私の手許にある古典文法書では、形容動詞連用形の「に」を使う場合について見ると、こんな感じです。
【━━に・━━と+用言……連用形「━━に」「━━と」はおもに、下に用言が続くときに使われます】
★「新修古典文法・二訂版」(荻野文子編著、2010年、京都書房)
【「に」「と」……助詞「て」「して」・動詞「なる」などに接続する】
★「よくわかる新選古典文法・改訂版」(小町谷照彦監修、2001年、東京書籍)
★「基礎から学ぶ解析古典文法・改訂新版」(桐原書店編集部編、2006年、桐原書店)
【特に説明無し】
★「高等学校新選古典文法・改訂版」(中田祝夫・増淵恒吉著、1971年、尚学図書)
★「古典文法・新修版」(松村明編著、1976年、明治書院)
★「簡明文語文法・新訂版」(成田杢之助編、1976年、京都書房)
★「解釈・読解のための新明解古典文法・改訂新版」(江口正弘編著、1988年、尚文出版)
★「古典にいざなう新古典文法」(北原保雄編、1992年、大修館書店)
★「精選古典文法・改訂版」(築島裕・白藤禮幸監修、1999年、明治書院)
★「標準新古典文法」(山口堯二著、2000年、文英堂)
★「完全傍訳やさしく詳しい古典文法」(水野左千夫編、2000年、尚文出版)
★「富井の古典文法をはじめからいねいに」(富井健二著、2002年、ナガセ)
★「解釈のための必携古典文法・改訂版」(萩原昌好監修、2005年、中央図書)
★「望月光の超基礎がため古文教室・古典文法編」(望月光著、2007年、旺文社)
★「読解のための必修古典文法」(宇都宮啓吾・横田隆志・西川兼司編著、2009年、文英堂)
★「基礎から解釈へ新しい古典文法・四訂新版」(岩淵匡・坂梨隆三・林史典監修、2010年、桐原書店)
★「古文解釈のための総合力を養う完全マスター古典文法・新版二訂」(第一学習社編集部編、2012年、第一学習社)
★「読解をたいせつにする体系古典文法・八訂版」(浜本純逸監修、黒川行信編著、2013年、数研出版)
★「古文読解のための標準古典文法・三版三訂」(市川孝・山内洋一郎監修、2015年、第一学習社)
上で見ると、特に記述の無いものが大半ですが、用言に接続すると書かれているのはマドンナこと荻野文子氏の著書のみで、「よくわかる新選古典文法」「基礎から学ぶ解析古典文法」は助詞「て」「して」にも接続するとしていますね。