感覚を強めてくれたのかもしれません。

そして次に行くなら西のほうへ向かいたいなと思いつつ『おくのほそ道』を読むわたしは、まだまだ東北の旅気分から抜け出せそうにないのでした。どんど晴れ。



ラジオの語学番組を聴くのがここ最近のマイブームで、 ロシア語の初級編とスペイン語の初級編と中級編をNHKのラジオアプリで追いかけています。
一日一回十五分、気分転換にぴったり☆……まるで宣伝文句ですが本音そのままです。

ロシア語はちなみに、まったくわかりません!
手元にテキストもないし、講師の解説がなければ意味不明な世界です。
それでも、ソ連時代の小噺やロシア語のことば遊びを聴くのはなかなか楽しくて、会話はほとんど聞き取れないにしても、独特の音の調子が外国の風を吹き込んでくれるかんじがして好きです。

スペイン語はというと、一応、学生時代に勉強していたので基礎的な発音はできる程度。
意味を読めるというわけではなく、音が読めるというレベルです。
ローマ字的な発音なので、一度雰囲気を掴むと、日本人には取っつきやすいです。(巻き舌はともかくとして)
そんなわけで、テキストを用意して、ネイティブの音声に合わせて復唱してみたり、現代的なトピック(健康だとか社会問題だとかニュースみたいな話題)に関する身近な文章を音読してみたりしています。

自分の口から日本語以外のことばを発する行為自体が、なんだか心地いいです。

母国語である日本語にしてみても、自分の思考とは切り離された堅苦しい文章を音読するのはおもしろく、哲学や思想の本は声に出すようにしています。
黙読よりもかなりペースは落ちますが、一字一句ていねいに読む分、多少は理解しやすくなります。
……といっても、実際、どこまで文意を把握できているのかは自分でもよくワカラナイ……。

英語の小説も同様で、英文問題のような抜粋された部分だけならまだしも、物語を一冊まるまる堪能するためには音読がいちばんだと思っています。目で追うだけだと、すべっちゃうので。
我ながら、いつの時代の人?!ってかんじですが、時間を気にしなければ楽しいものです。

エリザベス・ストラウトの新作『Tell Me Everything』もその手法でのんびり読む予定。
この方はアメリカの小説家で、『オリーヴ・キタリッジの生活』以来、わたしはその作風が気に入って、直近の作品は翻訳を待ちきれずkindleで原文にあたるようになったという次第です。
読み易いリズム、ことばのテンポ、そういう波長が合う作家を見つけられたのはとてもうれしいです。

わたしの書いた作品、そしてこれから書くであろう作品も、いつか翻訳されて思いがけない国や地域の人たちに届いたらいいなあ……!

夏は短編小説とエッセイばかりだったので、もう少し長めのものも書いていきたいです。
いい物語が書けますように。



 九月も中旬に差し掛かっているとはいえ完全に秋とはまだ言い難いですが、真夏が過ぎてからは文化的活動が捗っています。

クラシックコンサートへ行ったり、藝大の学祭に出掛けたり、普段の行動圏外へ足をのばすと刺激が多いです。
疲労もさることながら、脳みそが興奮してそういう日の夜はうまく眠れないほど。
かといって夢の中の世界に即座に影響するわけでもなく、なんとも不思議です。

読みたい本は増える一方で、観たい映画はあまり見つからず……。
というのも、『地面師たち』のためにネットフリックスを再開したので、とりあえずひと月のあいだはあれこれ物色してみています。

寸評(というか感想)を書き留めておきます。

『8Mile』
エミネム本人主演の自伝的映画。
英語ネイティブでないと真の巧みさはわからないような気もしますが、画面越しにあの独特の空気を感じることはできて大満足でした。
けっして明るいストーリーではないのに、核となっている情熱みたいなものがひしひし伝わってきました。元気がないとき立ち直るのにうってつけかも。

