こんにちは、ネット店長育成塾の塾長、高林努です。今日は、小さな組織の社員との振り返りの大切さについて、自戒の念を込めてお話しします。
理想的な組織では、定期的に立ち止まり、各自が振り返りを行い、その結果をチームで共有し、優先順位をつけて次の行動を決定します。このサイクルができる組織は、一歩先を行くことができます。しかし、小さな組織では「機動性」を優先し、日々の業務に追われて、立ち止まることが難しいことが多いのです。
私自身も立ち止まって話し合うことの意味を見失うことがあります。自分で指示した方が早い!と感じること多々もあります。ダメですね…
これでは組織は成長せず、社員も育ちません。理想である「定期的に立ち止まる」ことを目指し、まずは「ふと立ち止まる」ことから始めるために今行っていることを書かせてもらいます。
素直に振り返ることで社員の成長を促す
まず考えたいのは、社員の主体性です。主体性のある社員を育てる第一歩は、素直に意見を述べる文化を作ることです。どんなに小さな組織でも、日報や朝会などで社員が書き出す時間を設けている組織は多いです。そして、その際に素直に発言できているか?が大切だと考えています。
「素直に」が必要かどうか?は賛否がある話です。多くの経営者や経営コンサルタントと意見交換をしていますが、素直である必要はないという意見もあります。しかし、私は「素直に言える文化」がこれからの会社作りには必要だと考えます。
では、「社員が素直に発言する」とはどういうことでしょうか?仕事の振り返りや次のアクションを決めるときに、素直に自分の状況を語れることです。そして、素直になるバロメーターは「できないことを素直にできていない」と言えているか?です。
例えば、期日までに仕事が終わらなかった場合に素直に「出来ませんでした!」と言える力です。上司からみたら感情的に「なぜ早く言わないのか!」と叱る場面かもしれませんが、そこはぐっとこらえて、叱らず「現状」と「未来」に切り分けて話を進めていかねばなりません。
なぜできなかったのか?という現状の話を聞きつつ、その中でもよかったところと悪かったところを分けて、お互い納得した上で、次に未来について語る。良かったところは継続しつつ、悪かったところを改善していくという流れです。
これこそ、ふと立ち止まるって振り返る瞬間です。これが出来る経営者になるために日々頑張っている塾長です汗。
共通のコミュニケーションツールとしてKPTの考え方を導入する
この「現状」と「未来」を分けて考えるコミュニケーション方法のフレームワークとして有名なのがKPT法になります。
KPT法の活用方法は、
- まずは「Keep(続けること)」「Problem(問題点)」という「現状の把握」を行う。
- 次に、良いことは伸ばし、課題は解決策で改善するという「Try(試してみたいこと)」という「未来のアクション作り」を明確にする。
- 最後に「優先順位決め」を行い、やる順番を決める、そして「次回以降やること(今回はやらないこと)」を決める。
という3つの視点と3つのアクションで振り返る方法です。
この方法を使うことで、社員との対話やチーム全体の振り返りがスムーズになり、次のアクションが明確になります。
KPT法のポイントは、言い換えると「事象」と「解決策」を分けて考えることです。問題点を挙げる際には、その事象だけを述べ、解決策は別の項目として考えます。これにより、問題の本質を見つけやすくなり、より効果的な解決策を見つけることができるはずです。
KPT法を進める上で大切なのは以下のポイントになります。
- テーマを決める:何について振り返るのかを明確にする。
- 現状と未来を分ける:振り返りの前半は現状を、後半は未来を議論する。
- 続けることを明確にする:良い点を続けるための方法を考える。
- 課題を小さくする:小さな課題に分けて解決策を明確にする。
- 期間と優先順位を決める:いつまでに誰が何をするのかを決定する。
- 称賛する文化を作る:良かった点を称賛し合う。
特にKeep(続けること)を重視すること
KPT法を意識したコミュニケーションにおいては「Keep(続けること)」を重視します。良かった点や成功したことを共有することで、チーム全体のモチベーションが高まり、良い結果を再現するためのヒントが得られます。また、これを機に上司が部下を称賛する機会も増え、良好なコミュニケーションが促進されます。
以上、小さな組織の社員との振り返りの大切さについての私の考えです。皆さんの組織でも、ぜひ「立ち止まる」ことと「振り返る」ことを大切にしてみてください。そして、その一環としてKPT法を導入してみてはいかがでしょうか。
それでは、また次回。どうぞよろしくお願いいたします。
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