スポンサー企業の反応の違いには、以下のような理由があります。
1. イメージと商品の結びつき方の違い
●中居正広のような個人タレントの場合
・CMに出演して商品を直接的にPRする「顔」となります
・例えば、お菓子のCMに出演していた場合、消費者は「中居さんが勧めていたお菓子」という直接的な連想をします
・タレントのスキャンダルが起きると、その商品まで「イメージが悪いもの」として消費者に認識されるリスクが高くなります
●フジテレビのような媒体の場合
・広告を「流す場所」としての役割が主です
・視聴者は「フジテレビで見たCM」とは認識しても、「フジテレビが推薦する商品」とは認識しにくいです
・そのため、局のスキャンダルが直接商品イメージを傷つける可能性は相対的に低くなります
2. 取引関係の性質の違い
●タレントとスポンサー
・契約期間が比較的短期(数ヶ月~1年程度)
・代替となるタレントも多く存在しま
・契約解除のコストが比較的低いです
・例えば、問題が起きたタレントを別のタレントに差し替えることは一般的な対応です
●テレビ局とスポンサー
・長年の取引関係があり、様々な番組で広告を出稿
・プライムタイムの枠取りなど、重要な商談を定期的に行う関係
・取引解消には大きなコストとリスクが伴います
・例えば、視聴率の高い番組での広告枠を失うことは、企業の宣伝戦略に大きな影響を与えます
3. 影響範囲の違い
●タレント個人の場合
・イメージダウンが特定の商品やキャンペーンに直結
・対応も「契約解除」という明確な形を取りやすい
●放送局の場合
・ニュースや情報番組、ドラマなど多様なコンテンツを持つ
・一つの問題で全体のイメージが完全に崩れることは少ない
・視聴者も「この番組は好き、この番組は嫌い」といった個別の評価をする傾向がある
これらの要因により、スポンサー企業は個人タレントの不祥事には即座に対応する一方、放送局の問題に対しては比較的寛容な態度を取る傾向があります。
また、放送局との関係は簡単には切れない構造的なものとなっているため、個別の問題での即断を避ける傾向にあります。