2020 年 15 巻 1 号 p. 131-144
覆蓋型廃棄物処分場では,遮水性能を有する最終カバーシステムが要求されている。その遮水性能を維持するために,難透水層とともに水平排水材の設置が考えられる。覆土等の土構造物内では降雨等の浸透により内部浸食が生じ,埋設された排水材には流亡した土粒子が流入し,目詰まりを生じさせ,通水性能が低下する。この性能低下を予め構造物設計に反映するためには,土層からの土粒子流亡量の予測が不可欠である。本研究ではカラムを用いた一次元浸透実験を行い,幾つかの土粒子流亡特性を明らかにした。具体的には,単位水量あたりの土粒子流亡量は,降雨強度にかかわらず1~2水準の値に概ね固定され,その発生原因は降雨浸透時の浸潤前線の有無,及び層内飽和度の均一性に依存していることを明らかにした。さらに,流亡量の少ないケースでは,土のサクション特性等より土粒子流亡量を予測する方法を提案した。