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- ツアー2勝の大ブレークからもうすぐ10年 堀奈津佳の現在地
2013年、20歳で国内女子ゴルフツアー2勝を果たした堀奈津佳。絶頂期もつかの間、15年にシードを落としてからは、長らくスポットライトから遠ざかっている。来年で30歳を迎える堀奈津佳の今を追った。
3年11カ月ぶりの予選通過を果たした2021年
16年と17年に獲得した賞金はゼロ。19年も1円も稼げていない。そんな中、コロナ禍の20年に堀は大きな決断をする。拠点にしていた兵庫から東京に引っ越し、プロコーチの井上透氏に師事する。
長らく中島敏雅コーチから指導を受けていたが、新たに環境に身を置く決断に至ったのは、やはり「もう一度、ツアーで優勝したい」という思いがあるからだ。

「まだ終われないという思いあります。女子ツアーのレベルが高くなって、勢いのある選手がどんどん出てきているので、正直勝つのはすごく難しい。でも可能性がある限りは、そこを目指していきたいんです」
試合に出ることを諦めたらそこで最後。可能性がある限り挑戦を続ける意欲は失っていない。
堀はゴルフの内容についても、少し考え方を変えるようにした。
「ラウンドしたらショットが曲がることがすごく気になってイライラすることもあったのですが、今はグリーンに乗らないからアプローチをたくさんするようになったんです。そういう状況で毎日練習していると、アプローチショットのバリーエーションがすごく増えてうまくなったんです。ケガの功名です(笑)」
さらに、今年はうれしい出来事もあった。今年3月の「明治安田生命レディスヨコハマタイヤゴルフトーナメント」で3年11カ月ぶりの予選通過を果たし、23位タイに入ったこと。
「予選通過しただけなのにたくさんのメディアが記事にしてくれて、周囲からもいろんな人が声をかけてくれて、本当にありがたいなって思いました」
腐っても一度、ツアーで優勝を経験したことがある選手である。予選通過でさえも取り上げられるのは、期待の裏返しでもある。
いつ抜け出せるかわらないトンネルを歩き続けてきた堀だが、今はようやく希望が見えてきているという。
「今はすごく楽にゴルフができているんです。予選通過も自信になりました。とにかくどん底を味わったなら、あとはもう良くなるしかないですから」
今年は11月のファーストQTに挑戦するも、ファイナルには進めず、来年はステップ・アップ・ツアーが主戦場になる。ただ、「推薦でレギュラーツアーに出させていただける機会があるなら、しっかりと結果を残したい」と語る。
さらに20-21年シーズンの「ニッポンハムレディスクラシック」で妹の堀琴音が初優勝を挙げたことも刺激になっている。
「妹の優勝は刺激になりましたし、私にもできるという希望をもらいました」
意気込みは十分。もう一度、スポットライトを浴びる日を夢見る堀のゴルフ人生はまだ終わっていない。
■堀奈津佳(ほり・なつか)
1992年7月6日生まれ。徳島県出身。小学校4年生のとき、父の勧めで、妹・堀琴音と共にゴルフを始める。2009年から2年間ナショナルチームメンバーとして国際大会を経験。11年のプロテストに一発合格し、2012年ステップ・アップ・ツアーで2勝。2013年「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」でレギュラーツアー初優勝。同年6月の「アース・モンダミンカップ」で2位に8打差をつける通算21アンダーで2勝目。4日間72ホールにおける最少ストローク記録を更新すると同時に、4日間連続で60台をマークしての優勝というツアー史上初の記録も樹立した。2015年にシード喪失後は、レギュラーツアー復帰を目指している。サニクリーン所属
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