【2019年度産休・育休・働くママパパのための学習会 総括】
2019年度で4年目を迎えた本事業では、昨年度までの経験を踏まえて、年間を通して学習したい内容が定着しつつある。今年度は「支援教育」「学びの環境づくり」「学級づくり」「育児に関する休暇・休業制度」「地域・社会・学校の連携」の5つの学習会を行った。どのテーマにおいても、子育て中の教員と一緒に学習したいと感じる内容で、一年間の学習会が充実したものになった。また、積極的に講師を呼ぶことで、参加者は専門的な話を聞くことができ、質疑や意見交流の時間を通して、さらに学習を深めることができた。
4月と6月は、昨年度に引き続き、他事業(理論学習会や特別支援教育のための学習会)との共同開催を行った。子育て中の方が来やすいように、日曜日開催に設定して、子ども連れでも参加できるようキッズコーナーを設置し、保育アルバイトを手配した。育休明けに初めて特別支援級の担任として復帰する教員が多いため、「特別支援教育の基礎講座」では、改めて支援教育について学べる貴重な機会となった。
9月の学習会では、今年は実際に講師に来ていただき、より専門的な話を聞き、学習を深めることができた。理論学習会で4月に聞けなかった先生方にも参加を呼びかけ、学級の“集団”を捉え直し、学級づくりについて考えを深める時間となった。
10月には事務職員の方をお呼びして、「休暇・休業制度」について学習した。制度の歴史からは、時代と共に働く環境が整えられてきていることを知る一方で、実際に利用するためには、職場での理解や協力が不十分であるなど、まだ課題も多いことが分かった。
11月には「地域・社会・学校が連携して子どもを育てること」をテーマに学習した。仕事や子育てに苦しむ“お母さん支援”が“子ども支援”につながるが、保育制度を整えるだけでは不十分であり、食事支援や母親が集まる場づくり、家庭への訪問支援など、様々な面からアプローチしていくことが必要だと分かった。また、地域によっては学校が閉鎖的な所も多く、もっと地域へ要望を発信して協力を得られるとよいという意見があった。今後、地域全体で子どもを見守る環境を整えていくために、私たちに何ができるか考える機会となった。
2019年度は、学習会を日曜日開催に設定して、土曜日に多いと思われる子どもの通院や習い事などの用事と学習会の日程が重ならないように配慮した。また、チラシには年間の予定を載せて、見通しがもてるようなレイアウトにすることで、忙しい子育て中の教員でも、都合をつけて学習会に参加しやすくなるように工夫した。
少しずつ形を変えながら、今年度も、子どもと一緒に安心して学習できる場づくりを進めることができた。
【活動代表】清水美希・下新原なつみ
【日時・内容・場所】
第1回:4月21日(日)10:00~12:00
学習会(特別支援教育のための学習会と合同開催)
場所:大和市シリウス612
第2回:6月23日(日)10:00~12:00
学習会(理論学習会と合同開催)
場所:大和市シリウス612
第3回:9月8日(日)10:00~12:00
学習会「学級づくりの基本~教室での教師と子どもの関係~」
講師:清水 睦美氏(日本女子大学 教授)
場所:大和市シリウス612
第4回:10月27日(日)14:00~15:30
学習会「育児に関する休暇・休業制度について」
講師:鈴木 広美氏、見上 恵氏(大和市小学校 事務職員)
場所:大和市シリウス608
第5回:11月24日(日)9:30~11:00
座談会「地域・社会・学校 つながりから見える可能性」
講師:水嶋 淳氏(神奈川県教育委員会教育局県央教育事務所所長)、館合 みち子氏(NPO法人しんちゃんハウス 理事長)
場所:大和市シリウス603
(全5回。のべ参加者数 31名)