漠然と感じていた“自分たちの一番弱いところ”デジタル活用で、本来集中すべき業務に最大のパフォーマンスを。 | ものづくり産業に特化したセールス・マーケティング支援|Apérza DX(アペルザDX)

メールをきっかけにポツポツと新しい商談が出始めている。

取材=2018年3月 ◎ 文・写真=中島陽太郎

 愛知県名古屋市に本社を構える三交企業株式会社(以下、三交企業)は、三菱電機のFA製品・省エネ機器製品等を取り扱う技術商社だ。従業員数は約50名、いわゆる中小企業である。三交企業の抱えていた課題は決して彼らに限ったものではない。多くの企業が頭を悩ませる、限られた営業リソースのなかで、いかに効率よく商談を獲得していくかという課題。
アペルザを導入して以来、三交企業は『メーカーと連携した定期メール配信』を継続している。三菱電機を中心に複数のメーカーと連携し、配信用のコンテンツを効率的に作成。従来のビジネスの延長だけではなかなか獲得できなかった商談の発掘にも成功している。三交企業がアペルザ導入を決めた背景、現在、そして今後の展望を聞いた。

― アペルザを活用してのデジタルマーケティング。このような新しい取り組みをスタートするに至った背景を聞かせていただけますか。

三交企業は今年創立70周年となります。それにあたって中期計画を立てています。その中期計画を実行していくにあたって、売上規模の拡大などのテーマがあるわけですが、従来のビジネスの延長だけではなかなか達成できない。「新たな取り組みが必要だ」という思いがありました。

今の会社の規模感、売上と利益というのはある意味最適化された状態です。人を増やせば良いのかというとそういうわけではありません。限られた営業領域のなかで、無闇に、あるいは無尽蔵に人を増やすことはできません。それよりも、効率よく商談を獲得する方法が必要でした。

今も、必ずしも営業担当が皆、個々のポテンシャルをいかんなく発揮できているか?パフォーマンスがしっかり発揮されているか?というと、そうではありません。なかなか手間のかかる仕事もこの業界では多くあるわけです。重要なのは、デジタル化できるところはしっかりとデジタル化して、アナログでなければならないところに関してはそのまま残すということです。

例えば『営業の効率化』という意味では、当初、PRツールとしてタブレットを導入することを検討していました。多くの取り扱い製品があるなかで、全ての資料を持ち歩くことは不可能です。タブレットを活用し、お客様の対面で、その時々で適した資料をお見せするということを検討していました。ただ、正直『メール配信』ということまでは考えていなかったですね。

アナログで行われるビジネスを円滑に進めるためにも、デジタルを活用することで業務効率を上げ、本来集中すべき業務に対してこそ最大のパフォーマンスを発揮してほしい。そんなことを考えていたなかご提案を受けて、そちらに向けて舵を切っていったというのが背景です。

アペルザが実施していたセミナーに参加したこともきっかけのひとつです。セミナーを聞いてピンときた、というわけではないかもしれませんが、漠然と感じていた“自分たちの一番弱いところ”が明確になりました。セミナーで話されていた他社の事例はとても参考になりましたし、非常にシステマチックにやられていて、「うちも取り組まなければならないな」と改めて思いました。そこから、アペルザさんのお話をお聞きするに至りました。

「三交企業から買いたい」と思ってもらえるように。
顧客との有益な情報交換と、商談の数を増やす。

― メール配信では、様々なメーカーと連携したコンテンツを配信されています。どのような狙いがあるのでしょうか。

弊社では三菱電機の機器製品を中心とする産業用電機機器の販売をやっています。そのなかでも我々としては『技術商社』というところを表に出して活動しています。我々は「三交企業から買いたい」と思ってもらえるような活動をしないと淘汰されてしまうという部分があると考えているからです。

弊社がメインで扱っている三菱電機の製品群は比較的シェアも高く、市場で受け入れられていますが、一方で代理店である弊社の存在感を示しにくくなっているのもまた事実です。誤解を恐れず言えば、お客様から見ると『買おうと思えばどこからでも購入できるもの』を扱っているわけです。

