鉄道写真家 衣斐 隆 : Photo Blog 2012年11月
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写真展を終えて

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五日間にわたる「Railway Graphic D.E.F.」の初の単独写真展が無事終了いたしました。三連休ということもあって、述べ544名もの来場者がありました。メンバー一同心から御礼申し上げます。

12名もの個性豊かなメンバーが集った「D.E.F.」。その代表を任せられ、写真展前は正直眠れない日々も続きました。展示スペースがスカスカだったらどうしよう、とか、お客さんが身内以外ほとんど来なかったらどうしよう、とか訳の分からない心配をしていました。しかしそんなことは杞憂に終わりました。連日多くのお客さんが会場を訪れ、A1とA2でプリントした大判写真を丹念に見てくれ、そして写真家一人一人とじっくり対話をしてもらうことが出来ました。個人的にも懐かしい友人が来ていただいたり、そのまま昔話に花を咲かせつつ、いろんな人と交流を深めたり、まさに人と人をつなぐ写真展だったのではないでしょうか。またメンバーもそれぞれが役割をきちんとこなし、各部署で機敏に動いてくれ、本当にありがたかったです。ポストカードの作成、キャプションの作成、渉外担当、宴会担当などなど、自分一人ではとても出来ないことをメンバー全員がサポートし合い、作り上げてくれた写真展だったのは間違いありません。

最終日での閉場残り一時間あまりの頃、シンガーソングライターでありながら鉄道ファンであるオオゼキタクさんが来場。彼は「お土産とか差し入れとか何も準備していないけど、自分が何かできることと言えば歌を歌うこと」と言ってギター片手に会場内で生歌を披露していただきました。歌を聴きながら今までの苦労や感謝の気持ちを振り返っているうちに目頭が熱くなってしまい、歌を歌い終えたオオゼキタクさんに握手しながら思わず号泣!代表たるものがメンバーの前で涙を流してしまう醜態をさらしてしまいましたが、それだけ感極まる出来事でした。私はフォトグラファーとして仕事もライフワークもカメラ片手に一人でやっていますが、いろんな仲間に支えられながらこうして写真活動がやれているんだな、と改めて感じました。本当に写真展をやって良かったな、と思えた瞬間でした。

D.E.F.」としての第一回写真展はひとまず終わりました。しかし終わりではなくここからがスタートとなります。最後の最後で鉄道写真家山崎友也氏が来場し、言ってくれた言葉が、「一回目は良いけど次が大事!そして継続が大事だよ!」と。メンバー一人一人がこの言葉の意味を理解し、そして次の活動へ向けて進んでいきます。今後の「D.E.F.」の活動にどうぞご期待ください!

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…しかし、実は「D.E.F.」の次の活動の前に、個人の活動として来年三月に個展を開催することが決定いたしました。詳細はまたブログで随時発表をしていくので、楽しみにしていてください。
[ 2012/11/26 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)

写真展搬入を終えて

Railway Graphic D.E.F.」の第一回写真展がいよいよ明日オープンとなります。本日搬入作業を見届けてきましたが、大きく伸ばした作品を前に確かな手ごたえを感じました。

思えば去年、「D.E.F.」結成のきっかけとなったチャリティー写真展を数度経験し、参加した仲間たちと純粋な写真展をやりたい、と思ったのが最初でした。写真活動に熱心でキャラ的にも素質のある方々に声をかけ、間髪入れずに賛同してくれた仲間たちが現「D.E.F.」のメンバーです。それぞれのフィールドで活躍し、それを融合したらすごい力になるな、と確信していました。その結果の一つがこの写真展ではないでしょうか。
もちろん活動として始まったばかりで、これからどのような方向性で活動していくのかは未知数ですが、応援していただける方々のためにも、そして自身の視野を広げるためにも、何かしらのアクションを起こす第一歩の写真展になればな、と思っています。
会場には全日全員が常駐している訳ではありませんが、皆さんと作家とのコミュニケーションを大事にしたいと考えています。どんどん話しかけてください。この写真はどうやって撮ったのか、機材は何を使っているのか、また撮影の苦労話とか。時間の許す限り和気あいあいと過ごせればと思います。

皆さんのお越しをメンバー全員が心待ちにしております。

Railway Graphic D.E.F.」第一回写真展『鉄道風土記 ~春夏秋冬~』

■出展メンバー:今井 英明・宇尾野 智・内田 伸太・衣斐 隆・遠藤 真人・大藪 琢也・佐藤 武志・鈴木 剛・高木 比呂志・永山 弘一・船越 知弘・吉永 陽一
■会期:11月21日(水)~25(日) 10時30分~18時30分
■会場:ギャルリー トラン・デュ・モンド 東京都新宿区歌舞伎町2-46-5 KM新宿ビル9F
■アクセス:西武新宿駅北口正面 徒歩0分、JR新宿駅東口より徒歩10分
■問い合わせ先 : ギャルリー トラン・デュ・モンド
  電話03-5273-4557 Fax 03-5273-4517
  http://www3.ocn.ne.jp/~km-p/

写真家在廊予定表など、「D.E.F.」の詳しい情報については下記URL参照。
http://www.facebook.com/RailwayGraphicDEF

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写真展搬入を終えて、メンバーのプロカメラマン吉永・遠藤氏と三人がたまたま機材をテーブルに乗せていたので思わずそれにピントを合わせて一枚撮影。私のカメラも含めてかなり使い込んでいていますね~。

おっと、何やらカメラの後ろにメッセージカードが…???
[ 2012/11/20 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)

写真展搬入前日

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いよいよ「Railway Graphic D.E.F.」写真展が明後日に迫ってきました。明日搬入を前に、メンバーの吉永氏と共に会場へ出向き最終の打ち合わせをやってきました。先週には色校も済ませ、キャプションなども係が作ってくれ、あとは展示するのみ!

