2025年度の現地訪問再開に向けて準備中
2021年度から2022年度の2年間、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、現地への訪問ではなく、オンラインでの学習会を開催してきました。続く2023年度は活動を休止しました。コロナを巡る状況も変化しており、2024年度は、2025年度からの現地訪問再開に向けて準備を進めます。開催も難しいため、一度活動を休止することといたしました。現地を訪れ、学習する機会は有意義ですので、ツアー開催が可能な状況になれば、活動を再開したいと考えています。
開催日 5月21日(土)14:30〜16:00 6月18日(土)14:30〜16:00内容 5月 講演会「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて 教員・学校が考えること」 講師 上原 樹 氏(スクールソーシャルワーカー) 6月 虐待に関する事例研究会 スタディツアーでは昨年度虐待に関する事例研究を行いました。実際のケースから、対応などについて学びました。参加した先生方から、実際に虐待が疑われる場面に直面したとき、虐待なのか判断に迷うという声が上がりました。そこで、今年度第1回目の学習会では、スクールソーシャルワーカーの上原樹さんを講師に迎え、学習会を行いました。虐待対応ハンドブックを読み込みながら、虐待かどうかの判断基準、通告などの対応の進め方などについて学びました。意見交換の場では、担任中心の対応となり、負担が集中してしまわないよう学校内の体制づくりが課題という意見が上がりました。また、家庭の中では、母親が学校や関係機関との窓口となっているケースが多く、子どもだけでなく、母親を支えることが重要であると上原さんからお話がありました。 5月の学習会を受け、6月には事例研究会を行いました。同居する祖父から身体的虐待を受けた子どもの事例でした。すでに関係機関も関わり、対応にあたっていましたが、協議の中で、その子自身が抱える、周りの子たちとの関わり方の課題、関係機関との対応やその子への対応をほぼ一人で担っている母親、その母親と義父である祖父との関係など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているケースでした。担任の先生は、丁寧に子どもに寄り添い続けてくれていますが、家庭全体への支援が引き続き必要であるという結論に至りました。
2022年07月11日 5・6月学習会の報告
今回は、2021年度第3回、第4回報告と2022年度のお知らせです。 第3回 10月30日(土) 母親から手の甲にタバコの火をつけられるという身体的虐待を受け、通告の結果、児童相談所で一時保護となった中学生の事例でした。母親には精神疾患があり、その母親の代わりに、この生徒は幼い弟、妹の世話をみていました。 このケースのように、母親の状況、ヤングケアラー、家庭の経済状況など、虐待の事実の背景には、様々な要因が複雑に絡んでいることがあります。それぞれの問題の解消に向けて、多くの機関の連携が必要です。そのためにも、学校は子どものサインを見逃さないこと、そして学校は機関に繋ぐだけでなく、その後の関わりが大切であることなどの意見が出ました。 第4回 12月18日(土) 最後となる第4回では、親の再婚に伴う環境の変化により、本人の心理的不安などから児童相談所の一時保護に至った事例でした。生徒は、母親の再婚相手、2人の間に生まれた幼い妹らとの関係の中で、家庭の中での自分の居場所が見つからずにいました。それが母親への憎しみの思いを抱き、家に帰りたくないと担任に告白したことから事実がわかった事例でした。家庭への連絡をせずに児相通告となったため、その後の母親への説明に苦労したと報告がありました。 のケースでは、当事者である家庭と通告をした学校が、通告後どのように関わっていけばいいのか、その難しさがわかりました。また親の再婚について、子どもたちがどのように受け止めているのか、子どもたちにしっかりとした説明がされていないことが多いという意見もありました。 2022年度について 2022年度も現場施設への訪問は実施せず、年4回のオンライン学習会を開催します。 「支援が必要な子ども・保護者への対応」 というテーマに範囲を広げます。2021度の学習会を踏まえ、虐待に関する知識や対処についての講演会、様々な障がいや課題を抱える子ども・保護者の実状を理解する講演会をそれぞれ開催します。その上で、事例研究会を開催します。 第1回は、 5月21日(土) 講演会 「虐待通告、そしてその後の子ども・家族との関わりにおいて教員・学校が考えること」 講 師 上原 樹さん(スクールソーシャルワーカー) 詳細は近日お知らせいたします。
2022年04月14日 第3・4回報告と2022年度について
8月28日(土)に第2回学習会を行いました。 今回は、第1回に参加された先生から、そのときの協議の場でお話をされた虐待が疑われる生徒について、その後の対応の様子が報告されました。兄とけんかをしてできたと言って、あざを教員に見せてきて、家庭内暴力が疑われるケースでした。本人からの聞き取り、母親との面談などから、今回は虐待ではないと判断されたものの、小学生の頃には、母親からの虐待が疑われ関係機関も関与した家庭で、決して安心できない状況であり、今後の関わりについて検討が行われました。本人が抱える課題、家庭の経済状況など様々な視点から、夏休み明けの生徒の見守りについて、意見が出されました。 後半では、「虐待の疑い」と言ったときに、その判断の基準は何であるのかについて議論となりました。子どもたちの生活の基盤である家庭、虐待はそこで起きており、解消された後には、いずれそこに戻っていくことが考えられます。子どもと親の関係にどのように踏み込んでいけばいいのか、現場の先生たちは悩んでいることがわかりました。 参加者の感想 本日は貴重な機会をありがとうござました。