結論から言うと、「baseball game」を「the game of baseball」と言い換えること自体は文法的には可能ですが、日常的にはあまり使われません。英語のネイティブの感覚では、普段は「baseball game」のように名詞＋名詞で表現するほうが自然なケースが多いです。「the game of baseball」は、どちらかというと少しフォーマルな響きで、「野球という競技（スポーツ）全体」を強調して語るようなときに用いられる表現です。 「AのB」＝「B of A」は何でもOK？ 基本的には、次のような状況で「B of A」がよく使われます。 1. 所有関係・所属関係をはっきり示したいとき 例： • the title of the book（その本のタイトル） • the capital of Japan（日本の首都） • the director of the movie（その映画の監督） 2. 「部分と全体」のような関係を示すとき 例： • a slice of pizza（ピザの一切れ） • one of my friends（私の友人のうちの一人） 3. ややフォーマル・文学的に表現したいとき 例： • the game of baseball（“野球”という競技そのものを指すような表現） • the city of Tokyo（“東京”という都市を指すフォーマルな言い方） ただし、英語では名詞＋名詞の「compound noun（複合名詞）」が非常に多く、その方が一般的で自然に聞こえる場合も多いです。たとえば： • baseball game（野球の試合） • soccer ball（サッカーのボール） • toy store（おもちゃ屋） • chicken soup（鶏肉スープ） 日本語の「AのB」に対応させたいからといって、何でも「the B of A」形にすると、多くの場合は不自然になってしまいます。 「of」が使えない（もしくは不自然な）例 1. 慣用的に「名詞＋名詞」で定着しているもの • × the store of toys → 〇 toy store • × the soup of chicken → 〇 chicken soup • × the juice of orange → 〇 orange juice 2. そもそも「AのB」の発想にならないもの • 「hair dryer」(ヘアドライヤー) を「the dryer of hair」と言うのはきわめて不自然 • 「dog house」(犬小屋) を「the house of dog」と言うのも通常は不自然 これらは英語では「名詞＋名詞」の組み合わせとして定着しているため、わざわざ「of」を使う必要がありません。 まとめ • 「baseball game」を「the game of baseball」と言い換えることは文法的には可能。ただし、「the game of baseball」はややフォーマル・文学的で、「野球そのもの」を強調するニュアンスになる。 • 日常会話では「baseball game」が自然で、普通はそのまま使う。 • 「AのB」だからといって、必ずしも「the B of A」になるわけではなく、英語では「名詞＋名詞」の形で定着している表現がとても多い。そうした表現に無理やり「of」を使うと、不自然な英語になる場合が多い。 したがって、まずは「よく使われる慣用的な形（名詞＋名詞 もしくは ’s 所有格 など）になっていないか」を確認するのがコツです。慣用的な複合名詞は辞書や例文で確認しつつ、「of を使う場合」と「使わない場合」の使い分けに慣れていきましょう。