原発処理水で中国の矛盾
~ホタテ滞留とサンマ豊漁~
福島原発の処理水をめぐり中国と日本で論争が行われています。25日から始まった国際原子力機関の年次総会でも中国は、日本のトリチウムの海洋放出を激しく批判。中国は、日本産のホタテなどを「日本産」として全面輸入禁止としています。一方で、北海道や岩手など沖では中国漁船のサンマ漁も活発に行われ「中国産」としています。同じ海域で「中国産」と「日本産」を使い分ける中国の矛盾を探りました。
環境省が東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出開始後から1週間に1回の頻度で行っている海水のモニタリングについて、5回目もすべての地点でトリチウムの濃度は検出できる下限を下回ったとする結果が公表しました。…(中略)…環境省は結果について25日、11地点すべてでトリチウムの濃度は検出できる下限値としていた1リットルあたり10ベクレルを下回ったと発表しています。
7月27日の1回目から今月21日の4回目までと同様の結果となっています。
<中国原発のトリチウム放出は・・・>
一方、中国の原発でのトリチウム放出について、6月23日の読売新聞が・・・
【中国が国内で運用する複数の原子力発電所が、この夏にも始まる東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出の年間予定量と比べ、最大で約6.5倍の放射性物質トリチウムを放出していることがわかった。・・・(中略)・・・日本政府は、中国の原子力エネルギーに関する年鑑や原発事業者の報告書を基に資料を作成した。
それによると、2020年に。浙江省・泰山第三原発は約143兆ベクトル、21年に広東省・陽江原発は約112兆ベクトル。福建省・寧徳原発は約120兆ベクトル、遼寧省・紅沿岸原発は約90兆ベクトルのトリチウムを放出していた。・・・(中略)・・・中国政府は、福島第一原発の「処理水」放出を「一方的に強硬しようしている」と反発し、官製メディアも連日、日本は世界の海洋環境や公衆の健康を顧みない」などの主張を展開している。だが、日本政府関係者によると、中国は自国の原発のトリチウム方放出について、周辺国との間で合意はなく、説明もしていないという。】と6月23日の読売新聞が伝えていました。
<トリチウムとは・・・>
環境省の資料によれば・・・
【東京電力福島第一原子力発電所において多核種除去設備等で浄化処理した水の中には、放射性物質のトリチウムが含まれています。トリチウムとは、日本語で「三重水素」と呼ばれる水素の放射性同位体です。一般的な水素と同じように酸素と化合して水分子を構成することから、身の回りでは水分子に含まれるかたちで存在するものが多く、大気中の水蒸気、雨水、海水、水道水にも含まれています。トリチウムは水分子の一部になって存在しているため、多核種除去設備等での除去は困難です。
トリチウムは、原子力発電所を運転することで人工的に生成される以外にも、自然界で宇宙線により生成されます。トリチウムは放射線の一種であるβ(ベータ)線を出します。ただしトリチウムが出すβ線はエネルギーが小さく、紙一枚で遮蔽が可能です。そのため外部被ばくによる人体への影響は考えられません。また、トリチウムを含む水は、生物学的半減期が10日で、体内に取り込んだ場合も速やかに体外に排出され、特定の臓器に蓄積することもありません】
<ホタテ滞留で山積み>
中国の日本産海産物の全面輸入禁止で影響が大きくでたのが、北海道産ホタテです。
「日経新聞が中国禁輸で行き場失う 販路開拓が急務」との見出しで(2023年9月24日 )
【中国による日本産水産物の全面禁輸を受けて、北海道産のホタテが行き場を失っている。政府は国内加工の強化策などを打ち出したが、産地の倉庫では在庫が積み上がり「販路開拓が最重要」との声が聞かれる。
「販売価格は中国による検査強化や禁輸前と比べて約3割下がった。さらなる下落を警戒している」。ホタテを中心に扱う水産商社はそう打ち明ける。中国以外の販路拡大に力を入れるが、処理水放出後は商談がまとまりにくくなっているという。…(中略)…喫緊の課題は中国以外の販路拡大だ。米国がターゲットになる。中国に輸出した殻付きホタテは、現地で加工し米国などに再輸出されていた経緯があるからだ。ただ再輸出時は「薬剤などで貝柱を膨らませる『膨潤』と呼ばれる加工がなされていた」(北海道大学水産科学研究院の佐々木貴文准教授)。こうした加工は日本では「ほとんど行われていなかった」。