今回の事例を聞き、私も「虐待の疑い」という言葉に正直ずっと引っかかっていました。どこからが「虐待の疑い」なのかが自分でもわからず、もしその立場に立った時にどのように判断するか迷っていました。しかし、私たちが虐待を判断するのではなく児相が判断するということを聞き、少しでも疑うような状況があれば迷わず学年主任の先生や管理職の先生にまず報告しようと思いました。また、虐待だけに止まらず学校の様々な場面の中で、学校意外の関係諸機関につなげるという場面も多いかと思います。SCさんや教育相談コーディネーターの先生などに子どもの状況を報告しておしまいということではなく、担任として一緒に解決していくという視点も非常に重要だなと改めて感じました。教師になってからもこの学びを忘れず行動していきたいと思いました。 改めて、子どもたちの状況を知ることのできる場所として学校があることを感じました。虐待を受けている子どもたちはその状況を、何らかのサインで先生に知らせているということを考えると、学校にいる教員がどれだけそのサインを見落とさずにキャッチできるかにかかっているなとつくづく思いました。命の危機につながることも十分考えられます。教員の多忙化が問題視される中で、子どもたち一人ひとりへの支援を充実させるには学校内の支援体制を強化することが重要だなと改めて感じました。事例のような子どもがサインを出せる学校の雰囲気、「受け止めてくれる」「聞いてくれる」教員であることがとても大切であると思いました。
2021年10月09日 第2回学習会の報告
開催日時 6月19日(土)14:30~16:00 今年度のスタディツアーは現地への訪問はせず、虐待に関わる事例研究会をオンラインで開催します。第1回目の今回は、性的虐待のケースについて、子どもからの聞き取りから児童相談所への通告・一時保護までの経過、その後の学校の関わり方などについて、報告がされました。 報告後の協議の場では、虐待を発見したときに学校は通告だけでなくできることはあるかや、虐待につながってしまう家庭が抱える課題やその手立てなどについて、意見交換が行われました。後半では、参加者から、自身が現在直面する虐待が疑われる子どもについて話が上がり、その子や家庭への対処の仕方について、検討が行われました。 虐待のケースについて、実際に対応した経験がない先生にとっては、事例を通して意見交換を行うことで、考えを深める場となりました。児童相談所など関係機関都の連携や、通告についてなど基礎的な知識についてよく知らない先生も多く、それを学べる機会も、今後の学習会では設けることができれば良いと思いました。 次回は8月28日(土)15:00から行います。 (参加者 6名)
2021年08月02日 6月オンライン学習会報告
スタディツアー報告 8月9日に、今年度のスタディツアーを開催しました。今年度は、平塚市にある県立子ども自立生活支援センター「きらり」を訪問しました。まずは、センター職員の方から「きらり」について説明を受けました。きらりは、2017年4月に、乳児院「みらい」、福祉型障害児入所施設「ひばり」、児童心理治療施設「ぎんが」の3つが一体となった複合施設として開所されました。その背景には、児童虐待相談件数の増加とその後の子どもへの心のケアの必要性、知的障がいや発達障がいなどを有する子どもたちとその家族への専門的ケアの必要性、児童福祉施設に入所する情緒・行動上に著しい問題がある子どもたちへの専門的な支援の必要性が高まるなど、既存の児童福祉施設の枠組みでは対応が困難な状況がありました。それに対し、3施設が一体的に運営し、切れ目のない支援を行うこと目的がありました。また、それぞれの施設内の様子、子どもたちの生活の様子などについても、お話しいただきました。 各施設の利用状況は「みらい」はほぼ定員いっぱいまで埋まっています。「ひばり」と「ぎんが」は年齢層が上がるので、子ども同士の組み合わせの難しさがあり、利用希望のある子ども・家庭はたくさんいるのですが、定員いっぱいまで受け入れをできない状況もあるそうです。 続いて、併設する金目小・中学校五領ヶ台分校の教頭先生から、学校の説明と校内を案内していただきました。五領ヶ台分校は「ぎんが」に入所する子ども達が登校する学校です。「きらり」にあわせて開校されたので、教室の配置・設定など、一から学校を作る難しさがあったそうです。 分校では、子どもたちの特性を配慮し、学習上または生活上の困難・改善・克服するための自立活動、学び治しが必要な子どもに対する学力の獲得、読み書き障がいの子の読み書きの力の獲得など、教育課程に特徴が見られます。一方で、施設内ではありますが屋外を歩いて登校したり、修学旅行を実施するなど様々な学校行事を開催し、学校のかたちを作り出そうとする先生方の工夫が見られました。 「きらり」の支援を受けるべき子どもや家族というのは、潜在しているであろうことは、日頃接する子どもたちの様子を見れば明白です。しかし、なかなかその支援へと結びつけられていないのが、現状です。「きらり」の存在を私たちが認識し、周知していくことが必要です。もう一つの課題としては、子どもは家族の中で育つべきという考えが、私たちの根底にあるからではないかということです。そういった中で、声を上げることができない家族がいるのではないでしょうか。時には、家族と離れることが、子どもにとっても、家族にとっても、救われることがあると思います。社会全体で子どもたちを育てていくんだという方向へ、私たちが考え方を転換していかなければいけないのではと思いました。
2019年10月13日 「きらり」訪問の報告
