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SYNAPSE AUDIOでシナプス接続:Episode 1

【連載】SYNAPSE AUDIOでシナプス接続:Episode 1 – DUNE 3

今回から数回にわたってSynapse Audioの製品ラインナップを個々に紹介していきたいと思います。

まずは、DUNE 3から紹介していきましょう。

DUNE 3の概要

DUNE 3は、バーチャルアナログに加え、FMシンセシス、WAVインポート機能を持ったウェーブテーブルシンセシスなどのエンジンを装備したマルチシンセシス音源です。前バージョンのDUNE 2のプリセットデータは完全互換を持っており、データのインポートが可能です。

DUNE 3を構成する各セクションをチェック(その1)

それではDUNE 3のマスターセクション、オシレーターとフィルターセクションを順に見ていきましょう。

センタースクリーンと呼ばれる中央上部のディスプレイ右側にはボリュームや最大同時発音数やユニゾン発音のボイス数などの設定を行なうセクションがあります。

図1

DUNE 3は、最大同時発音数が24音で、8ボイスまでのユニゾン発音が可能です。また、DUNE 3はユニゾン発音の各ボイスのグライド設定やアルペジエーター設定、エフェクトルーティング、ボリュームなどが設定できるのもユニークな特徴となっています。

センタースクリーン左側に配置されているオシレーターセクションは3基のオシレーターで構成され、オシレーター1と2はSYNTHESIS TYPEを切り替えることによってバーチャルアナログ(VA)、ウェーブテーブル(WT)、FM(FM)の各シンセシスいずれかを選択可能です。

図2:バーチャルアナログシンセシスを選択した状態。

図3:ウェーブテーブルシンセシスを選択した状態。

図4:FMシンセシスを選択した状態。

オシレーター3は、標準的なシンセ波形の出力を行なえる他、ドラッグ&ドロップでWAVファイルをインポートしてオシレーター波形として使用できるサンプラー的なオシレーターとして機能し、波形のエディットも行なえます。

図5:オシレーター 3で、WAVファイルをインポートした状態。

図6:波形エディター画面を表示した状態。

また、効果音制作などに不可欠なノイズジェネレーターも装備しています。

図7

オシレーター1、2、3とRM(リングモジュレーション)、ノイズの各出力はオシレーターセクションの下部に配置されているオシレーターミキサーでボリュームバランスやパンを調整することができます。

図8

オシレーターミキサーの右側にはフィルターセクションが配置されています。

図9

8フィルタータイプに分類された31種類を有したフィルターが2基用意されているだけでも十分な充実度なのですが、DUNE 3では更にフィルターモジュール内にエフェクトが18種類用意されています。

図10:フィルターセクション内のエフェクトを選択している状態。

このフィルター内のエフェクトと2基のフィルターはルーティングを設定できますので、個性的なフィルタリングによるサウンドメイクが可能です。

内藤朗

キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、サウンドクリエーターなど様々な側面を持ち、S.E.N.Sのレコーディングサポート、安部OHJIの様々なプロジェクトでのレコーディング、ライブなどに関わるなど、作編曲からレコーディング制作、ライブ演奏など多方面で活動中。MIDIやDTM関連の分野では黎明期から今日に至るまで長きに渡り関わっており、多様な経歴を持つ。また、音楽制作系のライターとしても広く知られ、近著に「音楽・動画・ゲームに活用! ソフトシンセ 音作り大全」(技術評論社刊)、共著「ミュージッククリエイターハンドブック 2023年改訂版」(ヤマハミュージックエンターテインメントホールディングス刊)などがある。有限会社FOMIS代表取締役、一般社団法人日本シンセサイザープロフェッショナルアーツ(JSPA)正会員、MIDI検定指導研究会会員。