「海外では日本にいる時以上に防犯意識を持たなければいけない」という話をよく聞きます。
置き引きや盗難などは、自分の荷物をしっかり管理することで被害を防げます。
しかし近年では、直接的に物品を盗るのではなく、クレジットカードの情報だけを盗み取る「スキミング」という犯罪が増加しているので注意が必要です。
今回は、スキミング犯罪の説明と対応策をご紹介します。
(2017.12.26初稿掲載・2023.4.18更新)
まずはスキミング犯罪について理解しておきましょう。簡単に言うと、クレジットカードそのものを盗むのではなく、「情報」を盗み取って金銭を奪うのがスキミング犯罪です。盗んだ情報を悪用し、ネットショッピングで勝手に買い物したり、偽造クレジットカードをつくったりして、カードの持ち主に金銭的な被害を与えます。
スキミングには「スキマー」と呼ばれる機器が使われ、クレジットカードの磁気に記録されている情報を読み取ります。その方法は以下の2つです。
【接触型】
ATMやカード決済端末のカード挿入口にスキマーを取り付けたり、店舗などでカード払いする際に悪質な店員がスキマーを使ったり、クレジットカードに接触して情報を抜き取ります。
【非接触型】
磁気や電波などを悪用した特殊なスキマーを使って、クレジットカードに直接触れずに情報を抜き取ります。例えば、混雑した公共交通機関の中や街中などで、カバンにスキマーを近づけてクレジットカード情報を盗む手口です。
スキミング犯罪は、クレジットカードそのものを持ち去る必要がなく、スキマーで情報だけを抜き取ればよいので、数秒あれば完了します。また、スキミングされたその場では被害にあったことがわかりづらく、後日クレジットカードの利用明細を見て、身に覚えのない買い物があることに気づいて初めて被害にあったことを認識します。海外から帰国した後や不安な場合は、こまめに利用明細を確認することをおすすめします。
<気づかぬうちにスキミングされた例>
防犯意識をしっかり持ち、対策していれば、スキミングによる被害は未然に防げます。
【接触型スキミング対策】
【非接触型スキミング対策】
もし、身に覚えのない買い物や高額の支払いなどが見つかったら、スキミングによるクレジットカードの不正利用の疑いがあります。速やかにカード会社に連絡しましょう。カード会社およびカードの種類などに応じて、被害額の補償が適用されるケースもあります。ただし、クレジットカードの持ち主に何らかの過失があると補償対象とならない場合もあるので、事前に約款などを確認しておきましょう。