事前学習会報告 7月29日に、今年度のスタディツアーに向けての事前学習会を行いました。県央地区の小中学校で勤務されている、スクールソーシャルワーカー(以下SSW)の伊藤洋子さんを講師に迎え、「学校と関係機関のつながり」というテーマで学習会を行いました。前半は、SSWとはどういった仕事をされているのか、そして、SSWが学校と家庭、関係機関の間で、どのような役割を果たしているかについて、後半は、関係機関である児童養護施設など、様々な社会的養護の施設について、一つ一つ丁寧にその違いなどについてご説明いただきました。そして、8月に訪問する県立子ども自立生活支援センター「きらり」についても紹介していただきました。きらりは前述の社会的養護の施設が集まった複合型施設であること、実際に「きらり」と連携して対応した事例などをお話しいただきました。 「きらり」への訪問を前に、施設についての理解を深められました。また、スクールソーシャルワーカーの方や関係機関など、普段耳にしつつも、その詳細を知らなかったことについても、知ることができました。複雑な課題を抱えた子どもたちを適切に支援するためにも、支援する側の人間が、様々な機関の役割や違いをしっかりと認識しておくことが大事であると感じました。
2019年10月13日 事前学習会の報告
スタディツアー事前学習会 講 演 「外部機関と学校の連携を考える」 日 時 7月29日(月) 19:00~21:00 場 所 大和市文化創造拠点シリウス6F 603中会議室 講 師 伊藤 洋子 氏 県央教育事務所スクールソーシャルワーカー 参加費 500円 スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ、出向いて学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある県立子ども自立生活支援センター「きらり」を訪問します。「きらり」は2017年4月に開設された、「乳児院」「福祉型障害児入所施設」「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設です。福祉や医療の視点からの専門的な支援の実情を学びます。 訪問を前に、県央地区の小中学校で、学校と「きらり」などの外部機関をつなぎ、家庭を支えるお仕事をされているスクールソーシャルワーカーの伊藤洋子さんを講師に迎えて、事前学習会を行います。学校と各種機関との連携について、事例を交えながらお話をしていただきます。 お誘いあわせの上、皆さまぜひご参加ください。 申込方法 電話またはEメールで(1)お名前(2)ご所属(3)電話番号をお知らせください。 ※個人情報については、目的以外には使用いたしません。 申込・お問い合わせ先 電 話 090-3535-1795 メール iketaka79@yahoo.co.jp 担当 池田 喬 チラシもご覧ください。2019スタディツアー事前学習会 スタディツアーのご案内はこちら2019スタディツアー
2019年07月14日 7/29開催 事前学習会
2019スタディツアー 子ども自立生活支援センター「きらり」訪問 日 時 8月9日(金) 10:00~12:00 場 所 県立子ども自立生活支援センター「きらり」(神奈川県平塚市) 集 合 9:15 JR東海道線 平塚駅 (施設まで神奈中バス20分) スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ出向いて、学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある子ども自立支援センター「きらり」を訪問します。「きらり」は、2017年4月に、「乳児院」、「福祉型障害児入所施設」、「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設として開設されました。乳児院では、乳幼児の生活支援・一時保護、入所児童の家族支援をしています。福祉型障害児入所施設は知的障害児の生活支援、在宅知的障害児の短期入所支援・一時保護をしています。児童心理治療施設では、情緒障害児や発達障害児への専門的な心理治療および生活支援、施設内教育(平塚市立金目小中学校五領ヶ台分校)との連携による教育補助、地域生活に向けた関係機関との調整を行っています。「きらり」に入所する子どもたちは、家族と離れ、心理・医療等の専門的ケアを受けています。 様々な課題を抱えた子どもたち、困難さを背景に持つ家庭環境。各先生や各学校だけで、子どもたちや家庭を支えるのが難しいケースが増えています。「きらり」への訪問を通して、福祉や医療の立場からの専門的な支援の実情を学ぶとともに、私たちが日頃関わる様々な状況を抱えた子どもたちとその家庭に対して、本当に適切な支援の在り方を考える機会としたいと思います。 申込方法 電話またはEメールで(1)お名前(2)ご所属(3)電話番号をお知らせください。 ※個人情報については、目的以外には使用いたしません。 申 込 先 電 話 090-3535-1795 メール iketaka79@yahoo.co.jp 担当 池田 喬 ※ご不明な点もこちらに、お問い合わせください。 チラシもご覧ください。2019スタディツアー 7月29日に事前学習会を開催します。2019スタディツアー事前学習会
2019年07月13日 8/9 「きらり」訪問
スタディツアーでは、毎年現在の教育情勢や社会状況に関する場所へ、出向いて学習を行っています。昨年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問しました。10代後半の子どもたちが、虐待等の事情から、家族と離れ、進学・就職を目指し、自立に向かう状況を知ることができました。一方で、ホームの県内設置状況を考えると、家族という枠に捕らわれ、苦しんでいる子どもたちがまだまだ多く存在しているだろうという結論に至りました。 今年度は、神奈川県平塚市にある子ども自立支援センター「きらり」を訪問します。「みずきの家」も「きらり」も社会的養護の施設です。社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。 「きらり」は、2017年4月に、「乳児院」、「福祉型障害児入所施設」、「児童心理治療施設」の3つが一体となった県内初の子どもの自立を支援する複合施設として開設されました。