KADOKAWA、犯罪集団のサイバー攻撃による情報流出を認める
サイバー攻撃による大規模システム障害が起きている出版大手KADOKAWAは28日、サイバー攻撃を仕掛けた組織が公開した情報について、同社が保有する情報が外部に流出したものだと確認した。公式サイトで発表した。
流出が確認されたのは、一部のクリエーターの個人情報や、一部の元従業員が運営する会社の情報、取引先との契約書・見積書のほか、子会社であるドワンゴの全従業員の個人情報(契約社員、派遣社員、アルバイト、一部の退職者を含む)、ドワンゴの関係会社の一部従業員の個人情報、社内向け文書だという。
情報漏洩(ろうえい)を確認した関係者には個別に連絡すると同時に、専用の問い合わせ窓口(https://qa.nicovideo.jp/helpdesk?category_id=982)を設置したという。
KADOKAWAを襲ったサイバー攻撃にはランサムウェア(身代金ウイルス)が使われた。サーバー内のデータが暗号化され、事業に大きな影響が出ている。「BlackSuit(ブラックスーツ)」を自称するサイバー犯罪集団は27日、発信元の特定が難しい「ダークウェブ」上に犯行声明を出していた。
犯罪集団は声明で、約1カ月前にKADOKAWAのネットワークに侵入し、1・5テラバイトのデータをダウンロードしたと主張。データの公開中止などと引き換えに身代金の支払いを求めており、支払わなければ7月1日に全データを公開すると通告している。(真田香菜子、編集委員・須藤龍也)