私は現在75歳。
この業界に足を踏み入れたのが30歳。セブン-イレブン・ジャパンとのビジネスを始めたのは35歳、
社長に就任したのが36歳でした。その前は広告代理店でコピーライターだったので、昔も今も言葉を大切にしています。
セブン-イレブンとの仕事を始めて、最初に「参ったな!」と感じたのが、セブン-イレブン・グループの
「変化への対応と基本の徹底」と言うスローガンでした。
どんなに頑張っても、これを言われると反論のしようが無いのです。
「本当に、それで変化に対応できていますか?」
「本当に、それで基本が徹底できていますか?」
問われる度に、下を向いてしまうのです!
何故なら、「変化への対応」なんて常にエンドレスですから…。
我が社のコーポレート・スローガンは、「Happy Together」です。
一見ありふれたフレーズですが、実は意図するところは遠大なのです。
「Together」とは単に社員だけでなく…取引先であるセブン-イレブンのお店やお客様…
仕入先や地域の方々までも含んでの「Together」なのですから。
このコーポレート・スローガンとは別に、年毎の基本テーマを掲げています。
最近の主だったものを挙げると、「一日一日、一人一人、一品一品を大切に!」
「『もう一歩!』の踏み込みで、ピンチは防げる!チャンスは掴める!」などですが、
やはり、「変化への対応と基本の徹底」のフレーズには敵いません。
そこで三年前から、基本テーマの後に、「変化への対応と基本の徹底」を付け加えています。
今年の基本テーマは、「能力を出し惜しみするな!個々の成長こそが組織のパワーだ!全員が出る杭になれ!」
それに続けて、「変化への対応と基本の徹底」です。
我が社には、素晴らしい資質を持った社員がたくさんいます。
でも、どんなに資質が素晴らしくても、その能力を発揮しなければ意味が無いのです。
「出る杭」は打たれ、「出ぬ杭」は腐るのです。「出る杭」は打たれて強くなりますが、「出ぬ杭」は腐って果ててしまうだけ。
残念なことに我が社にも、打たれることを恐れて、腐りかかった社員がいます。
そんな社員を見つけて引き上げるのが、長としての私の大切な仕事だと考えています。
長い間、仕事を続けてきて周囲を見回してみると、現在活躍されておられる方々は、
何らかの面で「出る杭」を持った方が多いように感じます。
つまり、どのような組織も「出る杭」こそが支えているのです。
然るに最近の若い社員には、そのような覇気が感じられる「出る杭」が少なくなっているような気がします。
打たれることを恐れず、誰もがもっともっと「出る杭」となって、当社を支え続け、発展させていって欲しいと願っています。