ホタテの加工を中国以外で代替しようとする動きも出始めた。候補地としてインドネシアやタイ、ベトナムなど東南アジア諸国などが浮上する。オホーツク海沿岸の水産加工会社は「レシピや人材が確保できれば可能だ。国内加工よりも現実的」とみる。政府は9月に追加で200億円強の水産支援策を打ち出し、加工設備の機械化や販路拡大に取り組む。ただ欧米向け輸出の拡大には食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証取得も求められ、一定の時間がかかる見通しだ。…(中略)…
在日米国大使館は農林水産省と連携し、タイなどにある米認定加工施設の情報提供を行う。積み上がった在庫を減らすには国内需要の一層の喚起に加え、中国にかわる加工拠点の確保が当面の課題となりそうだ。(塚田源)】とホタテ滞留の現状と課題を日経新聞が伝えています。
<サンマ水揚げ一転好調>
秋の味覚の代名詞と言えば「サンマ」。近年「サンマ漁」は不調続きでした。今年も不漁が予想されていましたが、9月に入って水揚げ量が増え始めたと報道されていました。またサンマもひとまわり大きくなっていとか。
日経新聞が9月24日の紙面で伝えていました。
【東京・豊洲市場には、北海道や岩手県、宮城県などで水揚げされたサンマが1日平均で10トン近く入荷されている。昨年の同じ時期と比べると2~3倍の水準だ。サイズは120~130グラムが目立ち、昨年に比べ2割大きい。サンマ漁は北海道で8月に始まった。研究機関による事前調査では、水揚げは過去最低だった2022年と同水準になると見込まれ、実際に当初は不振だった。ところが9月上旬以降、徐々に水揚げが上向いた。宮城県気仙沼市の気仙沼漁業協同組合によると、漁業者から昨年はほとんど見つからなかったサンマの群れがあったと報告を受けたという。…(中略)…東京海洋大学の勝川俊雄准教授(水産資源学)は「今年は漁場に発生する群れが濃いようだ。漁は始まったばかりなのでこの傾向が続くかは、もう少し見極めが必要」と話す。】と日経が伝えていました。
<サンマ持ち帰れば「中国産」>
朝日新聞がデジタル版で9月22日、以下を伝えていました。
【東京電力福島第一原発の処理水放出が始まり、中国への日本産水産物が全面禁輸となってから24日で1カ月となった。日本の東方沖合の北太平洋では、この間も中国の漁船が日本の漁船と同じ海域でサンマ漁などを続けている。日本漁船が日本の港で水揚げすれば「日本産」となり、中国は禁輸するが、禁輸するが中国船が自国に持ち帰れば「中国産」として流通できるという状況が生じている。…(中略)…中国船が多数確認できたのは、北海道・根室市から約1千キロ沖の公海。
サンマやサバ、イワシなどの漁が行われる北緯40度~50度。東経150度~170度の海域だ。 8月3日時点で、この海域に中国船は156隻。9月19日は162隻が確認できた。処理水放出を挟んだこの間、1日あたり146隻~167隻大きな変化はなかった。水産省も同様の傾向を把握している。中国船の数は前年同期とほぼ同水準だという。…(中略)…中国で遠洋漁業を営む複数の企業などが、朝日新聞の取材に対して、9月現在もこの海域でサンマなどの漁をしていることを認めた。…(中略)…処理水が危険だと主張する中国は。「消費者の健康を守るため」などとして、8月24日から日本産水産物の輸入を全面禁止した。日本漁船がこの海域で取ったサンマなどの水産物は日本で水揚げされると日本産となり、中国には輸出できない。だが、中国漁船が同じ海域で取った水産物を中国で水揚げすれば、中国産として主に中国国内で流通する。】と同じ海域での水産物の中国側の扱いの矛盾を朝日新聞がデジタル版で指摘していました。
<IAEA総会で日本VS中国論争>
NHKニュースが、福島原発の処理水をめぐる日本と中国の論争を伝えいました。
【IAEA=国際原子力機関の年次総会で、中国が福島第一原発の処理水を「核汚染水」と呼んで日本を強く非難したのに対し、日本側が安全性を強調して反論しました。総会に出席した高市科学技術担当大臣は、放出に反対したのは中国のみだったなどとして、国際社会での理解は広がっているとの認識を示しました。IAEAの年次総会は25日午前10時すぎ、日本時間の25日午後5時すぎからオーストリアの首都ウィーンで始まりました。冒頭、グロッシ事務局長は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の放出をめぐり「IAEAは独立した立場から状況の評価や分析活動を行っている。そのために現地に事務所も設け、作業による影響が出ないように最後まで関与する」と述べ、今後も監視や評価活動を続ける方針を示しました。総会では各国の代表が演説を行い、福島第一原発の処理水の放出をめぐり、どのような反応を示すかが注目されています。
