中学国文法の範囲でよく扱われる整理としては、次のように説明されることが多いです。
1) 「勉強しようとしない」の「ない」
• 品詞:助動詞(否定の助動詞)
「する」の未然形「し」+「ない」で、「(勉強しようと)する」という動詞を打ち消しています。
このように、「動詞(または形容詞)の未然形に付いて、“打ち消す”はたらきをする『ない』」は助動詞とされます。
たとえば
• 「食べ(未然形) + ない」
• 「行か(未然形) + ない」
• 「し(未然形) + ない」
のような形です。
2) 「そんなに重くない」の「ない」
• 品詞:形容詞(イ形容詞)
こちらは「形容詞『重い』」を打ち消す形「重くない」です。
中学文法では、形容詞の語尾を「〜く」(連用形)にしてから「ない」を付けて打ち消しを表す場合、この「ない」は形容詞(イ形容詞)と整理されることが一般的です。
実際に「重くなかった」「重くなくて」などと、イ形容詞と同じように活用することができます。
なぜ動詞を否定するときと形容詞を否定するときで扱いが違うのか?
• 動詞を否定するときの「ない」
• 動詞(あるいは形容詞)の未然形に直接くっついて打ち消しを表すため、助動詞とされる。
• **「〜くない」**で形容詞を否定するときの「ない」
• 「形容詞の連用形(〜く)」+「ない」でひとまとまりの語としてイ形容詞的に活用し、「〜くなかった」「〜くなくて」などと変化できるため、**形容詞(イ形容詞)**とされる。
まとめ
1. 勉強しようとしない
• 「しない」の「ない」
• 品詞:助動詞(打消の助動詞)
2. そんなに重くない
• 「重くない」の「ない」
• 品詞:形容詞(イ形容詞)
中学国文法では上記のように区別されるのが一般的です。