チハ（九七式中戦車 ）は、1930年代中後期に開発・採用された大日本帝国陸軍の主力中戦車である。チハ車は昭和12年に完成し、同15年頃には各連隊に配給されたが、同時期のどの国の戦車と戦車戦を演じても必ず負ける戦車だった。ノモンハン事件では、ピアノ線鉄条網で擱座したところを狙い撃たれて撃破された。 改良で「九七式中戦車改」「新砲塔チハ」が開発された。攻撃力ではアメリカのM3軽戦車に優越するようになったものの、戦争中盤からアメリカ軍は75mm砲を装備したM4中戦車を投入したため、その後の対戦車戦では苦戦を強いられた。 太平洋戦争では、海兵隊員が装備していた新兵器のバズーカが登場し、装甲の薄い日本軍戦車にバズーカが命中すると、ほぼ同時に装甲を貫通して内部で炸裂し擱座する戦車が続出した。 その後、日本軍の砲弾はM4中戦車の厚い装甲にはね返されるのに対し、M4中戦車の砲弾は易々と九七式中戦車や九五式軽戦車を撃破していった。 硫黄島の戦いでは、車体を地面に埋没させる固定トーチカとして米軍と激戦を交えた。