>これはパクリなのか、作品リスペクトなのか?、
両方であり、どちらでもない
・・・とお考え下さい。
そもそもですが
「庵野秀明」という人物は
「100%オリジナル」を描くタイプの
クリエーターではありません。
彼が主体になって作った作品は
多かれ少なかれ「自分が子供の頃に見た作品」の
焼き直しが必ず(100%)含まれています。
逆に言えば
「庵野秀明」が作る作品は
プロが作る大変出来の良い
「二次創作」ばっかりと理解して方が
認識的には正確です。
ただ、それを「元ネタ」より
クォリティーを上げる事で
「無理を通して道理を引っ込める」
のも彼の作風でしょう。
どんなクリエーターも
最初は「誰かの真似」からスタートします。
特に日本の漫画・アニメ業界は
この「真似」による発展に寛容です。
これは日本の漫画・アニメ業界が
今のように発展できた理由でもあります。
日本では先輩クリエーターの作風を
下の世代が真似て
それに自己流の何かを少し加える事で
「新人」が成立できる仕組みです。
この
「何か少し加える」事が
日本のプロ業界では重視されます。
言い換えれば
99%の真似は問題視されず
1%の「何か」が重要というのが
日本の創作のプロ視点です。
この考え方をベースに
そもそも「オリジナル」なんて
はなから書く気がない・・・という発想で
プロをしている人が
実は日本には大勢います。
・・・というか
そうでない人の方が
圧倒的に少数派でしょう。
あとは、その「度合い」と
出来た物の「加えられた何かによるクォリティーUP効果」の
バランスの問題です。
このバランス感覚(センス)が絶妙に良いのが
「庵野秀明」でしょう。
彼は音楽で言えば「作曲家」や「作詞家」でなく
「編曲者(アレンジャー)」です。
音楽の世界で既に誰かが歌ったある楽曲を
別の人が歌う「カバー」というのがあるでしょ。
この時に「オリジナル」を
少し変えて演奏するのが「編曲」です。
「庵野秀明」がやっているのは
たぶん、この「カバー」を作る際の「編曲」と同じ事を
「映像作品」で小出しにやっている・・・というのが
恐らくは「ピッタリ」な表現と思いますね。
勿論、それが「良い」か「悪い」かは
それを見て「オリジナル」と比較した際に
視聴者が個々に考える事です。