※以下、ネタバレがあります。
確かに、あの映画は「名作」「傑作」と言われると同時に、一番「意味がわからない」と言われる映画でもあります(^_^;)
その理由ですが、
○映像が中心で、セリフが極端に少ない。
○冒頭の数百万年前に登場し、月面でも登場した「モノリス」の存在。
○ラストの光の洪水と、その先の謎のホテルの一室のシーン。
これらが、大きく謎になっている理由だと思います。で、映画の内容ですが、ひと言で言えば、
「人類よりも進化した知的生命体が、人類の進化を手助けした」(数百万年前の猿から人間へ、2001年に人間からスター・チャイルドへ進化)
って事だと思います。以下、私が捕らえたストーリーの概略です。
○数百万年前、人類がまだ猿のような存在だった時に、その目の前に謎の黒い板(モノリス)が登場し、それに触れた事によって「猿」が「道具」を使う事を覚えて、次の段階に進化するようになった。
○そして近未来。月面で磁気の異常から掘り起こしてみると、地下にモノリスが埋まっていたのが発見される。そこから異常な電波が木星に向かって放出された(人類が月面に到着してモノリスを発見できる段階になって、初めて分かる仕組みになっている)。
○月面のモノリスから木星に送信された電波の謎を調べる為、ディスカバリー号が調査に向かう。しかし、冷凍睡眠中のクルー3人と人工知能HALには目的を知らされていたが、起きているクルー2人(ボーマン、プール)には目的は知らされていなかった。HALは、この旅の目的を知っているにも関わらず、起きている乗員には目的地到着まで知らせてはいけないと命令され、その「嘘」をつく事の矛盾から狂い始め、乗員を全て殺そうとする。
○最後の光の洪水のシーンとホテルのシーンですが、こればかりは映画だけでは「全く分かりません」ですね(^_^;)
クラークの小説を参考に考えれば、あの「光の洪水」は宇宙の別の場所と場所を繋ぐ「トンネル」のようなもので、目的地のホテルは、知的生命体がボーマンの記憶などから再現した場所なのかな?と思います。あと、ラストに登場する巨大な赤ん坊(スター・チャイルド)は、ボーマンが元になっていて、人類が次のステップに進化した姿、かな?と思います。
※アーサー・C・クラークの小説「2001年宇宙の旅」を読めば参考になりますが、実は小説と映画では細部で設定や描写が違うので、厳密な意味での「原作」では無いと思っています。キューブリックの言いたかった事は実はクラークとは違うかも知れません。