乳児院では、乳幼児の生活支援・一時保護、入所児童の家族支援をしています。福祉型障害児入所施設は知的障害児の生活支援、在宅知的障害児の短期入所支援・一時保護をしています。児童心理治療施設では、情緒障害児や発達障害児への専門的な心理治療および生活支援、施設内教育(平塚市立金目小中学校五領ヶ台分校)との連携による教育補助、地域生活に向けた関係機関との調整を行っています。「きらり」に入所する子どもたちは、家族と離れ、心理・医療等の専門的ケアを受けています。 様々な課題を抱えた子どもたち、困難さを背景に持つ家庭環境。各先生や各学校だけで、子どもたちや家庭を支えるのが難しいケースが増えています。「きらり」への訪問を通して、福祉や医療の立場からの専門的な支援の実情を学ぶとともに、私たちが日頃関わる様々な状況を抱えた子どもたちとその家庭に対して、本当に適切な支援の在り方を考える機会としたいと思います。 2019年度スタディツアー 訪問先:県立子ども自立生活支援センター「きらり」(神奈川県平塚市) 訪問日:2019年8月9日 (担当:池田喬)
2019年06月07日 2019年度スタディツアーについて
11月24日に、今年度のスタディツアーを実施しました。今年度は、南足柄市にある自立援助ホーム「みずきの家」への訪問です。自立援助ホームとは、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた中学校卒業から成人前までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活をしながら、学習を行ったり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように、準備を行う施設であり、「みずきの家」は女子対象のホームです。 10月に開催した事前学習会では、「みずきの家」を運営する「子どもセンターてんぽ」が、同じく運営する子どもシェルターと比較しながら、説明をしていただきました。利用者の多くは、保護者からの虐待を受けており、保護者からの避難や就職の手続きのため、住民票の扱いなど、行政に関わる対応も求められるとのことでした。子どもを助けていくためには、支援だけでなく、法的な対応・知識も必要であるとお話を聞いて実感しました。 ツアー当日は、まず中山ホーム長から具体的な事例に基づいたお話をしていただきました。利用者のこれまで受けた経験が、生活や就労に影響していること、また、退所後も結婚、出産、育児など女性ゆえの困難さを抱え、その拠り所がホーム以外になかなか存在しない状況を知りました。その後、施設内を見学。雄大な足柄の山々が目の前に広がるリビングや共用施設、プライベートが守られた各自の部屋、いずれもきれいに保たれた環境で、それぞれが自立に向かい努力をしながら、ときに支え合いながら生活する利用者の様子が想像できました。 このような施設は、神奈川県内に男女別に1か所しかなく、その定員は各6名となっています。(政令指定都市は除く。)ホームを利用すべき子どもたちはもっと多く存在するはずで、決してこの設置状況は、充分なものではないはずです。しかし、子どもたちの潜在するニーズを拾いきれていないことが、少ない設置数やホームの財政面にも影響を与えてしまっています。私たちそれぞれが、子どもたちと直接接する場で、家族という枠に囚われ、もがき苦しんでいる子どもたちの存在に気づくこと、そしてその子にとって、本当に適切な支援につなげることが大事であると感じました。 決して充分とは言えない財政状況の中でも、「みずきの家」は採れ立ての野菜を届けてくれる農家の方など地域の方々に支えられ、運営されています。自らの状況を変化させようとしている子、それを支える存在に社会の目がより向いて、そこに支援の手がより注がれようになる、そんな方向に社会を変えていかなくてはならないと実感した今年度のスタディツアーでした。 参加者:5名
2019年02月13日 スタディツアー開催報告
スタディツアーでは、現在の教育情勢や社会状況に関する場所に出向いて学習を行います。 昨年度は、大和市内で開催されている子ども食堂を訪問しました。地域ぐるみでの子どもを支える取り組み、居場所づくりの広まりを実感した一方で、子ども食堂が広まる背景には、親たちの働き方の変化、その要因となっている社会・経済状況の問題があることを再認識しました。近い将来、今支援を受けている子どもたちが、今度は働く側として、その社会に巻き込まれていくことになります。 今年度は、自立援助ホーム「みずきの家」を訪問します。自立援助ホームとでは、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた中学校卒業から成人前までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活をしながら、学習を行ったり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように、準備を行っています。 10月には、「みずきの家」を運営している特定非営利法人子どもセンター「てんぽ」の事務局長である高橋温さん、「みずきの家」ホーム長の中山俊介さんをお迎えして、事前学習会を行いました。「てんぽ」が同じく運営するシェルター(緊急一時避難所)と比較しながら、自立援助ホームについてご紹介いただきました。様々な事情により、家庭を離れて生活することになった子どもたちの実状を知りました。そして、今回のツアーでは、自立援助ホームを実際に見学し、若者の就労にクローズアップして、お話を伺います。 このツアーを通して、日頃接する子どもたちに対して、就労や自立といった観点からどのような働きかけをしていけばいいのかを考えたいと思います。 日 時 11月24日(土) 10:30~12:00 場 所 自立援助ホーム「みずきの家」 (神奈川県南足柄市) 10:15 箱根登山鉄道 和田河原駅 集合 徒歩15分 申込方法 電話またはEメールで(1)お名前(2)ご所属(3)電話番号をお知らせください。 ※個人情報については、目的以外には使用いたしません。 申 込 先 電 話 090-3535-1795 メール iketaka79@yahoo.co.jp 担当 池田 喬 ※ご不明な点もこちらに、お問い合わせください。 2018スタディツアーちらし
