映画『君たちはどう生きるか』 は、大人たちへの宿題だとおもいました。
宮崎駿のアタマの中から放たれた、最初で最後の課題は、結構な無茶ぶりです。
ネットの海には、夏の読書感想文ならぬ、映画鑑賞文がこれからどんどん増えていくことでしょう。
ブログやつぶやきや動画や、形式はどうであれ、解説したり感想を述べたり。
あらすじを説明しようとしても、端的にはまとめづらい、あのような映画作品についてなにか言おうとすれば、どうしても自分の考えや価値観を織り込まざるをえないはずです。
たとえ、ぺらぺらの薄っぺら人間だとしても。
だから身近な人が『君たちはどう生きるか』を観たのであれば、その感想を聞かせてもらえたらうれしいし、逆に、赤の他人のレビューにはほとんど意味がないような気がします。
この作品を何度も繰り返して観ることもありえますが、いちばんはじめに鑑賞していたときに「なんだこれは?」と感じた場面の気持ちはそのひと唯一のもので、もしかしたら言葉でパッと言い表すのは難しいかもしれません。
それでも、自分が感じたままのことを、なるべく自分の中から湧き出た言葉で表現して、親しい誰かに伝えられることができたら、とてつもなく素晴らしいことだろうなとおもいます。
この夏、そしてそれ以降も、世界中のあちこちの小さな輪の中で感想が共有されることを通じて、人が生きることの深さや広がりを味わい直すきっかけになるのでは、とも。
エンターテイメント性がわりと削がれた状態のジブリ作品で、私はすっかり気に入りました。
純文学を読んでいるような気分で、すがすがしかったです。
めちゃくちゃ上から目線ですが「よくやった、駿!」と言って肩をぽんぽん叩いてやりたいくらいです。
でもそうやって叩けるわけないので、ここに走り書きしておきました。
ほかにも思ったいろんなことは、胸のうちに秘めておきます。
自分で忘れてしまわない限り、宝ものであり続けるでしょう。
結局、ジブリパークへ行くことはあるのだろうか……??