下北沢のギャラリーにて2月7日まで開催中の段ボール製巨大廃墟群「第N無人居住区」を見に行ってきた。
これまでも様々な形態で展示されてきて、デザインフェスタなどでは暗闇ブースの定番として定着しつつある作品だが、今回のものは過去最大に近い規模、かつ日光を遮断した地下空間という絶好の環境である。
奈良で行なわれた例ではブース全体を段ボールで覆う形で光を遮断し、中に潜って懐中電灯で照らし鑑賞する形の展示があったが、電飾を仕込んだものとしては最大規模、また高層の街を吊るし周囲からぐるりと鑑賞できるという形式としても非常に魅力的なものとなっている。
N区はこれまでも様々な場所に出現しては消失してきた、「漂流廃墟街区」である。N区と呼称されてはいるものの、同一の存在であるのかどうかも判らない。なにしろ出現の度に構造が違うのだ。しかし同一のものと思われる特徴も散見されるため、増改築による構造変化ではないかと考えられている。
なにぶん(明確にカウントできるものではないが)階層にして20超。強制退去により無人となった、にも関らず密かに潜伏する残存住民の生活感が漂う、「準廃墟」状況の高密度建築の魅力たるや!
巨大建築愛好家の方、廃墟マニアの方は是非一度御覧あれ。被写体を求める写真家にもお薦めしたい。高感度のカメラを提げて下北へどうぞ。
それにしても凄い密度であるもので、Gigazineとかに取り上げられても全くおかしくないと思うんだけど、どうか。
追記:撮影についての注意など
会場は故意に光を落としてあるので普通のデジカメではちょっと撮り難いかも知れない。とりあえずフラッシュ焚くと雰囲気台無しなので、暗いところに強い機種を用意しよう。
できればシャッタースピードや絞り値、あるいは感度を変更できるカメラがいい。
ただ今回の被写体は狭いところまで作り込んであって、できればそういうところも撮りたい。真下からの中央吹き抜け構造とか通路奥の狭い路地とかも撮れると嬉しくなる。そういう撮り方だと、一眼レフみたいな大型で取り回しの悪いカメラはちょっと不利かも知れない。薄型コンデジとかレンズ部回転可能なスウィーベル機、あるいは背面液晶の角度を変更できるヴァリアングル機で行きたいところだ。
また巨大建築なので寄りながらも広範囲を撮影できる広角レンズがあるといいだろう。特に魚眼があると楽しめると思う。