2018年11月22日 11/24 自立援助ホーム訪問
今年度のスタディツアーでは、「みずきの家」を訪問します。「みずきの家」は、これまで紹介してきた社会的養護の施設の中の、自立援助ホームになります。様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた中学卒業から成人前までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活をしながら、学習を行ったり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように、準備を行っています。みずきの家は、平成22年6月、女子対象の自立援助ホームとして、南足柄市に開設されました。 今回の訪問を通して、日頃私たちが接する子どもたちに対し、就労や自立といった観点から、どのような働きかけをしていけばよいかを考えていきます。 訪問に際し、事前学習会を行います。「みずきの家」を運営されている特定非営利活動法人子どもセンター「てんぽ」の高橋事務局長、「みずきの家」中山ホーム長をお迎えして、社会的養護や自立援助ホーム、さらに「てんぽ」が運営するシェルター事業(緊急一時避難所)についてもお話しいただき、スタディツアー当日に向けて理解を深めていきたいと思います。 スタディツアー事前学習会 日 時 平成30年10月11日(木) 19:30~21:00 場 所 大和市文化創造拠点シリウス 生涯学習センター6F 606会議室 内 容 社会的養護、自立援助ホームについての学習 講 師 高橋 温 氏 特定非営利活動法人子どもセンター「てんぽ」事務局長 中山 俊介氏 自立援助ホーム「みずきの家」ホーム長 参加費 500円 こちらのチラシもご覧ください。 10月事前学習会チラシ 2018スタディツアーちらし
2018年09月27日 10/11事前学習会お知らせ
今回は自立支援に関する文献を紹介します。「子どもの未来をあきらめない 施設で育った子どもの自立支援」(明石書店)です。書かれたのは、高橋亜美さん、早川悟司さん、大森信也さんの3名です。高橋さんは、社会的養護施設を就労・就学で対処された方の相談所である「アフターケア相談所ゆずりは」の所長をされています。早川さんと大森さんは、それぞれ児童養護施設の施設長をされています。 本の中では、子どもたちの言葉で、自立後、社会に出て直面する様々な問題が語られています。1つは社会の仕組みの問題です。例えば、住居契約・就職・様々な手続きの場面で保証人、緊急連絡先などが必要とされますが、施設を退所した子どもは親や血縁者を頼ることができず、正規雇用の就労ができなくなる場合もあります。もう1つは、子どもたち自身が抱える問題です。就労や進学、結婚・出産といった人生における出来事の中で、虐待など自身が過去に受けてきた経験のトラウマに苦しむ様子が、生々しい言葉で語られています。就学・就労し、自立を目指すだけでなく、その後のアフターケアが重要であるという自立支援の課題を認識させられます。 現在、学校や地域の中には、自身や家庭について、様々な困難さを抱えた子どもがいます。本の中で、子どもたちの様々なケースに対して、かかわりのヒントがいくつも掲載されています。それは、施設職員に対してだけでなく、子どもとかかわる私たちにとっても、支えとなるものです。 早川さんは脱「自己責任論」を主張されています。 「いかなるときにも子どもの自己責任を問うことなく、教育的配慮に基づく支援を継続する必要がある。すべきでない行動は確実に指摘した上で、代わりにとるべき行動を共に探る。子どもの行動を否定しても、存在は決して否定しない。」 この言葉は、自立支援・社会的養護に限らず、学校や地域、どこの場所でも子どもにかかわる大人が、胸に刻み続けていかなければいけないと感じました
2018年07月25日 文献紹介 自立支援の現状
今年度のスタディツアーでは、自立援助ホームを訪問します。自立援助ホームとは、社会的養護の施設の1つです。、この社会的養護の施設には他に、どんなものがあるのか、今回は紹介します。 社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。ここで言う児童とは、18歳未満の者を指します。(児童福祉法) 社会的養護の施設には、「児童養護施設」、「乳児院」、「児童自立支援施設」、「母子生活支援施設」、自立援助ホーム「児童家庭支援センター」「児童心理治療施設」があります。このうち、子どもたちがそこで生活する施設は、「児童養護施設」、「乳児院」、「児童自立支援施設」、「母子生活支援施設」、そして今回訪問する「自立援助ホーム」です。 「児童養護施設」は、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童に対し、安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、家庭環境の調整等を行いながら養育を行い、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する機能をもちます。虐待を受けた子ども、障がいを抱えた子どもなどが増え、専門的な対応が必要となってきています。神奈川県内には、14の民間児童養護施設が設置されています。 「乳児院」は、保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設です。