飛行機で長時間移動している時などに、気分が悪くなったり吐き気を催したりしたことはありませんか?特に、普段から乗り物酔いしやすい方は、飛行機に乗る際も心配でしょう。 車や船などと同じように、飛行機でも乗っている時に気分・気持ちが悪くなったり、冷や汗や脂汗をかいたりする症状が出る場合があります。今回は、その対策や予防法をご紹介します。(2018.10.26初稿掲載・2022.10.18更新)
乗り物酔いの大きな原因のひとつは「揺れ」です。人は、耳の奥にある耳石器と三半規管によって、身体の平衡や揺れを感知しています。目で見ている視覚的な情報と、耳で感知した実際の揺れや加速・減速の情報とでズレがあると、脳が情報を的確に処理できなくなってしまい、自律神経の乱れが生じます。これが乗り物酔いの原因です。
飛行機の場合、離陸や着陸の際に急加速や急減速したり、気流の影響で機体が急に揺れたりすることがあります。乱気流に遭遇すると、不規則な揺れや乱高下が続くことも。
個人差がありますが、予測できない揺れが起こることで、飛行機酔い(「空酔い」とも呼ばれます)になってしまう人もいます。
また、気圧の変化、睡眠不足やストレスなどの体調的な問題、「酔うかもしれない」「揺れたらどうしよう…」といった精神的な不安、機内のにおいや音、年齢などが影響して、気分が悪くなってしまう場合もあります。
飛行機で酔わないための対策を挙げてみましょう。対策によって個人差がありますが、一般的な予防方法をご紹介します。
消化の良いものを食べてから搭乗するのがおすすめです。お酒を飲んで搭乗することは控えましょう。
睡眠不足、疲労、ストレス、体調不良などがないようにしたいもの。
タイトなジーンズ、ベルトやネクタイなどは身体を圧迫します。身体の締め付や負荷が少ないゆったりした服装で搭乗しましょう。
もし揺れたら…、酔うかもしれない、などと考え過ぎると、精神的に不安定になりがち。楽しいことを考えるようにしましょう。
乗り物酔いしやすい方は、搭乗前に酔い防止の薬を飲んでおくのがオススメ。不安は大幅に軽減できます。
揺れている中で、スマートフォンの画面を見たり、本や雑誌、新聞の小さな文字を読んだりするのは、避けた方が無難です。携帯ゲーム機などの使用も控えましょう。
他にも、飴を舐めたり、ガムを噛んだりすることで酔いが防げるケースもあります。
そうは言っても、酔ってしまうこともあります。「気持ち悪くなってきたかも…」と感じたら、早目に対策を取るのがポイントです。
座っているシートをリクライニングして、お腹が圧迫されないラクな姿勢を取ります。
うがいで口の中をスッキリさせるのが効果的な場合も。冷水だとなお良し。
持っていなければ、客室乗務員に声をかけて用意してもらいましょう。
それでも吐き気が治まらない時は、座席ベルト着用サインが点灯していなければ、トイレに行きましょう。離席できない場合は、座席前のポケットに用意されている「エチケット袋」を使いましょう。我慢ぜずに、客室乗務員に相談するのも正解です。遠慮せずに早めに声をかけるようにしましょう。
国内線の場合、飛行時間1~2時間程度の区間が多いですが、羽田空港から石垣島へ向かう便などは3時間を超える長旅となります。また、海外へ行く国際線では10時間以上乗り続けるケースもあり、飛行機酔いしてしまうと体力的・精神的にもダメージを受けてしまいます。目的地に到着してから、すぐには元気に行動ができないことも。特に乗り物酔いしやすい方は、不快な“空酔い”の予防策を搭乗前から取っておくことをおすすめします。普段は乗り物酔いしない人でも、飛行機が大きく揺れたり、揺れが長く続いたりすると、気分が悪くなることもありますので、対策を知っておくと役に立ちます。