クモマツマキチョウ-2018 : フォト エチュード  Photo-Etudes
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クモマツマキチョウ-2018

 早朝に野鳥を撮っていたら、偶然にもツマキチョウが撮れた。
ツマキチョウは日本全国に分布し、桜の咲く頃に出るシロチョウ科の蝶。
後ろばねの全面と前ばねの先端部に独特の草摺(くさず)り模様=雲状斑がある。
前ばねの先端は鉤(かぎ)状に突出し、雄では先端部は橙(だいだい)色、雌では地色と同じ白色。
 ツマキチョウ ♂(褄黄蝶)

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 それならばこれもなにかの知らせと、前日あきらめたポイントに発生したてのクモマツマキチョウを見に行った。 
先着者が三人ほどいて、出ていると言うが数は1・2頭。
ジックリとスミレで待つと、やって来たけれども止まったのは石の上。
 クモマツマキチョウ ♂(雲間褄黄蝶) 準絶滅危惧種 天然記念物

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 しばらくぱったりと飛来せず、ふたたびやって来たのはスミレではない葉の基部。

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 ジックリと絵になる一瞬を撮ろうと待っていたが、発生当初でなのか飛来機会が少なく諦め、とりあえず撮ることに専念した。
そんななかである方に教えていただいたのは、「クモマツマキチョウは爺が岳~針ノ木岳の稜線で最初に発見された。」ということ。

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 クモマツマキチョウは1910年、登山家・画家である中村清太郎氏によって発見された。
「なにしろ明治43年という茫々半世紀の昔語りで、時の霞におぼろながら、感動の情景は今も皮膚にピチピチ蘇るのが不思議だ。」
「私は息をのんで立ちすくんだ。早くも大変なものが現れたのだ。
それは花とまがう一羽の美しい、しかも見馴れぬ蝶である。
私は胸の鼓動を感じつつシラネニンジンの白い花穂に蜜を求める小蝶に、そっと近づいて観察した」
「こんな美しい蝶が今まで人に知られなかったとは…」
後立山連峰の縦走中、種池~スバリ・針ノ木岳間の棒小屋乗越(ぼうのこやのっこし)のお花畑だったそうだ。

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 棒小屋乗越(ぼうのこやのっこし)!
あそこじゃないか!
種池山荘から新越山荘に行く途中の!

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 思い出の画像を引っ張り出せば、劔岳を前方に見ながら歩く稜線漫歩の場所。
これは7月終わりのころの光景だが、ここで発見されたのかと感慨深かった。

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 クモマツマキチョウは高山蝶に入っている。
今では高度の低いところでもいることが解っているそうだが、氷河期の生き残りであることに変わりはない。
劔立山連峰をバックに優雅に舞うクモマツマキチョウ。
こんな絵の中に舞うクモツキを撮りたいと思う。

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 そうはいっても、それはなかなか難しい。
この夏もしかしたら・・・会えないだろうな??

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 ここで、僕が確認できたクモマツマキチョウは二頭。
一頭が良く出てくれて、ヒラヒラと舞ってはスミレで吸蜜してくれた。

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 時折、2頭が卍飛翔してもくれた。

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 食草のミヤマハタザオやいろいろなパターンで撮りたいと思っていたが、なかなかそうはいかない場所。
それより何より、出てきて撮らせてくれただけで幸せというものだ。

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 最後はこんなところで、たぶんお休みモードのようだった。


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by photo-etudes-eiji | 2018-05-12 23:11 |