乳児とは1歳未満、幼児は1歳から小学校就学前までの子どもを指します。基本的な養育機能に加え、虐待を受けた子ども・病気の子ども・障がいを抱えた子どもなどに対応できる専門的養育機能を持ちます。児童相談所の一時保護では、乳児を対応できないケースが多いため、乳児院が一時保護機能を担っています。県立・民間合わせて、神奈川県内には3つ設置されています。 「児童自立支援施設」は、子どもの行動上の問題、特に非行問題を中心に対応します。平成9年児童福祉法改正以前は、「教護院」と呼ばれていました。「家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童」も対象に加わりました。非行問題への対応だけでなく、他の施設では対応が難しいケースの子どもも受け入れています。神奈川県内には、県立の「おおいそ学園」が設置されています。 「母子生活支援施設」は、従来は、生活に困窮する母子家庭に住む場所を提供する施設として、「母子寮」の名称でした。しかし、平成9年の児童福祉法改正で、施設の目的に「入所者の自立の促進のためにその生活を支援すること」が追加され、その名称も変更されました。最近では、DV被害を受けた母親や、虐待を受けた子どもの入所率が高くなっています。 「自立援助ホーム」は、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた義務教育終了から20歳未満までの年齢の子どもたちが対象です。児童養護施設などは、児童(18歳未満)が対象となるので、それらを退所した子どもたちとなります。支援者と共同生活を行いながら、高等教育への進学を目指したり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように準備を行っています。神奈川県内には、9つの民間自立援助ホームがあります。「自立援助ホーム」への訪問を通じて、若者の就労の実態、家庭とは違う場所で、支援を受けながら自立を目指す子どもたちの現状を学びます。そして、日頃接する子どもたちに向けて、就労や自立といった観点からの働きかけを考えます。
2018年05月16日 社会的養護の施設とは
スタディツアーでは、教育課題や社会状況に関する現場を実際に訪れ、学習をします。 昨年度のスタディツアーでは、近年広まりを見せる子ども食堂を訪問しました。地域ぐるみでの子どもやその家族を支える取り組みや、子どもたちの居場所づくりという、食事の提供にとどまらない子ども食堂の意義を、ツアーを通じて学ぶことができました。一方で、このような子ども食堂が広まる背景には、遅くまで働かなければならなくなっているなど、親たちの働き方に関する問題、その要因となっている社会・経済状況の問題があることを、再認識しました。近い将来、今支援を受けている子どもたちが大人になり、今度は労働者として、その社会に飲み込まれていくことになります。子どもたちが就労するときに、どんな支援をすればいいのでしょうか。また、そのときまでに、子どもたちにどんなことを伝えていけばいいのでしょうか。 そこで、今年度は、若者の就労の実態を学ぶために、自立援助ホームを訪問します。自立援助ホームとは、児童養護施設や乳児院などと同じく社会的養護施設の一つです。社会的養護施設とは、保護者がいない子どもや、保護者に監護させることが適当でない子どもを、公的責任で社会的に養育し、保護する施設のことです。その中でも自立援助ホームでは、様々な要因により、保護者の支援を得られず、自立を強いられた義務教育終了から20歳未満までの年齢の子どもたちが、支援者と共同生活を行いながら、高等教育への進学を目指したり、就職し収入を得て、自立した生活が送られるように準備を行っています。神奈川県内には、現在9つの自立支援ホームが設置されていて、今回はその一つの、「みずきの家」を訪問します。「みずきの家」は、南足柄市に位置し、女子定員6名で開設されています。 秋の訪問に向けて、今後、社会的養護施設の紹介、自立援助ホームの現状、文献紹介などを行っていきます。今後もご覧いただき、ツアーにぜひご参加ください。
2018年04月27日 自立援助ホームとは
まず何よりも感じたのは、子どもたちの元気の良さ。ただ元気なだけではなく、小学校中学年の少し年上のお兄さんお姉さんから、よちよち歩きの赤ちゃんまでが、一緒に泣き出す子もなくともに食事をとり、遊べていること。一方で、一人本読みをして母親の帰りを待つ男の子、彼のそういう過ごし方も周りの子が受け入れている。学校という同学年同士の環境とは違う、異年齢による子どもたちの関係性が作られていると思いました。 「子ども」食堂ではあるが、子どもたちだけでなく、お母さん同士、調理されている方々、詩吟の先生、地域のおばちゃん、突然やってきた学校の先生、そしてスタッフの方々、いろいろな立場や年代の人間が集まっている。子ども食堂がある木曜日以外は、家で一人で親の帰りを待っているのかもしれない。でも、毎週1日は、みんなで食事をして笑顔になれる場、学校とは違う勉強ができる場があるのは、とても大切であると思いました。親や先生以外の大人と出会う機会というのは、今の時代、なかなかありません。その出会いは、「今」も、もちろん大事ですが、少し大きくなったとき、何か困ったことがあったとき、親以外に話ができる大人がいること、戻ってこられる場所があるというのは、今後子どもたちにとって大きな意味を持つだろうし、そんな場所になってほしいと思いました。 今回、子どもたちの生活を「食」の視点から見直すということでツアーを企画しました。「ご飯ちゃんと食べている?」というと、食べているか、食べていないかということに目が行きがちです。しかし、子ども食堂を訪問してみて、「何を」「誰と」「いつ」「どこで」「どんな風に」食べているかが、子どもたちに大きな影響を与えるということを、子どもたちの姿・笑顔を見て、参加者は実感しました。 子ども食堂には、食の提供だけでなく、居場所づくりという側面も求められています。