年間500回1on1した結果わかった大事なこと - BASEプロダクトチームブログ

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ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

年間500回1on1した結果わかった大事なこと

はじめに

本記事はBASE アドベントカレンダー 2022の6日目の記事です。

はじめまして!BASE株式会社で、ネットショップ作成サービス「BASE」のプロダクトチームのマネージャーをしている @yusaku と申します。記事を書くに当たって、自分がいままでやった1on1を振り返りつつ、数えてみました。

 

時期によってもちろん変動はあるのでざっくり試算ではありますが、社内では自分の組織でのメンバーや上長と週1回の15分〜30分の1on1、新しく入社して頂いた方がいるオンボーディング時では毎日15分の1on1を行っていたので、週5~15回くらい1on1していました。またプライベートでは、プロコーチとしてパーソナルコーチングも行っており、2022年では100回ほど1on1を行っていたので、合わせて500回以上は1on1をしていました。

その結果わかった1on1で大事なことを記事にしていきたいと思います。自分なりに大事なことを言語化することで、普段1on1をしている方の助けに少しでもなれば幸いです。

1on1ってなんだろう

最近では1on1に関する本(yahooの1on1や、シリコンバレー流1on1)もよく目にするようになりましたが、そもそも1on1とは 「上司と部下が定期的に行う、”アジェンダのない”1対1のミーティング」 のことです。

一般的には週に1回、少なくとも月に1回の頻度で行われ、もともとシリコンバレーで生まれたマネジメント方法ですが、国内でも多く取り入れられています。

BASEでも、もちろん行われており、月1回30分以上行うことを推奨しています。

1on1ってなんのためにやるの?

では、1on1はなんのために行われるのでしょうか?

進捗報告?
 →いいえ。チーム全体でやったほうが効率が高いはずです。

目標設定?
 →いいえ。すでに決まった目標であれば、ドキュメントでの共有でいいはずです。また目標は週ごとに変わるものではないですよね。

雑談?
 →いいえ。雑談であれば、ランチや立ち話、懇親会でもよいのではないでしょうか。

1on1は「メンバーのための時間」です。

個人的にさらに補足すると、気づきが生まれ行動や経験や学びが促進されるための時間だと捉えています。週1で30分の時間は1ヶ月の割合にしたらたったの1〜2%の時間でしかないので、1on1以外の時間における、行動や経験にどれだけ影響できるかが大事です。

話を聞けていない状態が最も危険

行動や経験を促進するメンバーのための時間である1on1にも関わらず、上司が話を聞けていない1on1が、最も危険な状態です。オンラインだからといって、Slackなどのコミュニケーションツールを見ながら相手の話を聞いていたことはありませんか?

話を聞けないと、信頼関係を損ない、心理的安全性が担保できず、下記の3つの危険な状態に陥ります。

  1. リスクに気が付けない
    →心の声「ちょっと不安なことがあるけど言い出しづらいな、また今度でいっか。」

  2. 組織と個人のWillがどんどんズレていく
    →心の声「なんか納得言ってないけど、相談してもムダだし、話すのは控えよう」

  3. 新しいことが生まれない
    →心の声「やりたいことを思いついたけど、提案しても詰められそうだし、失敗したら怒られそう。相談するのは辞めていこう。」

このような状態にならないように、ここからやってみると良いというポイントを考えてみました。

相手の話をちゃんと”聞く”ことからトライしてみよう

大事なことは、相手の話をちゃんと”聞く”ことです。そのためには、

①言葉以外にも集中して聞く

②反応する」

③キーワードに気づく

という3つのポイントがあります。このポイントからトライしてもらえると良いと思います。

①言葉以外にも集中して聞く

人の話を聞くということに対して、実は3段階のレベルが存在します。

レベル1

相手の話を聞き(聞いたフリをし)ながら、自分のことなど相手以外のことを考えている状態です。例えば、「1on1中に、PCを開きながらSlackなどを追いながら聞く」のは、まさにレベル1の状態と言えます。

レベル2

ちゃんと相手の言葉を理解するべく話を聞けている状態です。このレベル2から話を聞いている状態と言えます。自分主体ではなく相手が主体であることが重要です。

レベル3

相手の言葉だけでなく態度や雰囲気も含めて聞くことができている状態です。

例えば「大丈夫」という言葉1つとっても「大丈夫です…」「大丈夫です!!!!!」といった話し方や表情で、どういう気持ちで話しているかは違うはずです。(字で雰囲気を伝えるのが難しいですが)

このレベル3の状態を意識して、話を聞くことが重要です。

②反応する

話を聞くときに心がけてほしい次のポイントは、聞いている際に 「相槌」「オウム返し」「フィードバック」 といった、話を聞いている反応を行うということです。

相槌:うなずき。「なるほど」「うんうん」といった反応

オウム返し:相手が行ったことをそのまま繰り返す反応。
ex)「ちょっと最近忙しいんです…」→「忙しいんだね」→「そうなんです。◯◯に追われてて〜」

フィードバック:相手の態度や雰囲気について言及するという反応。「今日はなんか楽しそうだね!」「なにか焦っているように見えるよ」

話に対して反応することは、話を聞いてくれているという相手への安心感を生みます。双方向に会話していく上で重要なことなので、最初はわざとらしいかもと思っても、まずはやってみることをオススメします。

③キーワードに気づく

話を聞いていると、この単語ってどういう意味や意図で使ってるのかな?ということが必ずでてきます。知っている情報やバックグラウンドが異なるので、人によって意味が異なることは多いです。

そこから認識がずれていくこともあるので、そういった単語をキーワードとして拾ってみて、「ちなみに、◯◯ってどういう意味あいで使ってる?」などと聞きましょう。そこから認識をすり合わせて行くことが始まるので、そういったキーワードを拾っていこうとする姿勢で話を聞きましょう。

話を聞くことによる変化

実際に自分が経験したエピソードを一例としてシェアします。(個人の話なのでかなり抽象的ですがご了承ください。)

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その人は、いつもいつもなにかに追われていて「忙しい」をよく口にしていました。1on1もシンプルに終わることが多く、1on1が進捗報告の時間になっていました。

ただ愚直に話を聞き続けた結果、少しずつ「なぜ忙しいのか」という自分の課題に対して話してくれるようになりました。

よくよく話を聞いてみると「期待に答えるために、自分がなんでもやらなければいけない」と思っていることに気づき、その結果「周囲に頼れていない」「自分で抱え込みすぎてパンク」している状態になっていることがわかりました。

そこからは、自分が完璧である必要はないことを強く意識して、周囲に頼むハードルを下げるために積極的にコミュニケーションを取るなど、周りの情報を取りに行く行動を多くするようになっていきました。

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1on1で話を聞くことで気づきが生まれたり変化が生まれたエピソードとして参考になれば幸いです。

まとめ

今回は話を聞けていない状態に対して、まずトライして欲しい3つのポイントについて記事にしてみました。

人の話を聞くことは、相手への興味を持つこと思います。相手に興味があれば、話は自然に聞けますし、相手に気づくことも増えます。ぜひ相手への興味を大事にしながら、相手の話を聞く姿勢に向き合ってみることから初めてみてください。

明日は satoshi_takemoto の記事が公開予定です、ぜひご覧ください。