株式投資で「損」をしてしまったとき、「税金」を取り戻す方法を株初心者にわかりやすく解説!
株式投資をはじめてみたら、「さっそく『損』を出してしまった」という株初心者の方もいることでしょう。しかし、落ち込んでばかりいる必要はありません! なぜなら、株式投資で損した人は、税金を少し取り戻せる“裏ワザ”があるからです。なんと「確定申告」をすれば、利益が出て源泉徴収された税金や配当金を受け取る際に源泉徴収された税金の一部が戻ってくることがあるのです。
そこで今回は、株式投資で損を出してしまった場合に「確定申告」で税金を取り戻す方法を、株初心者にわかりやすく解説します!
【目次】ゼロから始める株入門
◆基本編◆
・「株」とは?「株式投資」の基礎知識
・「儲かる株」の探し方(1)
・「儲かる株」の探し方(2)
・「株で儲ける」3つの方法
・ 株式投資でやってはいけないいつの「禁じ手」
◆証券会社・取引ツール編◆
・「証券会社」の選び方&「口座開設」のしかた
・「ネット証券での口座開設」までの流れ
・ ネット証券の注文画面で「株を買う方法」
・「板情報」の見方
★ 人気で選ぶ!みんなにおすすめのネット証券会社
◆株の選び方・ファンダメンタル編◆
・ 基本の指標「PER」をサクッと学ぶ
・ 基本の指標「PBR」をサクッと学ぶ
・「会社の業績」の読み方
・「危ない銘柄」の見抜き方
◆株の選び方・テクニカル編◆
・「株価チャート」の基本的な読み方(1)
・「株価チャート」の基本的な読み方(2)
・「ローソク足」の見方
・「移動平均線」の見方
・「トレンドライン」の見方
・「ダブルボトム」「ダブルトップ」とは?
・「逆三尊(トリプルボトム)」「三尊天井(トリプルトップ)」とは?
・「三角保ち合い」とは?
・「出来高」の読み方
◆株の買い方・売り方編◆
◆株主優待・配当編◆
・「株主優待株」の失敗しない選び方
・「高配当株」の失敗しない選び方
・「配当金」の受け取り方
★ 株主優待名人・桐谷さんのおすすめ銘柄
◆その他◆
・ 株式投資にかかる「税金」は?
・ 株で「損」したときの税金対策
・ 税金がかからない「NISA」「つみたてNISA」とは?
株式投資で「損」を出してしまったら、
どんなに面倒でも「確定申告」をしよう!
前回は、株式投資で儲けて「税金」を支払わなければならない場合でも、面倒な「確定申告」をせずに済む方法を紹介しました。
【※株式投資にかかる「税金」の解説はこちら!】
⇒株式投資で得た利益にかかる「税金」を、株初心者にわかりやすく解説!利益が出ても税金を払わずに済む“裏ワザ”や「確定申告」が必要なくなる方法を公開
しかし、年間を通じて株式投資で「損」をした場合は、どんなに面倒でも「確定申告」することをおすすめします。なぜなら、株式投資で損をしたときは、「損益通算」や「損失の繰越控除」という制度によって、「税金」の負担を軽減できることがあるからです。
「損益通算」の方法とは?
「株の売却益+売却損」と「株の売却損+配当金」を相殺!
最初に「損益通算」の方法から解説していきましょう。「損益通算」とは、株式投資での「利益」と「損失」を相殺することです。
まず、複数の証券会社で口座を開設していて、株(や投資信託)の売却によって、それぞれの口座で「売却益(譲渡利益)」と「売却損(譲渡損失)」が出たケースです。この場合には、「確定申告」をすれば、「売却益」と「売却損」を相殺することができます。
たとえば、A証券会社の口座では株で50万円の利益が出て、B証券会社の口座では株で50万円の損が出たとしましょう。その場合は「(売却益+50万円)+(売却損-50万円)」なので、損益は相殺されて「0円」になり、確定申告をすれば税金はかかりません。
特定口座で取引をしている人も、「確定申告」をすることによって、特定口座で源泉徴収された「利益の約20%の税金」を取り戻すことができます。このケースでは、「売却益50万円×約20%の税率=約10万円分の税金」を取り戻せます。
損益通算は「株の売却損益」だけでなく、「株(や投資信託)の売却損」と「株の配当金(投資信託の課税される普通分配金)」も相殺できる対象になります。株の配当金(投資信託の普通分配金)は、たとえ「特定口座の源泉徴収なし」を選んでいたとしても、税金が源泉徴収されています。そのままだと取られっぱなしですが、「確定申告」をすることで税金の全部または一部を取り戻すことができます。
たとえば、A証券会社の口座では株の売却損が50万円、B証券会社の口座では株の配当金が10万円あったとしましょう。このとき「確定申告」をして売却損と配当金を「損益通算」すると、「(売却損-50万円)+(配当金+10万円)=(-40万円)」で損のほうが大きいので、配当金から源泉徴収された税金「配当金10万円×約20%の税率=約2万円分の税金」が丸々戻ってきます。
ただし、同じ証券会社で「売却損」と「配当金」が出ている人は、確定申告の必要がない場合があります。「特定口座(源泉徴収あり)で配当金等を受け入れる」という、配当金などを損益通算に含む登録をしている人は、すでに「売却損」と「配当金等」の損益通算がされていて、とても便利です。
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「損失の繰越控除」をすれば、3年間は利益と相殺!
