2024年 04月 18日
チョウジザクラのヒメギフチョウ
マメザクラ・シダレザクラ・ヤマザクラと、いろいろな桜でギフチョウやヒメギフチョウを撮ってきた。
それぞれに発生ポイントの気候や風土と結びついていて、華やかさや艶やかさを感じて嬉しい絵になったものだ。
今年はカタクリやチョウジザクラの開花とヒメギフチョウの発生にタイムラグがあって、カタクリは満開でチョウジは散り時といった感じだった。
咲き始めから満開時なら蜜の量も多いだろうから、ヒメギフチョウもひっきりなしにやってきたのが過去の経験則。
今回はなかなか飛来せず・・・、一時間半近く待って奇跡的にやってきてくれた。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
チョウジザクラ(丁字桜 Clove cherry)
華やかな桜の中で、チョウジザクラは山里の早春の日射しにひっそり楚々と咲く惹かれる桜だ。
チョウジザクラは日本に自生する野生の桜。
花は葉の展開と同時くらいに下向きに咲き、花数がまばらで、日本海側の多雪地帯に多いオクチョウジザクラに比べて花弁が小さいことからあまり目立たない。
そのため園芸や植栽用に用いられることも少なく、昨今の花見のような人混みや喧噪にならず静かさの中でヒメギフチョウの舞いを楽しめる。
そんなチョウジザクラにヒメギフチョウが吸蜜にやってくると、まるで大輪の花が咲いたかのようだ。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
チョウジザクラ(丁字桜 Clove cherry)
2024年 04月 15日
春の妖精・・・カタクリとヒメギフチョウ
最速の桜開花予想から、菜種梅雨・花の雨・花冷え、そして昨年より10日以上遅い開花。
積み上げてきた過去のデータや、サクラやカタクリの開花とヒメギフチョウの発生の相関式が当てはまらなくなってきている。
山筋の沢を渡り、そこだけぽっかりと開けたようなカタクリの自生地にヒメギフチョウを探しに行った。
地元の先輩が「5頭は出てきたよ!」と知らせてくれていたので、ゆったりと現地を歩けば早速ヒメギフが沢筋を降りてきてくれた。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
雨続きだったせいか、スミレは上部から流れ落ちてきた枯れ葉に埋もれ見つからない。
水量を増した沢を渡ると、カタクリの群落にヒメギフチョウがヒラヒラとやってきたが、なかなかカタクリで吸蜜してくれない。
アズマイチゲの蕾の先端に止まったヒメギフチョウ。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
日射しも強まり気温もあがってきた11時ころから、やっとカタクリで吸蜜するようになった。
時には3個体が追尾飛行したり絡み合ったりして楽しませてくれた。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
この日の午後には、わずかに葉をつけたばかりの幼虫の食草=ウスバサイシンに卵を産み付けたそうだ。
ヒメギフチョウ (姫岐阜蝶・学名 Luehdorfiapuziloi 英名 Small Luehdorfia)
2024年 04月 12日
サシバ・・・②飛び出し
花冷えで獲物の動きがなく、狩りに苦戦しているサシバ。
ケヤキやヤナギはやっと新緑の葉を広げだしたが、他はまだまだ芽吹きのまま。
長い時間枝に止まって獲物を探してくれるのは、かぶりにならない構図を探す余裕ができてありがたいのだが・・・。
いつまでたっても飛び出してくれない。
おまけに時折小雨の降る曇天では、青空バックともいかないのは残念だったが、連写させてくれてありがとう!だった。
サシバ(差羽 Grey-faced buzzard)
2024年 04月 10日
サシバ・・・① 花冷えの狩りに苦戦
桜が満開になって、陸鳥の夏鳥の飛来もいよいよ始まり出す。
冬鳥が北に帰り、漂鳥のルリビタキなどが山に帰り・・・3月の下旬には渡りをする鷹=サシバが関東にやってくる。
雨の多かった3月はパスして、4月になってからサシバに会いに行った。
サシバは盛んに獲物を探していた。
サシバ(差羽 Grey-faced buzzard)
出会えたサシバは、眉斑の白が無く胸の斑は目立たないので♂なのだろう。
♀が渡ってきていないとは考えられないので、すでに抱卵に入っているのかもしれなかった。
サシバ(差羽 Grey-faced buzzard)
春の長雨と花冷えで、サシバは獲物探しに苦労していた。
平年なら3月下旬~4月上旬といえば、カエルやヘビなどもそこそこ出てきているのだが・・・、気温も地温も上がらずでは獲物の動きも数も極端に少ないのだろう。
なかなか獲物を見つけられず、ときには1時間近く周囲をうかがっていた。
サクラとのコラボも期待したが、その手前で森に入ってしまった。
サシバ(差羽 Grey-faced buzzard)
カメラを構えるこちらの腕がしびれを切らしても、なかなか獲物を見つけられない。
30分・40分とたって、やっと獲物を捕まえた!
残念なことに、菜の花の向こうの茂みの中で、飛び立ちも向こうに・・・。
それでも、獲物が何かはわかる絵が撮れたので良かったとするべきかな。
サシバ(差羽 Grey-faced buzzard)
2024年 04月 04日
赤谷の森のベニマシコとマシコ
赤谷の森の猛禽類調査に行ってきた。
谷川岳から西に仙ノ倉山、平標山を経て三国山に至る山々に囲まれた、赤谷の森。
麓の猿ヶ京温泉の雪は消えていたが、吹き上げる風にスギ花粉がまるで火炎のように舞いあがっていた。
調査の合間に、そこでは初めてベニマシコの声が聞こえた。
♪ピポッ・ピポッ♪と声がしたので、猛禽を探す目を小鳥を探す目に切り替えると、咲き始めたモクレンの花の奥に2羽の♂が。
モクレンの葉芽を食べているようだ。
ベニマシコ ♂(紅猿子 Long-tailed rosefinch)
積雪期に今まで出会ったことはなかったがいても不思議はないし、あるいは谷川連峰を超えて北へ帰る途中だったのかもしれない。
なかなか込み入った中から出てきてはくれず、手入れもされてはいない山の桜の枯れつる草のなかだったりと絵になる場所で撮らせてはくれなかった。
ベニマシコ ♂(紅猿子 Long-tailed rosefinch)
ベニマシコは体色が赤く、サルのように顔が赤いことが名前の由来だが・・・、続けて本物のニホンザルが家族で出てくるとは・・・。
こちらは母親と子ザル。
ニホンザル 母子 (Japanese macaque)
この季節、雄の顔色は赤がきわだつようになる。
ニホンザル ♂(Japanesemacaque)
ジョウビタキの♂も、♪カッカッ♪という地鳴き声が聞こえ姿を見せてくれた。
ジョウビタキ♂(尉鶲 Daurian redstart)
マヒワが10羽ほど廻ってきたが、ポイントからはスッキリしたところには出てくれなかった。
捨ててしまうような絵だが、猛禽の出が悪いときに小鳥達が廻ってきてくれると、少しは気分も和らぐというものだ。
マヒワ (真鶸 Eurasian siskin)
調査終了後、イノシシよけの柵にのっているベニマシコを見つけた。
比較的に近い距離で撮影できたので、PCで羽衣をよく見た。
季節が進み春になって、羽衣の先端も擦り切れ深いワインレッドが広く出てくるようになった気がする。
夏の繁殖地北海道で出会う、あの色に近づいてきたようだった。
ベニマシコ ♂(紅猿子 Long-tailed rosefinch)