このうち中国国家原子力機構の劉敬副主任は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水を「核汚染水」と呼んだうえで「日本は関係国の人々の強い反対をかえりみず、海への放出計画を始め、国際社会の幅広い懸念を引き起こした」と日本を強く非難しました。
これに対して、日本の高市科学技術担当大臣は「IAEAのレビューで日本の取り組みは科学的基準に照らして安全であるという結論が示されている。日本政府は科学的根拠に基づき高い透明性をもって国際社会に対して丁寧に説明していて、幅広い地域が日本の取り組みを理解し支持している」と述べました。そのうえで「IAEAの継続的な関与のもと、『最後の一滴』の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」と述べ、改めて国際社会の理解と支持を求めました。さらに高市大臣は中国の演説に反論して「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信や突出した輸入規制をとっているのは中国のみだ」と述べ、中国に対し「科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信」を求めました。さらに中国の代表が発言の機会を求め、環境や人体への影響に関する日本の説明が不十分だなどと主張したのに対し、日本の引原大使は「安全性は日々のモニタリングで証明されている。中国のいくつかの原発から年間に放出されるトリチウムは福島第一原発から放出される計画の量の5倍から10倍にのぼる」などと反論しました。】とNHKニュースが伝えています。
(2023年9月26日 4時51分)
江戸探偵人
2023年9月28日
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福島原発の処理水をめぐり中国と日本で論争が行われています。25日から始まった国際原子力機関の年次総会でも中国は、日本のトリチウムの海洋放出を激しく批判。中国は、日本産のホタテなどを「日本産」として全面輸入禁止としています。一方で、北海道や岩手など沖では中国漁船のサンマ漁も活発に行われ「中国産」としています。同じ海域で「中国産」と「日本産」を使い分ける中国の矛盾を探りました。
環境省が東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水の放出開始後から1週間に1回の頻度で行っている海水のモニタリングについて、5回目もすべての地点でトリチウムの濃度は検出できる下限を下回ったとする結果が公表しました。…(中略)…環境省は結果について25日、11地点すべてでトリチウムの濃度は検出できる下限値としていた1リットルあたり10ベクレルを下回ったと発表しています。
7月27日の1回目から今月21日の4回目までと同様の結果となっています。
<中国原発のトリチウム放出は・・・>
一方、中国の原発でのトリチウム放出について、6月23日の読売新聞が・・・
【中国が国内で運用する複数の原子力発電所が、この夏にも始まる東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出の年間予定量と比べ、最大で約6.5倍の放射性物質トリチウムを放出していることがわかった。・・・(中略)・・・日本政府は、中国の原子力エネルギーに関する年鑑や原発事業者の報告書を基に資料を作成した。
それによると、2020年に。浙江省・泰山第三原発は約143兆ベクトル、21年に広東省・陽江原発は約112兆ベクトル。福建省・寧徳原発は約120兆ベクトル、遼寧省・紅沿岸原発は約90兆ベクトルのトリチウムを放出していた。・・・(中略)・・・中国政府は、福島第一原発の「処理水」放出を「一方的に強硬しようしている」と反発し、官製メディアも連日、日本は世界の海洋環境や公衆の健康を顧みない」などの主張を展開している。だが、日本政府関係者によると、中国は自国の原発のトリチウム方放出について、周辺国との間で合意はなく、説明もしていないという。】と6月23日の読売新聞が伝えていました。