今、そしてこれから先も生活の基盤となる「地域」における居場所と考えると、それは今自分が「安心していられる」居場所であると同時に、何かあったときにそこに「立ち戻れる」居場所にならなければならないと感じました。それは、子どもたちだけに必要なものではありません。しんちゃんハウスでは、子ども食堂だけでなく、高齢者や障がい者を対象とした活動まで広がりを見せていて、地域で支えるという一つのモデルを示していました。 参加者感想より抜粋 ・新しい発見ばかりでした。子ども食堂というと、暗いイメージがありましたが、今回、実際に足を運んでみると違っていました。 ・誰にとっても使いやすい場所でアットホームさを感じた。子どもたちが施設に入ればみんなで「おかえり」と声をかけ、誕生日を月末にお祝いすることや、一人ひとりにかごを渡し木曜日には整理整頓するなど、感心に思うことがあった。私が、活動している場所は自分たちの団体の他にも利用者がいるため、一部を借りて教材などを置けられないが、ずっと自分たちの好きに使える場所があることは、いつか私も目指したいと感じた。 ・普段の家庭での食事を想像してみると、限られた関係の中で何かしらのストレスを親子ともに抱く部分があるのではないかと思います。だからこそ、子ども食堂という大人の目が多くあり、人が互いを認め合い補い合える安心感は、子育て疲れを持つであろう親にとっても、また子どもは背伸びをしながら褒められることで心地よい場なのだと思いました。 事前学習会 9月21日(木)19:30~21:00 シリウス603号室 参加者 10名 スタディツアー 10月5日(木)、12日(木)、26日(木)、11月2日(木) 17:30~19:00 NPO法人地域家族しんちゃんハウス子ども食堂「はぐく」 参加者のべ9名 事後学習会 11月9日(木) 19;30~21:00 シリウス603号室 参加者3名
2017年11月28日 ツアー報告 子ども食堂の意義
スタディツアー事前学習会報告 今年度スタディツアーで訪問する子ども食堂「はぐく」について、食堂を主催するNPO法人「地域家族しんちゃんハウス」代表の館合みち子さんをお迎えして、お話を聞きました。重度障がい児童受け入れ施設「地域家族しんちゃんハウス」としてスタート。その後、学童保育、NPO法人として、形を変えながら地域の家族支援を行われてきました。 支援を続ける中で、19時、20時までおなかを空かせて、子どもたちが親の帰りを待つ今の子ども事情に対し、「おかしい」と思うようになったそうです。その背景にあるのは、国が掲げた一億総活躍プラン。ニッポン一億総活躍社会のもと、働く親は家で料理を作って待っててはくれなくなった。ともに、打ち出されたはずの地域共生社会は置き去りにされ、大人が作った社会構図の中で、貧困格差が子どもたちを振り回し始めている。食に関しては、バランスの取れた食卓が用意されず、ただ空腹を満たすため、コンビニ弁当やカップラーメンなど同じものばかりを食べ、孤食・個食の問題が増えている、この状況を危惧し、今年1月子ども食堂「はぐく」を立ち上げられました。 子ども食堂には、毎回15名ほどの子どもたちが利用しています。それぞれ様々な背景があります。利用する子どもたちの多くは小学校低学年です。ここで過ごし、中学高校へ進み悩んだ時には立ち戻れる居場所となってほしい、状況を共有できる友だち関係を築いてほしいということです。 野菜を提供してくださる方の菜園を訪れ、野菜スケッチをしたときのこと。初めは野菜の実の部分しか描かなかった子が、葉や茎まで描き、普段スーパーに並んでいて、口にする野菜がどのように育っているのかを知ったそうです。別の日には、老人会の方がハーモニカ演奏に訪れ、童謡を聞かせてくれました。様々な形で支援をしてくれる人の存在が、生きた学習を提供しています。おなかを空かした子どもたちに対する館合さんの「思い」が子ども食堂を立ち上げ、その「思い」に呼応した方々の「思い」が、子ども食堂に深まりを生んでいます。 大きな木の絵を見せながら、土に埋まっている根の部分のように、「目に観えないものの大切さ」を伝えていきたい、それは、地域で言えば、団欒であり、目指していきたいと館合さんはおっしゃていました。しんちゃんハウスでは今後、認知症カフェを開始するそうです。子ども支援だけでなく、高齢者の方も含めた地域環境作りを目指すとのことです。 子ども食堂について知るだけでなく、教えるということは、どういうことなのか、子どもたちに何を教えなければならないのかということを、改めて考えさせられ、また子どもたちに向きあう元気をもらえた、館合さんの熱いお話でした。 開 催 日 9月21日(木) 場 所 大和市文化創造拠点シリウス 603会議室 参加人数 10名
2017年10月05日 「思い」が作る子ども食堂
これまで市民活動として、子ども食堂は盛り上がりを見せていると報告してきましたが、今回は、行政側からの支援・取り組みがどのように行われているのかについて、お伝えします。 大和市では、子ども食堂の運営団体への補助金を設けています。毎月1回以上、1回あたり3時間以上の子ども食堂を実施し、1回あたり10食以上の食事を提供できる体制をとることが条件となっています。1回ごと¥17,000の運営費だけでなく、初期経費も補助対策となっています。 平成28年度(平成29年度実施)の補助対象団体は、秋にスタディツアーで訪問予定の特定非営利活動法人地域家族しんちゃんハウスの「子供食堂はぐぐ」(大和市南林間)と社会福祉法人県央福祉会の「こども食堂ハルテ」(大和市西鶴間)、特定非営利活動法人さくらの森・親子サポートネットの「わにわに食堂」(大和市上草柳)の3団体です。なお、平成29年度予算では補助対象団体4団体とするそうです。 大和市のように、子ども食堂に限定した補助金を設けている市町村は、神奈川県内には現時点では他にありません。他県、他市区町村では、徐々に子ども食堂対象の補助金が始まりだしており、新しい試みといえます。神奈川県内の他の市町村では、子育て支援活動の一つとしていたり、厚木市のように市民協働提案事業として子ども食堂への補助金が支給されています。川崎市では、地域子ども・子育て支援活動支援助成モデル事業としています。その応募条件の中に、「子どもが安全・安心に過ごせる居場所づくり」を掲げています。このことから、食の提供・貧困問題としての子ども食堂だけでなく、様々な背景を抱える子どもたちの居場所づくりの場として、捉えられてきていることがわかります。秋の訪問でも、子どもたちが学校から帰った後の過ごし方・居場所についても考えるスタディツアーとしていきます。
