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これ全音の、 「ベートーヴェン 3大ソナタ《悲愴》《月光》《熱情》」 の悲愴の第2楽章の出だしなんですが、おかしくないですか?

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回答(2件)

おかしくないです。音楽的で良い楽譜だと思います。 この楽譜の元はPeters版です。Peters版にはペダル記号がありませんので、全音がペダル記号を補完していると思います。 midnightmoonさんが書いていることはごもっともです。そもそもベートーヴェンの記譜法は問題が多いんですよね。ただ、左右の手の振り分けは人間様の勝手な言い分に過ぎませんし、人によって差異が生じやすい部分でもあるのでそれを公的な楽譜に求めるのはどうかと思います。しかもこの直後に4声になるので、上声2つを上段にまとめるのは自明です。やはり音楽を理解するうえでは同じ声部が上段や下段に分かち書きされるほうが問題だと考えます。 このあたりの『理想と現実の問題』に折り合いをつけてくれるのがカゼッラ版の楽譜になりますが、この楽章に関してはカゼッラも同様の譜割り(上下段ともへ音記号)で書いていますので、むしろこれが正解ではないかと考えています。 というわけで、imslpを見るならぜひカゼッラ版を見てください。 https://imslp.org/wiki/Category:Casella,_Alfredo/Editor 「変だな」と思ったらその違和感の原因を掘り下げるクセをつけてください。つまり開始部分で右手のト音記号を『わざわざ打ち消して』(ここがすごく重要)へ音記号を書いた理由くらい考えましょう、ということです。 私がいま考えた理由は、9小節目で旋律が1オクターブ上がるから冒頭はヘ音記号にしたのだと推測しました。どういうことかというと、最初はアルトの音域で旋律が歌われ、9小節目からソプラノの音域に移行するんです。両者の違いを演奏者にはっきり認識させるためにへ音記号を使ったと考えます。この配慮を余計なお世話と捉えるか、音楽的な記譜と捉えるかは人によって違うと思います。 ベートーヴェンはチェロの楽譜もト音記号で書いてしまう人でした。彼の音楽の最大の欠点この部分です。記譜が無頓着すぎるんですよね。音部記号が演奏表現に影響することを考えていなかったと思われます。

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imslpというサイトがあり、多くの出版社の楽譜を見ることができます。 初版や原典に忠実なヘンレ版は、上段がト音記号、下段がヘ音記号の見慣れた形になっていますが、これでは4小節目のソシソシが左手では弾けません。ソシソシは右手で弾くことになりますから、全音に限らず、ブライトコップ版、シャーマー版などは、質問者さんが提示した写真のような構成になっています。 つまり、ピアノの楽譜というものは、上段が右手、下段が左手で弾くように書かれているのが大前提であり、かえってヘンレ版のようにしてしまうと、その楽譜を見て演奏する時には演奏しにくい場合があると考えられます。