まあ、最終的にはそうでしょうね。 倒れた独裁国家の例を幾つか挙げても、エジプトでは民衆の抗議デモに軍人・警察官の多くが鎮圧することを拒否、任務放棄し（事実上の離反）、そのまま民衆に官邸を包囲されたムバラク大統領は周囲の説得で退陣に追い込まれたのでした。ほとんど無血の革命でした。 ジンバブエのムガベ政権の場合、議会は与野党の一致で大統領を非難する決議を通過させ、軍も国営放送局を占拠して事態を収めるために大統領は早く退陣するよう声明を出し、気が付けば味方不在の四面楚歌に陥る中、身の保全の約束を条件に静かに去っていきました。 リビアでも東部の反乱鎮圧を命じられた軍人たちが自国民を撃つことに動揺し、一部は脱走したりそのまま反体制派に加わって分裂したため、内戦に突入し、結果的にはカダフィ政権を崩壊させたのでした。 シリアの場合、軍から反体制派側への離反者も現れ出たものの、多くの軍人・警察官はアサド政権側に残ったため、内戦を激化させただけで結局今に至るまで政府の転覆には至らなかった。 ベネズエラでは、反大統領派の商工会議所が海軍を動かしてクーデターを起こし、一時は成功しかけたが、チャベス大統領支持派の陸軍に潰された。 つい先日、ペルーでは罷免された前大統領がイヤだとゴネて権力の座に居座ろうとしたが、（自己クーデター）人望がなかったのか誰も付いて来なくて、敢え無く不法占拠のかどで警察に逮捕され、執務室を追い出されてしまいましたとさ。 武力を盾にできれば、あるいは要望を叶えられたのかもしれません。 思うに独裁国家では、如何にして頼みの綱（唯一の合法的暴力装置）である軍人や警察官が自分を裏切らないように懇ろに手懐けるか、甘い汁を吸わせてあげるか、が重要のようですね。 とりわけクーデターが日常的なアフリカ諸国では、しばしば国民不在のまま、オイシイ利権に群がりたい強欲な軍人たちが隙あらば政権奪取をしようと試みますからね。