いざ、パーテーションのみが設置された会場へ行くと、ちょっと武者震いがしました。このような素晴らしい会
場で写真展ができる喜びと、果たしてスペースがきちんと埋まるか、お客さんは来てくれるだろうか、などの不安が入り交じり、搬入前ならではの緊張感が自分の中で芽生えてしまいました。

チャリティー写真展ではなく、こうしたギャラリーでの写真展に自身が参加すること自体久しぶりで、さらに今回は何を間違えたのかグループの代表としてこの写真展を主催させていただくことになり、荷の重さを実感しております。メンバーの個性をどう活かしていけるか、どうすれば見に来ていただいた方に満足していただける写真空間を作り上げることが出来るか。非常に悩みました。でも悩んだだけでは始まらないし、やったことで見えてくるものもあり、それがグループの次の活動へつながるものだと信じています。

恐らく「D.E.F.」メンバー一人一人が同じようなことを考えているかもしれません。私たちのグループは始まったばかり。レベル的にもどの位置にいるかさえわかっていない状況です。皆さんの率直な意見が糧になります。ぜひ会場へ足を運んでいただいて、出展者とコミュニケーションを取っていただきたいと願っています。
[ 2012/11/19 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)

京都・奈良への修学旅行

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秋の紅葉真っ盛りの京都奈良への修学旅行へ同行撮影してきました。実は何を隠そう、京都奈良方面の修学旅行は初めて。え?修学旅行の同行撮影は何度もあるのでは?と疑問を抱く方も多いかと思いますが、私が仕事で行く修学旅行はもっぱら小学校の日光方面。今年の初夏にイレギュラーで中学校の岩手県方面がありましたが、いわゆる定番の京都奈良方面の修学旅行は初めてなんですよ~。

という訳で、新横浜から東海道新幹線「のぞみ」に乗って三泊四日の中学生修学旅行に出発。初日は奈良方面へ。薬師寺法隆寺東大寺と巡り、京都では平等院鳳凰堂や東寺などお馴染みのコースを巡りました。今回初めてだったので、どこが撮影出来て、どこが撮影禁止なのか、どこが撮影許可を得なければならないかなど、こちらも初めて知ることばかり。なかなか勉強になりました。

三日目は班別自主行動だったので午前中は金閣寺に待機し、午後は清水寺へ移動。幸か不幸かこの日だけ晴天に恵まれ、時間の空いたときに自分の作品撮りにも挑戦。移動の駄賃で嵐電や叡電も撮影し、秋らしい風景が点在する京都の街並みをスナップしてきました。こうやって京都の街並みを歩くのも久しぶりだし、お寺巡りも自身の修学旅行以来20数年ぶり!ハードだったけど中身の濃い四日間でした。次回も機会があれば行きたいですね!
[ 2012/11/17 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)

晩秋の江差線へ

北海道新幹線開業まであと3年ほど。新函館駅周辺をはじめ各所で急ピッチに工事が行われています。しかし新幹線延伸となると並行在来線の江差線はJRから経営分離されます。電化区間の五稜郭~木古内間は貨物列車も走っていることもあり、第三セクターとして鉄路が残ることになりましたが、非電化区間の木古内~江差間は先日JR北海道が沿線自治体に廃止の意向を伝え、バス転換決定も時間の問題とされています。今年に入って何度か訪れている江差線の末端区間ですが、紅葉の時期を狙いたいと思い、急きょ現地へ出かけてきました。

東京~新青森間は東北新幹線で往復しましたが、限られた予算の中で効率良く回るため、青森~函館間は青函フェリーで移動。しかも深夜便!もちろん青森駅とフェリーターミナル、そして五稜郭駅まで深夜の徒歩移動。2等船内で3時間程度しか寝れず、なかなかハードな移動でした。そして着いたのは港なのにレンタカーを借りた場所はなぜか函館空港(笑)、ちょっと汐首岬の戸井線(未成線)に立ち寄ってから江差線へ向かいました。
函館新道から江差道へ入り一気に茂辺地まで。道路はますます便利になっていきます。そのまま海岸沿いに木古内を通り過ぎ末端区間の峠へ。待っていたのは紅葉した山々。実は札幌に住んでいた学生時代に新緑の時にこの区間を訪れていたのですが、その時の新緑の瑞々しさにほれ込んで、今度は紅葉の時に来てみたい、とずっと思っていました。新緑がきれいなら紅葉もきれいなはず!しかしなかなか願いは叶わず、廃止が取り立たされるようになってようやく訪問することになりました。間に合って良かった!

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二日間かけて江差線末端区間42.1kmを撮影してきましたが、この時期は太陽の位置が低く山間部では影が出やすく苦労しました。この区間は6往復、しかも日中撮影できるのは4本とかなり制約があります。ハイライトの峠区間では神明側が道路と線路が離れていてほぼ撮影は不可能、有名な撮影ポイントも限定されるなど、意外と条件は厳しいです。それでも絵になる光景は多く点在しますし、もちろん車窓からの風景は山あり海ありと変化に富んで面白い路線です。廃止に向けてカウントダウンなのは事実でしょうから、早めの訪問をぜひお勧めしたいです。

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最後に残念なことですが、江差駅のスタンプが盗難に遭ったようです。廃止が取り立たされて多くの鉄道ファンの注目を集めていますが、現場や地元の方に迷惑をかけないよう良心をもってもらいたいものです。
[ 2012/11/07 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)