私は超過保護な家庭で育ちました。 一流と言われる大学を出て、有名企業に入って、そこでも順調に出世して、家庭も持ち、何一つ不自由のない暮らしをしていました。でも、あなたと同じですべて他人任せだったこともあり、4年前に信じていた人に全財産を騙し取られ職も家庭も失いました。 手元に残ったのは僅か1,700円。 その時、人生で初めて死のうと思いました。 それから私は行くあてもなく、昼も夜も街を彷徨い続けました。そんなある日、私の身体は限界を迎え、路上で意識を失いました。 気づけば、通りかかった高齢の女性の通報によって私は救急搬送され病院のベッドにいました。 私は生き延びました。 その後退院しましたが、その女性は私の医療費をすべて支払ってくださったばかりでなく、こんな私を一人暮らしの自宅に住まわせてくださいました。 私はその方にこれまでのことをすべて話しました。その時にその方から言われた言葉は、「人のために生きなさい」ということでした。 それから私はアルバイトをしながら、その方の勧めもあり老人ホームでのボランティアを毎日やりました。今でもやっています。 私は歌と楽器が好きなので、それを披露させていただいたり、お年寄りの話し相手になったり。力仕事のお手伝いをしたり。 今はその方の家の近くに安いアパートを借り、少しの貯金もでき、お年寄りの笑顔に生き甲斐を感じる毎日を送っています。 「人のために生きる」 もしかしたら、これも他人任せのようなところがあるかもしれませんが、私には心地よく楽しい毎日を送っています。 長文失礼しました。