『すずめの戸締まり』
ちょっと前の話題作。新海誠。
冒頭シーンからモノ申したいことだらけで、椅子が走り出したときには笑いましたが、終始やや白け気味でした。
夜空や海がクリスチャンラッセン的に描かれすぎな気がするんです。この監督の作風なのかもしれませんが、過剰な理想がアニメに押し付けられすぎているような鬱陶しさを感じてしまいます。
※貶したいわけではなくて、たんに、もう少し素朴なもののほうが自分好みなのだと思います。
ただ、各地域や生活の細部の描写はあっぱれです。筋を追わずに、背景を眺めていたい作品でした。

『リラックマとカオルさん』
ストップモーションアニメ。癒し系かと思いきや、わりと闇が深い。
一話ごとになんらかのオチが付いてはいるのですが、なんだか奇妙な不穏さがつきまとう作品でした。
カオルさんの薄っぺらな人間性がこわいのかもしれません。
ほのぼのとした世界観にリアリティをもたらすための工夫……なのだとしたら、けっこう残酷です。
それでも、この手のアニメは完成度が高いのでストレッチや筋トレをしながら眺めているのに最適でした。続編も観るつもり。

『終わらない週末』
思わせぶりパニック映画。構図と効果音に凝っている印象。
原作小説を序盤と訳者あとがきだけチェックした記憶があり、結局中身はほとんど読まなかったので映像として楽しむことにしました。お気軽、お手軽。
ザ・アメリカ的な登場人物の造形がおもしろかったです。
現実の社会問題を踏まえて考察するのがきっと醍醐味なのだと思います。
(……繰り返し観たいとまでは私はならなかったけれど。)

漫然と見っ放しにしておくよりは、多少ことばにしておいたほうが、あとあと振り返るのにも便利なはず。
なぜだか個人的な手帳だときちんとした文章とは程遠いメモにしかならないので、ブログが非常に役立ちますね。

ところで久しく映画館に行っていません。
そろそろ見応えのある新作が公開されてほしいものです。もしくは古くていいので名作を再上映してくれたらとも思います。

ちなみに今いちばん観たいのは『愛と哀しみの果て』。
現在読んでいる原作『アフリカの日々』がとても良いのです。つい心が百年前のケニアに持っていかれます……!

でもおそらく、Fire TV Stick という文明の利器に感謝しながら自宅で鑑賞することになるのでしょう。
アマゾンさまさま。



秋が来てうれしい。
起きて窓を開けたときの風が、新学期がはじまるようなときめく気持ちを運んできてくれました。 

この時期の涼しい朝の空気って、始業式とか運動会の日に登校するときの気分を思い出させてくれて、ほんとうに好き。凛としたかんじがします。

季節の変わり目は体調を崩しやすいけれど、それでも、独特のノスタルジーに浸れる瞬間がありますね。

実際、夏休み明けのテストがあるわけでもなく、組体操やダンスのプログラムが待ち構えているわけでもなく、クラスや部活の人間関係に悩むこともないのが、ある意味でいいとこどりなのかもしれません。

当時の「気分」を思いだすと、稀に、創作活動につながることもあります。
具体的なエピソードというより、もっとゆるっとふわっとした「気分」のほうが役に立つ気がします。
……ま、役立たなくてもそれはそれで全然いいのです。

学生時代というものはあっという間に過ぎ去ったように感じていましたが、こうして振り返る思い出に事欠かないのが、また楽しいです。

暑さもやわらいだことですし、今月は、新鮮な呼吸をしにあちこち出かけたいです。
外の空気をたっぷり吸いたい。
と同時に、痛快でエネルギッシュな作品(映画や小説)にもふれたいです。
ブンガク的なものばかりに惹かれて貪るように摂取していると、だんだん現実の人間社会と私の脳内との乖離がはげしくなりそうで……でも、やめられないし、やめたくないからしょうがない。
バランスを取るためにも、B級サメ映画でも見たほうがいいのかな?


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