<トリチウムとは・・・>
環境省の資料によれば・・・
【東京電力福島第一原子力発電所において多核種除去設備等で浄化処理した水の中には、放射性物質のトリチウムが含まれています。トリチウムとは、日本語で「三重水素」と呼ばれる水素の放射性同位体です。一般的な水素と同じように酸素と化合して水分子を構成することから、身の回りでは水分子に含まれるかたちで存在するものが多く、大気中の水蒸気、雨水、海水、水道水にも含まれています。トリチウムは水分子の一部になって存在しているため、多核種除去設備等での除去は困難です。
トリチウムは、原子力発電所を運転することで人工的に生成される以外にも、自然界で宇宙線により生成されます。トリチウムは放射線の一種であるβ(ベータ)線を出します。ただしトリチウムが出すβ線はエネルギーが小さく、紙一枚で遮蔽が可能です。そのため外部被ばくによる人体への影響は考えられません。また、トリチウムを含む水は、生物学的半減期が10日で、体内に取り込んだ場合も速やかに体外に排出され、特定の臓器に蓄積することもありません】
<ホタテ滞留で山積み>
中国の日本産海産物の全面輸入禁止で影響が大きくでたのが、北海道産ホタテです。
「日経新聞が中国禁輸で行き場失う 販路開拓が急務」との見出しで(2023年9月24日 )
【中国による日本産水産物の全面禁輸を受けて、北海道産のホタテが行き場を失っている。政府は国内加工の強化策などを打ち出したが、産地の倉庫では在庫が積み上がり「販路開拓が最重要」との声が聞かれる。
「販売価格は中国による検査強化や禁輸前と比べて約3割下がった。さらなる下落を警戒している」。ホタテを中心に扱う水産商社はそう打ち明ける。中国以外の販路拡大に力を入れるが、処理水放出後は商談がまとまりにくくなっているという。…(中略)…喫緊の課題は中国以外の販路拡大だ。米国がターゲットになる。中国に輸出した殻付きホタテは、現地で加工し米国などに再輸出されていた経緯があるからだ。ただ再輸出時は「薬剤などで貝柱を膨らませる『膨潤』と呼ばれる加工がなされていた」(北海道大学水産科学研究院の佐々木貴文准教授)。こうした加工は日本では「ほとんど行われていなかった」。
ホタテの加工を中国以外で代替しようとする動きも出始めた。候補地としてインドネシアやタイ、ベトナムなど東南アジア諸国などが浮上する。オホーツク海沿岸の水産加工会社は「レシピや人材が確保できれば可能だ。国内加工よりも現実的」とみる。政府は9月に追加で200億円強の水産支援策を打ち出し、加工設備の機械化や販路拡大に取り組む。ただ欧米向け輸出の拡大には食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証取得も求められ、一定の時間がかかる見通しだ。…(中略)…
在日米国大使館は農林水産省と連携し、タイなどにある米認定加工施設の情報提供を行う。積み上がった在庫を減らすには国内需要の一層の喚起に加え、中国にかわる加工拠点の確保が当面の課題となりそうだ。(塚田源)】とホタテ滞留の現状と課題を日経新聞が伝えています。
<サンマ水揚げ一転好調>
秋の味覚の代名詞と言えば「サンマ」。近年「サンマ漁」は不調続きでした。今年も不漁が予想されていましたが、9月に入って水揚げ量が増え始めたと報道されていました。またサンマもひとまわり大きくなっていとか。
日経新聞が9月24日の紙面で伝えていました。
【東京・豊洲市場には、北海道や岩手県、宮城県などで水揚げされたサンマが1日平均で10トン近く入荷されている。昨年の同じ時期と比べると2~3倍の水準だ。サイズは120~130グラムが目立ち、昨年に比べ2割大きい。サンマ漁は北海道で8月に始まった。研究機関による事前調査では、水揚げは過去最低だった2022年と同水準になると見込まれ、実際に当初は不振だった。ところが9月上旬以降、徐々に水揚げが上向いた。宮城県気仙沼市の気仙沼漁業協同組合によると、漁業者から昨年はほとんど見つからなかったサンマの群れがあったと報告を受けたという。…(中略)…東京海洋大学の勝川俊雄准教授(水産資源学)は「今年は漁場に発生する群れが濃いようだ。漁は始まったばかりなのでこの傾向が続くかは、もう少し見極めが必要」と話す。】と日経が伝えていました。
