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インスリン注射(遺伝子組み換え)について教えて下さい。

病気、症状 | 農学、バイオテクノロジー67閲覧xmlns="http://www.w3.org/2000/svg">250

回答(3件)

ヒトのインスリンをコードするDNA配列を宿主に対応したベクターに組込み、宿主細胞に入れて、宿主細胞の遺伝子発現系によってインスリンを作らせます。 ヒトの遺伝子配列を異種の細胞の遺伝子発現系に組込むのが「ヒト遺伝子組換え〜」です。 宿主は古くは大腸菌、その後は酵母などに移行して、今現在は何がトレンドなのかは知りません。 大腸菌はエンドトキシンなど毒性物質を作りこれを完全に除去するのは困難なので副作用のリスクが高い。ということで早々に他の宿主に移行。 もう一つの問題は、インスリンはA鎖とB鎖という2本のペプチドがS-S結合で架橋した構造であることです。 本来は一個の遺伝子からインスリン前駆体ペプチドが生じ、ヘアピンのように折れ曲がって分子内で架橋して、ループ部分が切り取られて二本のペプチドが架橋したインスリンが完成します。 これをそのまま遺伝子組換えで他種の細胞で発現して再現するのは困難なので、A鎖とB鎖を別々の組換え体で作らせて精製したのち、試験管内反応で両者を架橋してインスリンにするということをします。少なくとも大腸菌で作る場合はそうだった。

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ヒト以外の動物(魚類含む)の膵臓から精製されたインシュリンもかつては使われていました。ヒトに効果がないわけじゃない。ただ、材料に対してわずかしか取得できないので大量の材料が必要であること、異種のタンパク質であり、しかも精製度が低く不純物を含むなどのため、免疫ができたりアレルギーが起こったりするので、遺伝子組換え技術の出現以来、そちらに移行しました。

>質問ですが、どの部分が『遺伝子組み換え』なのか教えて欲しいです。 @:ヒト遺伝子組み換えインスリンは、全ての部分が『遺伝子組み換え』で作られるのですよ。 >どのように作られているのか興味があって調べたのですが、無知な為わからない所があります。 @:遺伝子組み換えインスリンを使う理由と、どのようにして作られるか説明しましょう。 遺伝子組み換えインスリンを使う理由 糖尿病の人に、インスリンを投与すると、病気が緩和されることは分かっていましたが、インスリンはタンパク質なので、人工的に作るのが困難でした。 そこで昔はブタやウシの膵臓からインスリンを取り出して、治療していました。 でもこの方法は二つの問題がありました。 まず、ブタやウシの膵臓から取れるインスリンは僅かなので、一人の患者を一年治療するのに、ブタ70頭分の膵臓が必要だったのです。 もう一つの問題は、ブタやウシのインスリンは、ヒトのインスリンと僅かに異なっている点です。インスリンは51個のアミノ酸で構築されるタンパク質ですが、牛では3個、ブタでは1個のアミノ酸が、ヒトと異なっているのです。 そこで遺伝子組替により、ヒト型インスリンを作り使用するようになったのですよ。 どのようにして作られるのか 遺伝子の本体であるDNAは、タンパク質の設計図に相当します。全ての生き物はDNAの設計図から、タンパク質を作っているのです。 ですから、インスリンを作る設計図に相当するDNAを、生物の細胞内に送り込めば、その細胞はインスリンを合成できるのです。 生物の細胞はなかなか増えないので、DNAを送り込んでも多くのインスリンは得られません。でもバクテリアなどの細菌は単細胞生物なので、どんどん増えます。 そこで大腸菌などの細菌に、インスリンのDNAを送り込んで、大量のインスリンを作らせているのです。 大腸菌等の細菌や酵母は、染色体のDNA以外に、リング状の小さなDNA分子(プラスミド)を持っています。このプラスミドに、ヒト型インスリンのDNAを組み込んで、細菌に送り込み、ヒト型インスリンのタンパクを合成させるのです。 こうして作られたインスリンが、遺伝子組み換えインスリンなのですよ。

インスリンは人のタンパク質です。人以外の動物もインスリンは持っていますが、アミノ酸配列が違うので、人には使えません。そこで人のインスリンの遺伝子をとって、その遺伝子を含むベクターを大腸菌あるいは酵母に入れてインスリンのもと(プロインスリン)を作らせて、酵素処理をしてインスリンにしています。