インフレとは持続的に物価が上昇すること。デフレとは持続的に物価が下落することです。定義自体は非常にシンプルです。物価が上昇することがインフレですから上昇率が0.5%でもインフレですが、上昇率が低い場合はディスインフレという表現をする場合もあります。明確な定義はありませんが、物価上昇が年率3%以上になるとインフレといわれることが多いような気がします。デフレは物価が下落することですから、物価上昇率が0未満になるとデフレです。 インフレというと景気が良くなるイメージがありますが、必ずしもそうではありません。たしかに、景気が良くなれば供給に対して需要が多くなりますのでインフレになりますが。スタグフレーションといわれる、インフレでありながら不景気になる現象もあります。これは、財政破綻で国の信用がなくなり通貨価値が下落することで物価が急騰する場合によくあります。日本は今でこそデフレ状態でインフレ待望論がメジャーですが、10年後財政破綻して円が激安になりスタグフレーションに陥ることは十分に有り得ます。過去を見ても1970年代にはオイルショックという石油価格急騰によるスタグフレーションが発生しました。 デフレは景気が悪くなるイメージがありますが、これも必ずしもそうではありません。今の日本のように、少子高齢化により需要が減退し、デフレと景気後退が同時進行することももちろんあります。しかし、新興国などは高度成長の過程で、生産性の大幅な向上で良いものを安く多くの人に供給できるようになり、デフレでありながら景気拡大するケースもあります。 物価は適正水準にコントロールされることが望ましく、インフレが良い・デフレが悪いということでは決してありません。