<サンマ持ち帰れば「中国産」>
朝日新聞がデジタル版で9月22日、以下を伝えていました。
【東京電力福島第一原発の処理水放出が始まり、中国への日本産水産物が全面禁輸となってから24日で1カ月となった。日本の東方沖合の北太平洋では、この間も中国の漁船が日本の漁船と同じ海域でサンマ漁などを続けている。日本漁船が日本の港で水揚げすれば「日本産」となり、中国は禁輸するが、禁輸するが中国船が自国に持ち帰れば「中国産」として流通できるという状況が生じている。…(中略)…中国船が多数確認できたのは、北海道・根室市から約1千キロ沖の公海。
サンマやサバ、イワシなどの漁が行われる北緯40度~50度。東経150度~170度の海域だ。 8月3日時点で、この海域に中国船は156隻。9月19日は162隻が確認できた。処理水放出を挟んだこの間、1日あたり146隻~167隻大きな変化はなかった。水産省も同様の傾向を把握している。中国船の数は前年同期とほぼ同水準だという。…(中略)…中国で遠洋漁業を営む複数の企業などが、朝日新聞の取材に対して、9月現在もこの海域でサンマなどの漁をしていることを認めた。…(中略)…処理水が危険だと主張する中国は。「消費者の健康を守るため」などとして、8月24日から日本産水産物の輸入を全面禁止した。日本漁船がこの海域で取ったサンマなどの水産物は日本で水揚げされると日本産となり、中国には輸出できない。だが、中国漁船が同じ海域で取った水産物を中国で水揚げすれば、中国産として主に中国国内で流通する。】と同じ海域での水産物の中国側の扱いの矛盾を朝日新聞がデジタル版で指摘していました。
<IAEA総会で日本VS中国論争>
NHKニュースが、福島原発の処理水をめぐる日本と中国の論争を伝えいました。
【IAEA=国際原子力機関の年次総会で、中国が福島第一原発の処理水を「核汚染水」と呼んで日本を強く非難したのに対し、日本側が安全性を強調して反論しました。総会に出席した高市科学技術担当大臣は、放出に反対したのは中国のみだったなどとして、国際社会での理解は広がっているとの認識を示しました。IAEAの年次総会は25日午前10時すぎ、日本時間の25日午後5時すぎからオーストリアの首都ウィーンで始まりました。冒頭、グロッシ事務局長は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の放出をめぐり「IAEAは独立した立場から状況の評価や分析活動を行っている。そのために現地に事務所も設け、作業による影響が出ないように最後まで関与する」と述べ、今後も監視や評価活動を続ける方針を示しました。総会では各国の代表が演説を行い、福島第一原発の処理水の放出をめぐり、どのような反応を示すかが注目されています。
このうち中国国家原子力機構の劉敬副主任は、東京電力福島第一原子力発電所の処理水を「核汚染水」と呼んだうえで「日本は関係国の人々の強い反対をかえりみず、海への放出計画を始め、国際社会の幅広い懸念を引き起こした」と日本を強く非難しました。
これに対して、日本の高市科学技術担当大臣は「IAEAのレビューで日本の取り組みは科学的基準に照らして安全であるという結論が示されている。日本政府は科学的根拠に基づき高い透明性をもって国際社会に対して丁寧に説明していて、幅広い地域が日本の取り組みを理解し支持している」と述べました。そのうえで「IAEAの継続的な関与のもと、『最後の一滴』の海洋放出が終わるまで安全性を確保し続ける」と述べ、改めて国際社会の理解と支持を求めました。さらに高市大臣は中国の演説に反論して「IAEAに加盟しながら事実に基づかない発信や突出した輸入規制をとっているのは中国のみだ」と述べ、中国に対し「科学的根拠に基づく行動や正確な情報発信」を求めました。さらに中国の代表が発言の機会を求め、環境や人体への影響に関する日本の説明が不十分だなどと主張したのに対し、日本の引原大使は「安全性は日々のモニタリングで証明されている。中国のいくつかの原発から年間に放出されるトリチウムは福島第一原発から放出される計画の量の5倍から10倍にのぼる」などと反論しました。】とNHKニュースが伝えています。
(2023年9月26日 4時51分)
江戸探偵人
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