『斜面に垂直な力は一定だとは思いますが』←これの理由について考察しましたか？ ここが正しく理解できているのであれば、『台車にはたらく斜面方向の大きさは一定』であることも正しく理解できるはずなのですが・・・ これら2つの力が一定なのは、この2つの力とも、台車に働く重力の1部分（厳密性にかける表現ですが）だからなのです。 重力は、どのような運動をしていても大きさが変わることはありません。 よって、その1部分であるこれら2力も大きさが変わることはないのです。 （正確に言えば、2力は、重力を斜面方向と斜面に垂直な方向とに分解したときの分力と呼ばれるものです。 詳しくは高校で習う事項になります。分解の仕方が理解できれば、その分力の大きさは、元の力の大きさが一定である限り、常に一定であることがわかります。） さらに、補足すれば、物体の速度の大きさがが大きくなるということは、その物体に進行方向と同じ向きの加速度が生じているということです。 物体に加速度を生じさせるものこそ「力」であり、「力」が働き続ける限り、その物体に加速度が生じ続けます。 このとき、「力」の大きさが一定であったとしても、「力」が働いているので、加速度は生じることになります。 加速度を生じさせるのに「力」が『大きくなり続ける（または小さくなり続ける）』必要はないのです。この違いをしっかり理解してください。