佐藤整形外科医院　佐藤 俊一郎 理事長 | ドクターズインタビュー

検査画像・数値データに基づいた診断により、的確で説得力のある治療を提供

― 貴院の特徴を教えてください。

当院では一般的な整形外科治療に加えて、リハビリの提供に力を入れています。理学療法士が患者様の生活の様子やご希望を丁寧にヒアリングし、院長と連携の上で一人ひとりに合わせて設定したゴールをめざして治療を行います。また当院は、「体外衝撃波治療」という近隣では珍しい治療法を取り入れています。これは専用の機器で発生させた衝撃波を患部に照射し、痛みの緩和と細胞の再生を促すものです。一時的な対症療法ではなく、患部の治癒、または生活に支障が出ないレベルまでの回復が期待できます。通常は自由診療で行われるものですが、当院ではリハビリの一環として保険適用の治療に追加費用無しで組み入れていますので、多くの方に利用していただきたいですね。

― どのような設備がありますか。

MRIや院内採血システム、⾻密度検査（DEXA）、超音波（エコー）、CTを導入しており、クリニックとしてはかなり充実しているのではないでしょうか。これにより画像や数値データを用いた説得力のある説明や診断が可能になり、患者様にもご自身の状態を視覚的に認識し、積極的に治療に取り組んでいただけます。例えば腰椎椎間板ヘルニアの場合、MRI画像があれば患者様も椎間板や神経の状態を確認できますし、患部の炎症を触診で「熱をもっているようだ」と感覚的に判断するより、血液検査によって炎症反応を確認する方が正確な診断に繋がるでしょう。
また、多くの疾患では院内で検査が完結するので、「別の病院で検査を受けて、後日当院へ結果をお持ちいただく」という患者様の手間を省き、治療までの時間を大幅に短縮できるというのも、大きな強みですね。

「手術はしたくない」という要望に応え、再生医療や骨粗鬆症の予防にも注力

― 貴院の診療⽅針をお聞かせください。

整形外科での一番強力かつ最終的な治療手段は、やはり手術になります。しかし、実際手術が適応になるのは1割ほどで、それ以外は「保存療法」、すなわち薬物療法や理学療法などによる治療が9割にのぼると言われているのです。その大多数を占める保存療法を提供する上で、当院が大切にしているのは「しっかり診る、じっくり治す、強い骨づくり」の3点です。「しっかり診る」とは、視覚化した正確な検査を行い、説得力のある診断と患者様への説明を行うこと。加えて、手術適応の患者様を速やかに紹介先の医療機関に繋げるためにも、的確な診断は欠かせません。次に「じっくり治す」というのは、投薬して終わりではなく、適応がある場合はリハビリ治療を行い、着実に患者様の望んだゴールをめざすということです。担当の理学療法士が患者様の様子を見ながら、二人三脚で治療に付き添います。3つ目の「強い骨づくり」は、骨粗鬆症の予防・治療への積極的な取り組みです。強い骨は、健康寿命の獲得のために非常に重要です。早期に介入する方が治療の効果も出やすいため、他の病気で来院された患者様でも、骨粗鬆症が疑われる場合は検査をお勧めしています。

― 再生医療も取り入れているそうですね。

当院では変形性膝関節症の治療に、再生医療の中でもより効果が期待できる「CPRP-FD療法」を採用しています。従来の変形性膝関節症治療には、投薬やヒアルロン酸注射、リハビリ、あるいは手術といった選択肢しかありませんでした。しかし症状が重篤化しても手術はしたくないという患者様や、持病で手術ができない患者様、また手術が適応にならないけれども困っている患者様も多くいらっしゃいます。そうしたニーズに対応するため、メスを使わずに症状の改善が見込めるCPRP-FD療法を導入いたしました。再生医療は自由診療のため高額になりがちですが、当院では一人でも多くの方に効果的な治療を受けていただきたいという思いから、検討しやすい価格で提供しています。2023年3月に再生医療を開始して以来、1年半で約600人の患者様が施術を受けられました。CPRP-FD療法をお勧めする際は、メリットとデメリットをしっかりご説明し、納得して治療に臨んでいただくよう努めています。

― 最後に読者の方にメッセージをお願いします。

身体に不調を感じても、受診をためらってしまう方は多いと思います。しかし整形外科疾患も、早期発見・早期治療が非常に大切です。当院では様々な医療機器と患者様に寄り添えるスタッフを揃えていますので、気になることがあればお気軽にご来院ください。明日を今日よりもっと良い1日にするためにも、患者様ご自身が主体となって治療に臨んでいただくことが大切です。一緒に頑張っていきましょう。