外国人はどこの国でも監視対象です。テロリストかもしれませんし、そのまま居座って不法滞在者になるかもしれません。 日本だってそうです。日本に来る外国人に対しても、その国籍によっては、厳しいビザ発給要件を課し、さらに日本国内での行動も制約します。最近、中国人富裕層の日本への個人旅行が解禁されたことが話題になりましたが、以前は、中国人観光客は団体旅行でしか日本に来ることができませんでした。旅行中もその行動はガイドという名の監視員によって厳しく制約されます。宿帳の記載事項が多いことくらい、まだまだ甘い方です。 日本人が気付いていないだけで、他の国でも、日本人を含めた外国人の行動は監視対象です。外国人がホテルに泊まる際はパスポートの提示が求められます。今のパスポートは世界共通仕様ですので、パスポート番号さえ控えれば監視には十分です。誰がいつどこに泊まったかは、いつでもその国の政府が調べられるようになっています。 国によっては、モロッコのように、入国時にパスポートに管理用の番号を書き込むこともありますが、やっていることは同じです。要は、外国人がどこに泊まったかを把握しておきたいのです。 効率的に監視を行うため、外国人が泊まれるホテルを限定している国もあります。中国は今でもそうです。いまは簡易宿泊所みたいなホテル以外、ほとんど外国人宿泊可能になっているので、あまり気付かれませんけど。 また、入国に際してビザの取得を要求し、ビザ申請の時に詳細な日程表を提出させる国もあります。さらに、ビザと一緒に用紙を渡され、ホテルに泊まるたびにそこに証明を貰わなければならないような国まであります。 外国人が監視されるのは当然というのが大前提で、最近は、コンピューターによって効率的に監視できるようになったため、その手続きが簡略化されているだけなのです。 また、多くの国は、信頼できる国の国民に対しては、監視の目を緩めます。ビザを取得する際に、細かいことまでは審査しないとか、そもそもビザを免除するなどし、実質的に、国内を自由に動き回ることを認めています。 外国で不法滞在してやろうとたくらむ人が少ない日本人は、世界中の国から信頼されているので、多くの国へビザなしで行け、自由に動き回らせてもらえます。ビザなしで行ける国があまりに多すぎるため、日本人は自分が監視対象だと気付いていないのです。そうはいっても、ホテルではパスポート番号を控えられているのですから、監視されていることに変わりはないのです。