例えば、「このシーケンサはこういう部分が優れてまして…」とか「新しいGOTはこんな機能が追加されまして…」と、製品単品だけをPRして、それに対する「それいいね!」というお客様からの反応があったとしても、それは三菱電機が評価されただけであって、三交企業が評価されたわけでは全くないんですね。

そこに対してより良い提案、例えば、シーケンサ単品ではなく画像検査と組み合わせてお客様の困りごとを解決するような提案をするなどということをしっかりと行うことで、お客様に対する弊社のプレゼンスを上げていきたい、そういう想いを持っています。本来であれば、お客様との対面の活動のなかで、ひとつひとつ丁寧に説明していくのがベストです。しかし、すべての方と常時面談している訳ではありませんし、どうしてもPRに漏れが発生してしまいます。

アペルザを使えば、メールを通して我々のお付き合いしているお客様に広く、効率的に、そのような情報を展開することができます。お客様へのPR漏れ防止の意味もあります。パートナー連携機能により、メーカーとコンテンツの連携を行い、「三交企業ならこういう提案ができるんだよ」ということを展開していくことで、顧客との有益な情報交換と、商談の数を増やしていきたいと考えています。

パラダイムシフトはこれから。手応えは感じている。
メールをきっかけに新しい商談がポツポツ出始めている。

― 実際にメール配信をスタートされて、今のところ狙いどおりに進んでいるのでしょうか。

社内の報告でも、メールをきっかけにして新しい商談が出ましたというのもポツポツ出始めているので手応えは感じています。でも、狙いどおりかというと、まだ正直そこまでには至っていないというのが実感です。まだまだ不十分だと思っているので、どのようにもっと活かしていくかということを課題として持っています。

一方で副次的な効果についても感じています。今回のアペルザの導入で、社内の雰囲気として「少しずつパラダイムシフトしていきましょう」という空気ができてきました。実は来年度に、うちも大きな組織変更を行います。メール配信活動について、社長以下何度も会議を繰り返して、組織を変えていくことを決めました。

― 導入にあたりご苦労されたことや、現在の課題などはありますでしょうか?

メールを配信するためのデータベースの作成には、やはり時間と手間がかかりました。営業メンバーの持っている名刺を電子化しましたが、当初その(スキャニングの)精度に問題があり、使えるデータベースにするのに時間を要してしまいました。

現在の課題としては、メール配信をきっかけに発生した資料のダウンロードから、それを起点にした商談化への流れについて、まだ改善の余地があると考えています。ちょっと主旨からはずれますが、今、社内の教育計画、教育大綱をもう一度見直そうということで色々とプログラムを作り始めています。

実は私がアペルザさんのセミナーに参加して一番ピンときたのは、『ロープレ』の話でした。社内での訓練が何より重要だということを実感しました。自分自身も、昔先輩がお客様を訪問するのに同行して、その先輩の話し方を横で聞いて「なるほど」と思ったことを、実際に自分がお客様を訪問した時に真似しようと思った。けれども実際には上手くしゃべれない。でも、それを着実に繰返していくなかで徐々にレベルを上げていった。そんな経験があります。

最初から現場に行って試してみるというOJT的なものも否定はしませんが、実際の現場に行く前に、社内で徹底的に腕を上げてからお客様先に行くという話は、やっぱり「さすがだな」と感じました。教育計画でも『ロールプレイング』はもちろんスケジュールに入れました。4月採用の新人から試行錯誤しながら進めて行く予定です。併せて、指導する側のコーチングのスキルアップも進めていく予定です。社内の若手にするか、課長クラスにするのか対象の選定は今進めているところです。コンサル料が無料であれば、ぜひアペルザさんにお願いしたいと思います。(笑)

― 今後の展望についてお聞かせください。

これまでは製品単品をPRしていればよかった。しかし、そんな時代は終わり、今は顧客にメリットを与えられる提案ができるかどうかが採用のカギとなっています。そのためには顧客を知り、顧客も気付いていないような問題点を見つけ、弊社にしかできないような提案をしていく必要があります。

さまざまなメーカーの製品の組み合わせで、問題が解決できるような提案をしていき、弊社が一括して受注できるような活動を目指したいと考えています。

― お忙しい中貴重なお時間ありがとうございました

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