手続き的には現在の直属の管理者が行うことが一般的かと思います。
が、
評価システムは会社ごと様々な施策が取られているかとは思いますが、私がこれまで経験してきた所は、異動時にそれまでの管理者が評価シートを人事ジャケット(人事の一見書類をまとめた簿冊)に添付して、異動先の管理者が評価したものとを併せて、人事部による各部長が集まっての総合評価(すべての部署とのすり合わせ:部署ごとの仕事の難易度や繁忙時季の違い、異動者・昇格者の有無などを踏まえての総合的な序列付け)が行われていました。
つまり、対象期間の直属管理者全員が評価し、それを基に会社として総合的に評価されていました。
余談ですが、
正社員の人事評価は、会社組織にとって、10年、20年先の中長期的な人事戦略の大きな基礎的資産です。会社の成長戦略の大きな要素として、非常に重要な資料となります。
仮に今現在は同程度の成果を上げる同期が2人いたとして、資質や性格その他の要因によっては、一人は専門性を持たせ同等系列の部署を上がっていく人と評される場合もあれば、総合職運用として、各部どこでもマルチに使える人材として評される場合もあるでしょう。ただ、それらを評価するための
評価システムを構築するにはかなり難しいことでもあります。
就業規則も、人事評価規程、人事評価基準規程、人事評価運用規程(細部実施要領)などを整備する必要がありますが、特に基準規程は、部署間の難易度差その他の要因が絡むため、単純にABCDなどの段階評価では計るには、それぞれの部署ごとに評価基準を作成する必要が出てきます。また、営業などは成績が目に見える形で現れるのですが、事務方などは数値化しづらく、実際の経験者でないとその難易度がどの程度かの基準も作成しづらいのが現実です。
なので、
たまに、上司がなぜ俺ばかりに辛く当たるのだろう、とか、仕事を押し付けてくるのか、なんて事があるかもですが、それは中期的な人材育成のためにわざとハードルを上げて実力をつけてもらうと同時に、高い評価を与えるための人事部などとの人事戦略の一つとして他の人との差を分かりやすくするための施策なのかも知れません。
実際に私もそのようにして組織に育てられましたし、総務課長を拝命した時には、その人事評価基準その他の各種規程などの分析・修正にも苦労しました。
そして、直属上司だけではなく、色んな人が見て、評価してくれています。
いわゆる評判ってやつにも繋がっていきます。評判によって、彼ならうちにもぜひ欲しい、ウチでもっと鍛えてみたい、とか、逆にどこも引き取り手がなくいつまでもヒラのママ、とか。
人事評価には成績や成果だけではなく、資質面も重視されます。性格的なものもそうですし、積極性、計画性、先行性、並行性、適時性、完全性、効率性など、物事への取り組み姿勢なども評価要因としている会社も多いかと思います。自己成長を通して組織に貢献する姿勢が大切かと考えます。