キッズプラザ大阪では、2020年から、PEAS motch!をつかったひとコマアニメ制作を行っている。小学校低学年、幼稚園児でも簡単にアニメが作れる。
アニメを作る方法は、絵を描いた順番がアニメになるという、きわめて簡単な方式だ。PEAS motch! は図形エディタになっており、入力した線の形、色、入力した線の順番を変更することができるので、アニメーションを作るビジュアルプログラミングと考えられなくもない。9VALきゅうべえラーニングにも採用された。
では、この方式を使ってどんなアニメーションを作るとよいのだろうか、キッズプラザでのワークショップ、実際に子供たちが作ったアニメをみた観客の反応から、作るとおもしろいアイデアや重要な点を書き留めておく。
重要な点、「アニメをつくっているという意識を持つこと」
- PEAS motch! や 9VAL のユーザーインタフェースは、お絵かきソフトにプレイボタンを追加しただけだ。そのため簡単なのだが、逆に絵を描いているだけと思われてしまう欠点がある。
- PEAS motch! や 9VAL はアニメーションを作るソフトである。描いている絵は実は、アニメーションビジュアルプログラムなのである。それがわかるのが「再生ボタン」だ。早い段階で。これをタッチし、アニメーションを見てみることが非常に重要である。
- このアニメーションを見てから、どのように絵を描けば、どのようなアニメになるかを把握し、この絵が、単なる絵ではなく、アニメーションを作る初歩的なビジュアルプログラミングであることを意識してほしい。
- PEAS motch!には「すすんだメニュー」があり、そこでは「ループ」「動きのグラフ制御」「サブルーチン」「再起呼び出し」といったことまでできる。とにかく、「再生ボタン」を何回も押してみて、アニメーションを作っていることを意識して作業してください。
アイデア集
- 絵を描くとき、肝心な部分を一番最後に描いて、実は、こういうことだったのだ、と最後にわかるような作品は、おおっそうだったのか、と感心する声がもれた。
- 実はこうでしたという種明かしが、おもしろい。「棒が一本」「葉っぱかな」「あひるだよ」「6月6日に雨がふってきて」・・・実は「コックさん」といった絵描き歌もひとつの例だろう。
- 人から書き始めて、どこにいったのか順番にわかったいくとか・・・さいしょはこうだったけど、実は、こんなことがあって・・・とか、事件を順番にかいていくのがおもしろい。時間の流れが感じられるストーリーがある作品がおもしろい。
- 白い太い線で描くと絵を消すことができる。いったん描いた絵を消して、顔の表情をかえたりした作品は受けていた。
- 線に影をつけて、アート的な絵を描いた作品。まるや四角だけで描くとか、抽象的な作品もきれいだ。
- 適度に塗りがはいっていると、塗っていく過程がアニメになるのでおもしろい。きれいに塗らなくても、一部ちょっと塗るというぐらいでもよい。
アニメーションを作ったことがある子供はほとんどいないので、自分で、動きをコントロールする、ということが、新しい思考のヒントになるだろう。描く順番と動きが結びついているということが、論理的な思考の訓練になる。どう動くか予想しながら絵が描けるようになるとよい。