日本が犯罪人引渡条約を結んでいるのは、アメリカと韓国の2か国のみという事実については、以下の理由が考えられます。 ・犯罪人引渡条約は、国家主権の問題に深く関わるため、締結には慎重な検討が必要となります。日本は伝統的に国家主権を重視する立場をとっており、条約締結に消極的な面がありました。 ・死刑制度の有無など、刑事司法制度の違いから、条約締結の調整が難航することがあります。日本は死刑制度を残しているため、死刑のない国との条約締結が難しい面があります。 ・条約締結には、相手国との間で犯罪共助関係が一定程度存在することが前提となります。日本は、アメリカや韓国以外の国との間で、そうした関係が希薄であったことが影響しているかもしれません。 ・歴史的経緯や政治的配慮から、特定の国との条約締結が進まない面もあるでしょう。 今後、グローバル化が進展し、国際犯罪への対応が重要視されれば、日本も新たな国々との条約締結を検討する可能性はあります。