損が出たら、必ず毎年「確定申告」をして節税しよう
次に「損失の繰越控除」について、解説していきましょう。株(や投資信託)の売却によって「売却損」が出たとき、その損失を3年間繰り越せて、3年の間に出た利益と相殺できるのが「損失の繰越控除」です。先ほど説明した「損益通算」をしても、まだ「損失」が残っているときにも使うことができます。
「譲渡損失の繰越控除」のポイントは、以下の4つです。
(1)損の繰越を3年間できる
(2)繰越損失と譲渡所得(利益)は相殺して節税できる
(3)損は古い年次のものから相殺する
(4)使い切れなくても繰越損は3年で消滅する
たとえば、2017年に「株で50万円の売却損」を出してしまったとしましょう。このとき、確定申告で「譲渡損失の繰越控除」をしておけば、翌年の2018年に「株で30万円の売却益」が出たら「(2017年の売却損-50万円)+(2018年の売却益+30万円)=(-20万円)」で2017年の売却損のほうが大きいので、2018年の売却益である30万円が相殺できます。そして、「売却益30万円×約20%の税率=約6万円」の2018年の税金を取り返せるのです。
さらに、2019年に「株で10万円の売却益」が出たときには、前年から「20万円の損」を繰り越せているので、「(2018年までの売却損の繰越額-20万円)+(2019年の売却益+10万円)=(-10万円)」と利益は相殺され、本来なら「売却益10万円×約20%の税率=約2万円」を支払うはずだった2019年の税金は「0円」になります。
この残りの損失である10万円は、2020年まで繰り越せて、2018年から3年が経過した後の2021年には、たとえ使い切っていなくても消滅します。また、2017年からの損失を繰り越している間に、新たに損失が出た場合は、その損失を別途、新たに3年間繰り越すことができますので、確定申告を忘れないようにしましょう。
「譲渡損失の繰越控除」は、確定申告を1回でも忘れると
「損失の繰越」ができなくなってしまうので要注意!
「譲渡損失の繰越控除」の仕組みがわかったところで、1つ注意すべきことがあります。「譲渡損失の繰越控除」は、申告を1回でも忘れただけで「損を繰り越す権利」が消滅して、税金を取り戻せなくなってしまう点です。
たとえば、2017年に50万円の売却損が出て、「譲渡損失の繰越控除」をしたとしましょう。翌年の2018年に「10万円の売却益」が出ても、会社員などは20万円以下の利益を申告する義務がないために確定申告をしなかったとしたら、「損を繰り越す権利」はそこで消滅してしまいます。
すると、もし2019年に「40万円の売却益」が出た場合に「譲渡損失の繰越控除」を使って、2017年に出た「50万円の売却損」と相殺しようとしても、それはできません。その結果、「売却益40万円×約20%の税率=約8万円の税金」を取り戻し損ねてしまうことになります。これは、とてももったいないことです。
「譲渡損失の繰越控除」をした場合は、翌年などに他に申告すべきことがなかったとしても、忘れずに確定申告をして、損失を繰り越す権利を消滅させないようにしましょう。
NISA口座で「損」が出ても、損益通算や繰越はできない!
ここまで、株式投資で「損」をしてしまったときに「確定申告」することで、税金を取り戻せる方法を2つ紹介してきました。ただし、NISA口座で損が出た場合は、確定申告をしても他の口座との損益通算や損失の繰越ができないので、注意しましょう。
NISA口座での取引は、利益や損失に関係なく確定申告とは無縁です。確定申告に際して、通常の課税口座での取引とNISA口座での取引は、完全に切り離して考えるようにしてください。
【※関連記事はこちら!】
⇒みんなに人気のNISA口座から選ぶ! NISAで得する「おすすめ証券会社」はココだ!
⇒つみたてNISA(積立NISA)を始めるなら、おすすめの証券会社はココだ!手数料や投資信託の取扱数などで比較した「つみたてNISA」のおすすめ証券会社とは?
【目次】ゼロから始める株入門
◆基本編◆
・「株」とは?「株式投資」の基礎知識
・「儲かる株」の探し方(1)
・「儲かる株」の探し方(2)
・「株で儲ける」3つの方法
・ 株式投資でやってはいけないいつの「禁じ手」
◆証券会社・取引ツール編◆
・「証券会社」の選び方&「口座開設」のしかた
・「ネット証券での口座開設」までの流れ
・ ネット証券の注文画面で「株を買う方法」
・「板情報」の見方
★ 人気で選ぶ!みんなにおすすめのネット証券会社
◆株の選び方・ファンダメンタル編◆
・ 基本の指標「PER」をサクッと学ぶ
・ 基本の指標「PBR」をサクッと学ぶ
・「会社の業績」の読み方
・「危ない銘柄」の見抜き方
◆株の選び方・テクニカル編◆
・「株価チャート」の基本的な読み方(1)
・「株価チャート」の基本的な読み方(2)
・「ローソク足」の見方
・「移動平均線」の見方
・「トレンドライン」の見方
・「ダブルボトム」「ダブルトップ」とは?
・「逆三尊(トリプルボトム)」「三尊天井(トリプルトップ)」とは?
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・「出来高」の読み方
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・ 株で「損」したときの税金対策
・ 税金がかからない「NISA」「つみたてNISA」とは?
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