2017年07月22日 子ども食堂 行政の支援
2017年05月11日 子ども食堂に関する文献紹介
今年度のスタディツアーでは、秋に子ども食堂への訪問を計画しています。 子どもが、家庭での食事をコンビニ弁当やカップ麺ですませていたり、一人で夕食を食べているなど、「食」に関する問題への支援として、子ども食堂は全国的に広がりを見せています。また、食事の提供だけでなく、子どもたちの居場所づくりの取り組みをしている食堂も増えています。今回の訪問では、ただ子ども食堂の取り組みを知るだけでなく、参加者日ごろ接する目の前の子ども達の生活について、「食」の視点から見つめ直すきっかけとなるようなスタディツアーを目指します。 訪問に向けて、これから子ども食堂に関する様々な情報を提供していきます。 今回は、神奈川県内の子ども食堂の現状について報告します。現在、県内には44の子ども食堂が開設されています。市町村別にみると、県内33市町村中、18市町に開設されていて、1番多いのは横浜市で、その数は11です。 運営母体別にみると、NPO法人が6、NPO(市民団体・主婦団体・学生団体など)が26、飲食店・企業が8、地域地区センターが1、社会福祉法人が2、福祉事業所が1、教会が1です。(併催含む) 子どもたちへ無料で食事を提供しているのは44中、15です。それ以外でも100円から300円という安価での提供となっています。 開催頻度としては月1回というのが1番多く17、次いで月2回が14です。中には、週1回という食堂が3つあります。 食事の提供だけでなく学習支援も行っている食堂が5つあり、子ども食堂における新たな支援の形が試みられています。 2012年夏に、東京都内で始まった子ども食堂ですが、神奈川県内では2015年2月に横浜市で初めて開催されました。多くは、2016年中にスタートし、その数は35です。さらに、2017年に入ってからも5件が新たにスタートするなど、神奈川県内では市民運動として、大きな動きを見せています。 今後、子ども食堂に関する文献紹介や個々の子ども食堂の紹介をしていく予定です。
2017年04月06日 神奈川県内の子ども食堂の状況
【11月19日 スタディツアー 報告】 11月19日(土)に新事業であるスタディーツアーを開催しました。訪問地は群馬県上野村です。朝大和を出発するときは、雨に見舞われ心配しましたが、上野村につくと雨も上がり、無事に見学をスタートできました。 最初の目的地、山村留学施設「かじかの里学園」では、園長先生からお話を聞きました。保育園から中学校まで一緒という関係性が固定されてしまう可能性もある村の子どもたちのなかに、学園の子どもたちが介入していくことによる活性化と、それを進めていく中での子どもたち同士や、地域と学園などの関係性の課題などがうかがえました。「場面場面の子どもたちの様子を切り取ってでは、子どもたちを見取ることはできない」という園長先生の言葉には、毎日顔を向き合う環境の中ならではの重みがありました。 外に目を向けると、学園の裏山で自分の身長ほどの深さの穴を掘り、楽しむ子供たちの元気な様子が見られました。 園長先生のお話は、ペレットストーブを囲んで行われました。ペレットとは、木工品づくりで発生した木くずから作られた固形燃料です。村の中にはこのペレットを燃料としてバイオマス発電も行われており、エネルギーが地産地消されています。また、木工品職人のIターンUターン者受け入れによる雇用の創出など、村の豊富な森林を生かした林業を中心とした自給自足の生活へと推移しているとのことでした。 2つ目の訪問地は、「慰霊の園」です。ここは、1985年に上野村で発生した日航ジャンボ機墜落事故の慰霊施設です。遺留品や当時の記録などから、事故当時の様子や上野村がどのように事故に対応したのかを知ることができました。また、犠牲者の名前が記された慰霊塔をはじめ整然と保たれた施設の様子から、その後も上野村が事故と向き合ってきたことがうかがえました。 3つ目の訪問地村内観光施設「まほーばの森」では、吊り橋の高さに驚きながらも、上野村の雄大な自然を感じました。 これまで、Ed.ベンチャーの各事業で、新自由主義や格差社会への批判的なまなざしを学んできました。今回の上野村の訪問で、外的資源の導入や地産地消による循環型社会への取り組みなど、「地元の資源を活用し、大きな利益を追求することはせずに、持続できる社会を目指す」という新たな社会の形を知ることができました。 【10月28日 事前学習会 報告】 渋谷学習センターにてスタディツアー事前学習会を行いました。 ツアー訪問地である群馬県上野村の村長を40年間務めた黒澤丈夫氏について書かれた、「誇りについて 上野村長黒澤丈夫の遺訓から」(藤井浩:上毛新聞社)の文献報告をしました。福祉・産業・教育などに関する取り組みなどの黒澤氏の村づくりの考え方から、上野村の取り組みの根底にある助け合い、守りあいの精神を紹介しました。また担当から事前見学の報告を行い、実際に訪れる上野村について、知ってもらいました。 報告の後、参加者による意見交換を行いました。「上野村の教育の目的・どこで活躍する人材を育てるようとしているのか」「様々な取り組みが可能な経済的基盤となっているものはなにか」「黒澤村長の村づくりの理念の継続」などの意見が出ました。 上野村を知るとともに、ツアー当日に向けて課題の整理がされました。
2016年12月29日 スタディツアー 報告