東大生です。理3ではありませんが、数学だけなら東大模試でも2桁順位以上安定してたのでそれなりに信頼できると思います。
>> 初学者は入門問題精講と基礎問題精講はどちらの方が良いのでしょうか?
入門問題精講です。東大の数学を解く上で、定理公式の理解は欠かせません。証明込みです。東大では、基本定理の証明をオマージュした問題がそれなりの頻度で出題されています。基礎問題精講ではこの役割を担えません。反面、入門問題精講では、証明はもちろん、その際に学ぶべきテクニックを強調するなど実践的です。こちらの方が良いでしょう。
>> 基礎問は分かりづらい、と結構批判が多いイメージなのですが、理三志望なら基礎問から入って理解してできる人じゃないと厳しいのでは?と思う自分がいます。
基礎問の良くない点は、単に解説がわかりにいくい、ということではありません。根本的に問題選定、解答が悪手なので避けた方が良いです。より汎用的な解法を教えず、限定的場面でしか通用しない解法のみ載せていることが散見されます。そしてあたかもそのパターンしかないかのような問題選定がなされており、後の学習に良い影響はないでしょう。この点で批判する人が多数います。私もその一人です。
また、レベル的な意味でも、青チャートとかなり重複しています。のちを見据えるなら、基礎問題精巧を飛ばして直接青チャートに入ってしまって良いです。
>>(どちらかをやった後は青チャートに入る予定です。)
まだ買っていないのなら青チャートは避けた方が良いです。
理由1 : 無駄が多い
「問題文が違うだけで処理は全く同じ」という問題を、わざわざ別の例題に分けて扱っています。それが捻ってある問題なら理解の確認に有用ですが、どちらもオーソドックスな問題であり、そのような使い方もできません。つまり同じことをただ2度やるだけの問題になっています。このようなことが多々あります。
理由2 : 東大頻出の問題を網羅できていない
例えば三次元求積(数3)だと、「初見だと絶対に無理が普通に東大では出る」ような問題がそれなりに存在します。青チャートはそういう問題をかなり外しており、知識レベルでハンデを背負うことになります。
理由3 : 解説が詳しくない
「青チャートがわかりやすい」という人は、式変形が理解できない人です。確かに式変形についての説明は青チャートが最も詳しいですね。ただし、「なぜその解法に辿り着いたのか」「他の解法ではなぜダメなのか」のような解説はかけています。東大を目指す上で、これはいただけません。わざわざ自分から選ぶような本でもないでしょう。
したがって、私は別の参考書の使用をお勧めします。
・ニューアクションレジェンド
上記で指摘した青チャートの問題点(無駄、東大頻出の抜け、発想面の解説がないを全てクリアしています。網羅系参考書の中だと最も出来が良いです。
最大の特徴は、以下に紹介する参考書に比べて、「根本的に詰まった時にどうするか」という解説が充実していることです。上のレベルを目指す人にとってあるあるの悩みだと思いますが、これをしっかり書いている本はこれくらいです。
・入試数学の基礎徹底 + 一対一対応の演習
2冊併せて青チャートのような使い方ができます。基礎徹底は基礎問題精巧レベルを、別の角度から問い直してくれるという点で非常に有用です。基礎レベルのわかったつもりを無くし、盤石にしてくれます。
一対一は有名ですね。このレベル帯として文句ないです。
・入試数学「実力強化」問題集
大学入試で出るパターンを全部詰めた、みたいな本です。これができれば、知識レベルで負けることはありません。つまり、計算を進めたら知らない(そして初見では無理な)パターンが出てきて詰む、みたいなことはありません。
それから、他の参考書だと例題1に解法A,C、例題2に解法B,Cを詰め込んで、解説でのメインは解法A,Cのみ。解法Bはどこでも体系的に説明されず・・・という音が多々ありますが、この本は問題を細かく分けているので、それが解消されています。また、その副産物として、例題1と例題2で両方とも解法Cを使っている、という重複も解消されて、一問あたりにかける時間を減らすことにも成功しています。そのため問題数は青チャートと同じくらいありますが、得られる知識や周回スピードの速さはこちらの方が断然上です。
欠点はレイアウトです。かなりウゲ〜〜ってなる人は多いはず。
>> 1Aは半分ほど既に学んでいるので基礎問、2Bも気合いで基礎問、3Cは入門+基礎問、で考えていたのですが、どう思いますか?皆さんの意見を聞かせてください。
上記に書いた通りです。基礎徹底を使う場合なら、先に2Bの入門問題精巧を使うと良いです。