和の公式は、等差数列、等比数列のものしか学習していないと思います。
これらは、一般項がそれぞれ、
an=a+(n-1)d、an=ar^(n-1)のときしかつかえません。
しかし、学習が進むにつれ、一般項が上記の形以外のものもでてくるので、公式に当てはめるだけでは対応しきれなくなります。
そういうときには、Σを使って、計算します。
また、「和の公式を使って出した 値に そっからΣで計算する」とありますが、
これは、数列anの和Snを出したときに、Snも新しい数列として、見ることができます。
その新しい数列Snの和を出すときにΣを使ったのではないでしょうか?
~補足について~
数列1,1+4,1+4+7,…の一般項をanとします。
また、初項1、公差3の等比数列の一般項をbnとおきます。
{bn}=1,4,7,…,3n-2となります。
a1=1=b1
a2=1+4=b1+b2
a3=1+4+7=b1+b2+b3
…
an=1+4+7+…+3n-2=b1+b2+b3+…+bn
と見ることができるので、
anは数列{bn}の初項からn項までを合計したものになってます。
よって、
an
=b1+b2+b3+…+bn
=(1/2)n{1+(3n-2)}
=(1/2)n(3n-1)
=(3/2)n^2-(1/2)n
となります。
ここで、等差数列の和の公式を用いていますが、求めているのは、最終的に求める「和」ではなく、「与えられた数列の一般項」です。
すなわち、この場合は数列{an}の一般項を求めるための手段として、和の公式を使っています。
ちなみに、an=Σ(k=1~n)bkとしてanを求めることもできますが、
この場合も、数列{an}の一般項を求めるための手段として、Σを使っています。
例題の解答の続きです。
求めなくてはいけない「和」は
Σ(k=1~N)akなので、
Σ(k=1~N)ak
=Σ(k=1~N){(3/2)n^2-(1/2)n}
=(3/2)(1/6)N(N+1)(2N+1)-(1/2)(1/2)N(N+1)
=(1/4)N(N+1){(2N+1)-1}
=(1/4)N(N+1)(2N)
=(1/2)N^2(N+1)
したがって、答えは(1/2)N^2(N+1)となりますが、
この場合は、数列{an}の和を求めるために、Σを使っています。
このように、和の公式もΣもあくまで、計算を行うための「手段」でしかありません。「何を求めるのか」によって、同じ公式をつかっても、式の捉え方は変わってきます。
いかがでしょうか?