日本のサイバー「信用されていない」 相次ぐJAXAの被害、背景は
宇宙航空研究開発機構(JAXA)がサイバー攻撃を受け、内部情報が流出しました。なぜJAXAが狙われたのでしょうか。日本のサイバーセキュリティー対策をめぐる問題について、安全保障や宇宙政策に詳しい東京大の鈴木一人教授(国際政治経済学)に聞きました。
――なぜJAXAが狙われたのでしょう?
当然と言えば当然です。JAXAは宇宙だけでなく、防衛省とともに防衛関連の技術も扱っています。技術そのものを盗めなかったとしても、日本が今どういうことをどの程度進めているかや、どんな技術を使っているかを知るだけでも価値があるからです。
「日本の技術はこの程度」と分かれば、このくらいの攻撃や威嚇をすれば日本は耐えられないということが分かります。手の内をさらすことは、相手からの攻撃を誘発する結果になってしまいます。
――JAXAは、被害にあったシステムでロケットや人工衛星の運用など「機微な情報」は扱っていない、と説明しています。
「機微な情報」とは何かの定義にもよりますが、それが外部に流れなかったから大丈夫だと結論付けるのは無理があると思います。
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相手がどんな情報を求めているのかが分からないというのが、サイバー対策の難しいところ。直接的な技術の情報が流れていなかったとしても、その周辺情報だけでも相手にとって十分価値があるかもしれません。
――米国がリードする月探査…
- 【提案】
インタビューを受けたのは少し前であったが、JAXAへのサイバー攻撃を受けた衝撃がまだ残り、JAXAへのサイバー攻撃を行う主体の意図や狙いがなんなのかがはっきりしていなかった。現時点でもはっきりしていないが、こうした機微な技術を扱う組織が、伝
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