林部長 は NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」の登場人物です。
演じるのは橋本 じゅん(はしもと じゅん)さん。
ドラマのUSK(梅丸少女歌劇団)の現場を監督する部長です。
ドラマ「ブギウギ」の林部長 とモデルになった人物について紹介します。
ドラマ「ブギウギ」の林部長 とは
林部長
梅丸少女歌劇団(USK)の音楽部長。
歌劇団を仕切る現場責任者。
一見すると怖そうな見た目ですが、実は気さくで優しく面倒見もいい。
試験日を間違えてやってきて熱心に情熱を語る花田鈴子の入団を許可します。
劇団員にも偉そうにせず気さくに話しかけます。
いつも飲んでいるのはマムシの血の入ったドリンク。元気が出るらしい。
演じるのは橋本 じゅんさん
橋本 じゅん(はしもと じゅん)
兵庫県神戸市出身。1964年生まれ
劇団☆新感線所属の舞台俳優。
テレビや映画での出演も増えています。
主な出演作。
NHK朝の連続ドラマ小説
「ひらり」小林雅人
「エール」
大河ドラマ
「徳川慶喜」中山太郎
「新選組!」 広岡子之次郎
「風林火山」常田隆永
「花燃ゆ」石谷穆清
「おんな城主 直虎」近藤康用
ほか。
林部長 のモデル 松本四郎
林部長 のモデルははっきりとは分かりませんが。
ドラマの林部長と同じ立場にいるのが松竹歌劇部の音楽部長・松本四郎です。
松本四郎は笠置シズ子が松竹歌劇部に入団した当時の音楽部長。
松本四郎はもともと宝塚少女歌劇団の音楽スタッフでした。
松竹の創業者・白井松次郎は宝塚家劇に対抗して大阪に松竹歌劇部を設立。宝塚から何人かスタッフを引き抜いていました。松本四郎は音楽の才能を見込まれてスカウトされました。
笠置シヅ子の入団エピソード
1927年(昭和2年)。亀井静子(笠置シズ子)は宝塚歌劇団の試験を受けましたが背が低く、体が小さかったので落とされました。
笠置シヅ子の自叙伝「歌う自画像」によると。
落胆した亀井静子は道頓堀に新しく宝塚のようなものができたと聞いて松竹座にある松竹楽劇部の楽屋に押しかけました。ところが当時の松竹楽劇部は入部の受付をしてませんでした。それでも静子は音楽部の部長・松本四郎に「わては宝塚ではねられたのが残念だんね。こうなったら意地でも道頓堀で一人前になって、身体がちっちょうても芸にかわりはないところを見せてやろうと思いまんね。どんなことでもしんぼうしますさかい、先生、どうかお願い申し上げます」などと熱意をうったえました。
静子があまりにも熱心に頼み込ので音楽部長の松本四郎は「ようしゃべるおなごやな。そないにしゃべれるのやったら、身体もそう悪いことないやろ。よっしゃ、あしたから来てみなはれ」と入部を許可しました。
静子が「ほんまだっか?」と聞くと
松本部長は「そうでも言わんと、いなんやろがな」と返事したと言います。
ドラマでは入団試験に一日遅れでやって来て熱心に頼み込む花田鈴子親子に「ようしゃべる親子やな」と言って出迎え、鈴子に歌を歌わせて入団を認める演出になっています。
この時、笠置シヅ子の対応をしたのが松本部長でなかったら追い返されていたかもしれません。松本四郎は熱心な静子を気にかけて面倒をみました。
笠置を心配した松本四郎は、屠牛場から牛の生血を瓶に詰めてきて笠置に飲ませたこともあるといいます。
もともと踊りを習っていた静子は舞踊専科に配属されました。でも笠置シズ子は身体が小さくなかなか活躍の場が与えられません。そこでシズ子は松本四郎と相談して歌に転向することになりました。
歌に転向した笠置シズ子は人気を集めます。
松竹楽劇部の団員達が待遇改善を求めて起こした労働争議「桃色争議」のときには会社側の人間として対応。
やがて笠置シズ子は東京で新しく設立された松竹楽劇団(SGD)のスタッフの目に止まり東京に移籍します。
花咲く国など作曲
松本四郎はもともと作曲家です。
彼はOSK(大阪松竹歌劇団)では「春のおどり」のテーマソング「花咲く国」を作曲しました(名義は松本四良、作詞は岸本水府)。
1930年(昭和5年)の公演「春のおどり」で初披露。
ところがフランスからやって来た人気歌手リュシエンヌ・ドフランヌが紙吹雪を吸い込んでしまうアクシデントがあり。そこで傘を持って歌うようになりました。いまではカラフルな傘を持って歌うのがおなじみの光景になっていますが。最初はアクシデントを避けるための対策だったのです。
「花咲く国」は東京の 松竹歌劇団(SKD)の「東京踊り」でも使われました。
でも松本四郎が東宝に移籍したためSKDでは使われなくなります。OSKでは引き続き使われ、現在のOSK日本歌劇団でも使われています。
「花咲く国」はプロ野球チーム「楽天イーグルス」の応援でも使われています。というのもOSKは1971年(昭和46年)に松竹からリストラされ近鉄グループの傘下に入りました。そこで同じ近鉄グループの「近鉄バファローズ」の応援歌として使われました。その後、バファローズは消滅、オリックスと合併。選手の多くが「楽天イーグルス」に移籍しました。バファローズの応援団はイーグルスの応援団になりました。といういきさつがあって「花咲く国」が楽天イーグルスの応援歌として今も使われています。
松本の作曲した曲は今でも様々な場所で親しまれています。
ドラマ「ブギウギ」の林部長は、松本四郎そのものというわけではありませんが。劇団の運営に関わる部長で福来スズ子(笠置シヅ子)の入団を決定して、その後も気にかけていた人物という立場が同じ。林部長の演出には部分的に松本四郎の要素が盛り込まれているようです。
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