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堀琴音は21試合目で突破した「2勝目の壁」 一番試合数を要した選手は誰で何試合だった?
近年活躍している黄金世代の選手などは、あっさりクリアしている印象のある「2勝目の壁」。では、実際どれぐらいの選手が突破できて、どれぐらいの時間がかかったのか調査してみました。
それほど高くない!? 70%は「2勝目の壁」を突破している
プロゴルフの世界では「2勝目の壁」や「2勝してこそ本物」ということがよく言われる。
Tポイント×ENEOSゴルフトーナメントで堀琴音がその2勝目を挙げた。昨年7月の初優勝から約8カ月後の出来事である。これは早いのか、遅いのか。「2勝目の壁」は実際にどれくらいの高さがあるのだろうか。検証してみた。

国内女子ツアーで出場資格や賞金額などが整備され、いわゆるツアー制度が施行された1988年以降に初優勝を飾った日本人選手は140人いる。うち複数回優勝しているのは堀で98人目。ちょうど70%の選手が「2勝目の壁」を突破していることになる。
この数字をどう判断するのかは難しいところだが、少なくとも「2勝目の壁」は“ものすごく高い”というわけではないようだ。
では複数回優勝している98人中、堀のように1年以内に2勝目を挙げた選手はどれくらいかというと57人いる。半数以上の選手が初優勝から1年以内に再び勝利の美酒を味わっているのである。
試合数でいうと堀は初優勝から21試合目。これは98人中39番目にあたる。平均的よりやや早いというところだろう。今回の堀の優勝はツアー史上初の姉妹での複数回優勝としても話題になったが、堀の姉・奈津佳の2勝目は13試合目。スピードでは姉に軍配が上がっている。
2勝目までの最短は1試合、最長は中嶋千尋の204試合
最短での2勝目は西田智慧子、表純子、笹生優花の1試合。つまり、初優勝からの連勝ということだ。西田と表は2週連続優勝。笹生の場合はコロナ禍の影響で中止になった試合があり、中1週での連勝だった。

10試合以内に2勝目を挙げた選手は24人と結構多い。初優勝の勢いを次の勝利につなげたということだろう。最近では笹生のほか畑岡奈紗(6試合目)、渋野日向子(7試合目)、柏原明日架(4試合目)、古江彩佳(10試合目)、吉田優利(4試合目)らがいる。
逆に難産の末に2勝目にたどりついた例を紹介しよう。最も多くの試合数を要したのは中嶋千尋の204試合である。初優勝が1988年のダンロップレディスで2勝目が1998年の健勝苑レディス・道後。途中、米女子ツアーに参戦した時期もあったが、実に10年の歳月が流れていた。
初優勝から100試合以上かかったのは計11人。直近の例は2021年の宮里藍サントリーレディスで4年ぶりの勝利を挙げた青木瀬令奈で124試合目だった。
2勝目に早く到達するかどうかは、その後の活躍にも関わってくる。1年以内に2勝目を挙げた57人から堀琴音を除いた56人中、通算3勝以上は45人いる。その割合は80%の高率だ。
対して2勝目まで1年以上かかった選手の通算3勝以上の割合は63%。まあまあの差がある。
1年以上かかった選手の中で原英莉花、小祝さくら、稲見萌寧の3人はコロナ禍で多くの試合が中止になった期間をはさんでいる。試合数では原31試合目、小祝23試合目、稲見21試合目と実質的に1年以内といえる範囲である。この3人を1年以内の枠に強引に移動させると、差はさらに開く。
2019年以降に初勝利を挙げた選手の中で1年以内に2勝目を挙げた選手を原、小祝、稲見の3人を加えてまとめると以下のようになる。
選手 通算成績
渋野日向子 6勝(国内メジャー1勝)、海外1勝
原英莉花 4勝(国内メジャー2勝)
小祝さくら 6勝
稲見萌寧 10勝(国内メジャー1勝)
柏原明日架 2勝
古江彩佳 7勝
笹生優花 2勝、海外1勝
西村優菜 4勝(国内メジャー1勝)
吉田優利 2勝
堀琴音 2勝
2019年以降という短い期間だが、現在の日本女子プロゴルフ界を代表するような選手がずらりと並んでいる。初優勝の後、早い時期に2勝目を挙げることはブレークへの第一歩であることが分かるデータだ。堀も続けるか、注目される。
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