確かに,月は女性の象徴ではあるのですが,ハネムーンのハニーが精液のことだ,というのは,新婚初夜の複数の儀式の話が混ざった俗説であろうと思われます。
どこで調べても同じようなことが出てくると思いますが,ハネムーンの語源は,中世のヨーロッパで,結婚の時はミード(蜂蜜酒)をふるまい,また,新婚1ヶ月ほどの間,毎日蜂蜜酒を飲む習慣があったことから,「蜂蜜酒を飲む月」という意味で「ハニームーン」と呼ばれるようになった,というのが定説です。
実は,精液説は当たらずとは言え遠からずで,新婚初夜,新郎新婦がことに及んでいる最中,披露宴参加者が夜通し宴会をする,という習慣が,一時広まったことがあります。昔は,特にカトリックにおいては新婚初夜には,確実に性行為が完遂されなければならない,という掟があり,立会人が確かに「中出し」があった,ということを,夜通しの宴会をしているみんなの前で報告するのが常でした。その習慣が次第に廃れ,立会人の部分が省かれ,宴会だけするようになったのですが,その宴会で出されるのが,「アワビ」「ハマグリ」や,「どぶろく」,「白酒」の類でした。アワビやハマグリが女性器の,どぶろくや白酒が精液の隠喩であることは言うまでもありません。この時,「貝類に濁ったお酒をかけるのはあまりに下品である」と教会からしばしば禁令が出されているのですが,ということは,その「下品な行為」をやる酔っ払いがいっぱいいた,ということです。そのことが,月と蜂蜜→「女性にぶっかける」という下品な妄想に繋がった,とは言えるかと思います。
ということで,その先生の,知識人にあるまじき下品さを高く評価しますが,今どきはこの程度のことを調べ上げてくる生徒はいくらでもいますから,あまりええかげんなことを言わない方がいいかもしれない,と思います(^_^;