きわめて興味深い問題ですね。
クルド人はここ40年でもトルコやイラクなどで虐殺されてきました。
例えば1990年の湾岸戦争前でも、イラクで殺されているクルド人を救え!と平和主義者は訴えてきました。しかしアメリカと多国籍軍がイラクに侵攻するとピタリとその声は止みます。そしてクウェートを解放し撤退が決まると、クルド人を見殺しにするのか!と撤退は非難されます。実際にその後クルド人は殺され続けますね。しかしその後イラク戦争でアメリカがイラク侵攻を決めると、やはりピタリと声は止まります。その後オバマが大統領に就任しイラク撤退が決まります。
しかし今回は、クルド人たちに、イスラム国と戦うためにオバマは、バカ正直にも兵器を供与するわけですね。これには平和主義者たちも青ざめました。
もしクルド人が武器をもてば、イスラム国だけでなく、トルコやイラクにも攻撃するのは自明です。
自分たちを殺すイスラム国相手には使っていいけど、トルコやイラクが君たちを殺そうとしてきたら兵器を使わず殺されてほしい…。なんて聞くはずがないからです。
オバマの人気は平和主義者たちの間で急速に低下していきます。まさか本気で、クルド人たちに手を差し伸べる馬鹿はいるはずがないと思っていたからです。
何故クルド人を救えといいつつ本気で救ってはならないわけか。それはクルド人の国家クルディスタンが出来てしまうと、第二のイスラエルのようになってしまうからですね。クルディスタンは凄まじい報復をし始めるかもしれませんし、各国はそれを道徳的に非難できません。クルディスタン建国を支援するのは、、アメリカはないとしてもロシアだったり中国だったり或はイスラエルだったりするかもしれません(もちろん、表向きは道徳的に、裏では厄介なイスラム教国を攻撃させるために)。
とはいえ実際はクルディスタンは出来ないでしょう。おそらくコントロールしきれないとどの国や組織もわかるでしょうから。クルド人が、攻撃的になり、生きるためなら何でもするようになった経緯は、けっこうな人たちがわかっているでしょうし。
もしかしたらクルド人たちは、遠く異国の、裕福だが平和的な国で、自分たちの新たなユートピアを作ろうとするかもしれません。そこで、目論見がはずれまくってきた自称?平和主義者たちが、クルド人を支援したとしても、私は全く驚きません。