本研究は2000年から2015年までの国勢調査の第4次メッシュを用いて、全国人口構成に対する個々のメッシュ人口構成を対象とし、「ベイズ型APC分析」を適用することで、人口変動に対する効果として年齢・時代・コーホートの3つの要因のどれが影響しているか、特に年齢効果について、どの年齢層が影響しているかを明らかにした。100人以上のメッシュで行った分析の結果より、柏市では約21%、つくば市では約41%のメッシュにおいて、「コーホート効果」よりも、「年齢効果」や「時代効果」の方が人口変動の要因として大きいことが分かった。また、年齢効果の最大区間を推定することによって、当該メッシュの人口構成比が全国に対して、どの年齢区間で多いかを把握することできた。また、現況や将来の生活を支援する施設の整備に生かすことを検討した。なお、2000年と2005年以降で国勢調査地域メッシュ統計での人口同定方法が異なるため、特に小規模のメッシュにおいて「時代効果」が過剰に出る課題がある。今後、2020年度の国勢調査の結果が得て、2005~2020年の4時点間のデータを分析することができれば、小規模のメッシュについても詳しいAPC分析を行うことができる可能性がある。